Tag Archives: 葡萄収穫

ワイン・ニュースのまとめ

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。 2014年の一発目は正月休みの間におきたワイン関連のニュースでスタートします。 *** (イメージ:Wine Australiaより) 北半球は冬真っ只中だが、南半球は2014年ヴィンテージの収穫時期は数週間後に開始するが、オーストラリアからは先行きが心配してしまうようなニュースが・・・ 豪州の大手ワイン会社3社のAccolade Wine/アコレード・ワイン社、Pernod Ricard/ペルノ・リカール社、Treasury Wine Estate/トレジャリー・ワイン・エステート社は共に葡萄の仕入価格を最大で50%引き下げると昨年の12月に発表をおこなった。豪州ではワインのオーバーストックと販売が伸び悩むとここ数年の実績が理由として仕入価格の引き下げを行なったと推測される。2011年の干ばつを皮切りに豪州ワイン産業は一時の成長から下降傾向が続いており、葡萄の価格が一時より立て直し上昇傾向であったが、昨年年末の大手ワイン会社の発表は農家にとっては死活問題で、このまま葡萄栽培を続けることができるのかが問われてしまうほのの事態になっている。 すでにシャルドネ種とモスカット種の仕入価格が最も大きく落ち込むと発表が出ている。この事態を踏まえ、白ワインを専門に栽培している北西ヴィクトリア産地の葡萄農家協会の代表者は多くの葡萄農家に影響が出ると予測しており、このまま葡萄収穫を行なわず、必要な手続きを行なう農家も出るとも予測している。特に残念なことは葡萄そのものには特に質も問題はなく、オーストラリア全体で見るとワインの評価が高まっていることが実態。 急激に成長したオーストラリアのワイン産業が一旦リセットする意味で仕方がないことなのか、それとも何か産業全体の巻き返しか、葡萄農家への救済策がとられるのを待って我慢するのか、重大な判断が多くの農家に迫っていることだけは確かだ・・・ (ニュース・ソース:ABCより) *** (イメージ:The Wall Street Journalより) フランスのソーテルヌ産地でも重大な判断が迫っている。ソーテルヌはセミョン種とソーヴィニョン・ブラン種の葡萄で造られる貴腐ワインが真っ先に頭に浮かび、極甘口でデザートワインとして味わわれているワインを連想すると思う。有名な生産者としてはシャトー・ディケムが挙げられる。 ソーテルヌ産地は5つの村(ソーテルヌ、ボンム、フォルグ、ブレイニャック、バルザック)で構成されおり、ボルドー南部の<グラーヴAOC>の一部となっている。実はアルコール度数が13%以上の甘口貴腐ワインのみが<ソーテルヌAOC>の表記を許可されており、同じ生産地でその他のスタイルの白ワインはすべて大まかな<ボルドー・ブランAOC>の表記を使用する。 ここ数年、甘口貴腐ワインの業績が伸び悩んでおり、ソーテルヌでは上質は<ドライ・スタイル>の白ワインも生産していることを認知してもらうために、<ドライ・スタイル>の白ワイン限定に、大まかな<ボルドー・ブランAOC>よりも更に産地を特定できる<グラーヴAOC>の表記を使用し、売り出す案が出ている。 これに待ったをかけているのが、ソーテルヌ産地を代表する甘口貴腐ワインを造る生産者たち。隣のセロンAOCでもおきた現象で、同じように<グラーヴAOC>の表記を許可した後に、多くの生産者が甘口貴腐ワイン造りから離れてしまい、<ドライ・スタイル>専門にスイッチしてしまったのである。当然、ソーテルヌ産地の5つの村の生産者も、市場がドライ・スタイルを求めているのなら、そっちに切り替える生産者も出てくると考えられ、伝統的な貴腐ワインを扱う生産者が減少する可能性もある。 伝統を守り続けるのか、それとも市場の需要を追って生産をおこなうのか議論が高まるような気がする・・・ (ニュース・ソース:Decanterより) *** (イメージ:My Beautiful Adventuresより) 最後はカリフォルニアから。特にニュース性はないが、国内でもお馴染みのRavenswood/レイヴェンズウッドの創業者、元ZAP(ジンファンデル・アドヴォケート&プロデューサー)の代表、そして現在はワイン・グループ会社大手のコンステレーション社でシニア・ヴァイス・プレジデントを勤めているジョエル・ピーターソン氏がDrink Business誌のインタビューでカリフォルニア特有の品種の一つ、<ジンファンデル>の今後の展開を予測する内容を公開した。 ピーターソン氏は<ジンファンデルのゴッドファーザー>と呼ばれることもあり、リッジのポール・ドレーパー氏と共に30年以上、ジャグ・ワイン(バルク・ワイン)から始まった葡萄がプレミアム・ワインに使用されるカリフォルニアを代表する品種に仕立てた貢献度は誰もが認めている。 レイヴェンズウッドやリッジはジンファンデルの扱い方に対して研究を1970年代から重ねてきた。ピーターソン氏は当初のジャグ・ワインから<オールド・ワールド>スタイルでプレミアム・ワインとして理想とされる12.5%~14%のアルコール度数のワイン造りに取り掛かった。一方で<ジンファンデルの誕生地>と呼ばれるアマドール郡では遅積みの超熟成でアルコール度数16%のワイン造りが盛んに行なわれていた。結果的に90年代に入るとピーターソン氏が目指していたスタイルと超熟成スタイルの中間あたりを<Turley/ターリー>が表現することに成功し、ジンファンデルとして初めてロバート・パーカー氏から100ポイントを<Turley 1994 Hayne Vineyard Zinfandel>が獲得した。それでもピーターソン氏にしてみれば、ターリーのワインはオーク樽臭が強く残り、高いアルコール度数のワインであったことから更に研究に取り掛かり、一方でパーカー好みで高い評価を得られるのであればターリーのスタイルを再現しようと多くの生産者が<フルーティ>や<ジャム感覚>のジンファンデルが多く造られるようになった。このトレンドが2009年まで続いたが、2010年と2011年は気温が上がらず超熟成にジンファンデルが足しなかったことや新たなスタイルに挑戦する若手のワインメーカーが現れ、ピーターソン氏が目指していたジンファンデルへの動きが高まった。 (イメージ:Cellar Trackerより) 現在は大きく2つの分野での研究が盛んに行なわれている。まずは長期貯蔵向きのジンファンデルを造ること。そもそもジンファンデルは若い、早飲みに適していると思われていたが、長期貯蔵を考慮し十分に酸とタンニンの抽出を行なえば貯蔵向けのワインを造ることも可能とわかった。もう一つはフランス製オーク樽よりアメリカ製オーク樽のほうがジンファンデルの樽熟成に向いていることが試験で明らかになり、これまでフランス製を使用していたリッジでもアメリカ製にスイッチした傾向が進んでいる。 … Continue reading

Posted in オーストラリア・ワイン, カリフォルニア・ワイン, フランス・ワイン, 厳選ワインニュース | Tagged , , , , , , | Leave a comment

カリフォルニア2011<苦戦のヴィンテージ>の評価

カリフォルニアの2011年ヴィンテージは<苦戦のヴィンテージ>として業界では語られる。この<苦戦のヴィンテージ>からいよいよの赤ワインがリリースされる時期になっており、ワイン専門誌では徐々にその正体を明らかにしている。 (イメージ:Dutton-Goldfield Winery/Facebookより) まずは<苦戦のヴィンテージ>の由来を振り返ってみよう。2011年と言えば国内では東北での震災の年で津波被害からの建て直しや放射能漏れなどと日本全国で景気の冷え込みが長期に続いたが、カリフォルニアでは違った意味の冷え込みが長期に続き、葡萄栽培に関して多くの農家が苦戦した。 春先には北カリフォルニアでは雨が4月に入っても治まらず、つぼみ/芽の開花が大幅に遅れた。中央や南カリフォルニアに関しては春先には同じく気温が上がらず、霜の被害がパソロブレスからサンタバーバラの畑で発生し、春先の段階ですでに大半の葡萄を失った農家は少なくなかった。 カリフォルニア全土で葡萄の生長は出遅れ、しかも例年より涼しい夏となっていたが、9月まではどうにか多少希望が持てるシーズンになると思われていたが、10月の始めに大型の豪雨が北カリフォルニアを長期に襲い、収穫間近の品種の多くにはカビが付き腐敗果が多く出てしまった。  (イメージ:VML Winery/Facebookより) 特に北カリフォルニアでは<10月4日>が豪雨の開始日として、この前に収穫できた畑は、そこそこ安定感があるワインを造りことができたが、これ以降の収穫した畑は腐敗果交じりでバラつきが出るワインに仕上がった認識である。通常の年であれば10月初旬ではカベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデルが未収穫で残るが、2011年は春先に雨が続き、夏も涼しかったため、すべての品種の成長に対して遅れが出てしまい、通常では収穫済みであったはずのピノ・ノワール種やシャルドネ種の収穫のタイミングがちょうど豪雨の時期と重なってしまった。 腐敗果は貴腐ワインを造る目的でなければ、葡萄農家泣かせの事態。表面に少しの湿気が存在するだけでカビは成長してしまい、正直、腐敗が進んでいなければ、簡単な検査では見分けることもできない。しかも、一般の収穫作業員は腐敗が明らかでなければ、仕分けることできないことから、除かれないまま醸造所に運ばれる。醸造を始める前に、最後の葡萄の仕分けの工程がある。当然、上質なワインを造るのであれば葡萄の水洗いや殺菌などはもっての外で、仕分機のコンベアベルトで流れてくる葡萄を見て・触って、取り除くしかない。十分な資金があり、仕分けの作業員を増やし、時間をかけてできるワイナリーであるのなら、腐敗果の取り除きが可能だが、中小規模で少人数で行なっているワイナリーにはどうしても欠けてしまう作業となってしまう。 (イメージ:Kanzler Vineyard/Facebookより) ワイン批評家の間で2011年ヴィンテージの特にピノ・ノワールの味わいの感想に<カビ臭い>の表現が連発されている。また、10月初旬の豪雨で腐敗果の恐れを察知し、完全に熟す前に収穫した栽培家も多くいたため、<タンニンが苦く>出てしまった感想も多くあげられている。この<カビ臭さ>と<苦いタンニン>はいくら熟成期間を経ても消すことができない要素であることは専門家の間で認識されている。修正が効かないワインに仕上げてしまったことから、2011年ヴィンテージにはワインの一生涯に残る特徴が刻まれ<苦戦のヴィンテージ>のレッテルが付いてしまうのもどこか魅力的にも感じてしまう・・・ 一方、10月の豪雨を免れたパソロブレスやサンタバーバラ産のワインには北カリフォルニアほどバラつきがない感想が出ている。ただし、春先の霜被害で多くの収穫量を奪われたことから生産者は決して喜んではいない。 また、決して2011ヴィンテージがすべて劣っていると言う意味でもなく、上質なワイン造りに取り組んでいるワイナリーはあえて腕の見せ所と感じて細かい箇所まで気を使い、バランスのいいワインを造っている。販売が開始されたばかりのヴィンテージなので、苦戦したワイナリーを紹介するより、安定感のある上質なソノマ産のピノ・ノワールをいくつかを紹介しよう。 *** ワイン・エンスージアスト誌で高い評価を獲得した2011ヴィンテージのソノマ産のピノ・ノワール:Williams Selyem、Merry Edwards、Paul Hobbs、Rochioli、Lynmar、Dutton-Goldfield、Joseph Phelps、Failla、Flowers、 Freeman、Sojourn、Siduri (イメージ:Zinfandel Chronicles、Dutton-Goldfield Winery/Facebook、William-Selyem/Facebook、Lynmar Estate/Facebookより) ワイン・スペクテーター誌で高い評価を獲得した2011ヴィンテージのソノマ産のピノ・ノワール:Aston、Kanzler、Meiomi、Reuling、Auteur、Kosta Browne、Mueller、Sonoma-Loeb、Venge、Belle Glos、Peter Michael、Patz & Hall、Saxon Brown、Robert Stemmler、VML、Walt、August West、Paul Hobbs、Lynmar (イメージ:Schrader Cellars、Kanzler Vineyard/Facebook、Gastrobits、Mueller Winery/Facebookより) … Continue reading

Posted in カリフォルニア・ワイン, 厳選ワインニュース | Tagged , , , , , , , , , | Leave a comment

2013年の収穫レポート総括(その2)ジンファンデルに異変?

(イメージ:LoCA LodiWineより) 先週はSFクロニクル紙のカリフォルニア葡萄収穫シーズンの総括を紹介したが、今回はWines and Vines誌の総括を紹介します。 カリフォルニア州全土を網羅する葡萄農家の支援組織<Allied Grape Growers社>の集計によると、2013年の総収穫量が400万トンに達すとわかった。2012年に近い収穫量で、ロダイ近郊の畑からの収穫量が大幅に伸びたことが集計でわかった。 Allied Grape Growersの代表によると今年の収穫量は更に大きくなってもおかしくなかったが、醗酵タンクに空きがなかった醸造所が多かったため、収穫できずにそのまま葡萄の木に付いたままの葡萄も多かったと説明している。特に品種別ではジンファンデル種に放置被害が多く、約25%の総栽培量が未収穫または収穫されたがワイン造りに採用されなく処分された。これまで<オールド・ヴァイン>として需要が高かったジンファンデルの木でも、葉っぱが赤くなった木からは葡萄は収穫されなかった例もあったと報告が入った。 <オールド・ヴァイン>のジンファンデルで、葉っぱが赤くなった木。 (イメージ:FanucchiVineyardsより) 厳選されたジンファンデルを複数の産地から集めてワイン造りを行なっている<ターリー・ワイン・セラーズ>のワインメーカーによると今年のジンファンデルは熟成度にバラつきがあったと話している。特にロダイとアマドール産地の葡萄にバラつきが目立ち、約1割程度の葡萄が仕分け段階で品質を考慮し除くことがあるが、今年のロダイ産の葡萄の1/4が未使用のまま除かれる事態があったと説明している。バラつきの原因は今のところは不明だが、均等に糖度が構築されない理由にはもう少し葡萄の間引きを行なう必要性があったと想定できる。 また、ジンファンデル種の収穫の最中にカベルネ・ソーヴィニヨン種が予定よりも早く収穫のタイミングに達し重なったため、タンクの空き具合を考慮して、カベルネを優先したワイナリーがターリーを含めて多く存在したとがわかった。この結果としてジンファンデルが未収穫の状態になった。 2年続けて豊作を経験したターリーはナパのアトラス・ピーク地区のジンファンデルを先週収穫し、これですべての2013年分のジンファンデルの収穫を済ませた。予想外の出来事がいくつか重なったが、ジンファンデルの2013年ヴィンテージは高いクオリティのワインが出来上がることを期待している。 ちなみに、2012年には44万8039トンのジンファンデルが収穫され、カリフォルニアではカベルネ・ソーヴィニヨンに続いて第2位の収穫量をほこる赤ワイン用の葡萄。 <ホワイト・ジンファンデル>のイメージを覆そうと造ったターリーの新しい試みの一つ。 (イメージ:CellarTackerより) このほかに総括として、Allied Grape Growersではワイナリー側に更なる改善の必要性を訴えている。葡萄生産者側は海外から輸入されるバルクの葡萄に対しての競争力を高めるために、栽培量を増やしているが、ワイン醸造者側は増えた葡萄を処理するためのそれなりの設備への投資やプロセスの改善ができてないと指摘している。内陸のセントラル・バレーなどに製造拠点を構えている大手ワイン会社はそれなりに設備投資や改善を行なっているが、その他の産地、特に沿岸部産地では投資や改善が遅れていると実態を説明している。 最後は、多少の葡萄の熟成度にバラつきがあったロダイ産地が更に栽培量が伸びる可能性があるとAllied Grape Growersの関係者は期待を示している。ロダイは葡萄栽培産地区分ではサン・ホアキン郡の北部とサクラメント郡の南部が含まれる<District-11>に入り、今年は記録的な葡萄栽培量の報告が入っている。昨年の76万7400トンの収穫を記録し、この数字は上回ることは確実と見込まれている。ちなみにセントラル・バレーのマデラ郡、フレスノ郡、アルパイン郡、モノ郡、インヨ郡で構成される<District-13>は、2012年では121万5393トンの収穫量を記録しカリフォルニアでは現在最大の栽培地区となっている。 (イメージ:Active Rainより) <葡萄の生産者側>の立場と<ワイン製造者側>の立場が異なることは理解できるが、このレポートでもタンク不足が取り上げられワイン製造者側の責任が問われる様子も伺えられるが、2010年と2011年は不作でタンクの必要性どころか、存続までも問われたワイナリーも多かったため、2年続いた豊作に対して準備不足は否めないが、ワイン製造者側だけを責めるのも可愛そうな気がする。ターリーが葡萄の熟成にバラつきがあったコメントから推測して、少し丁寧に間引きを行なって、無理に大量収穫を行なわなくても良かったのではないかとも考えられる。数字を追うのか、品質を求めるのか、この先も立場によって意見が異なる気がする・・・ (ニュース・ソース:Wine and Vinesより)

Posted in カリフォルニア・ワイン, 厳選ワインニュース | Tagged , , , , | Leave a comment

SFクロニクルの2013年収穫シーズンの分析

St. HelenaのSpring Mountain地区のGuilliams Vineyardsの様子。 (イメージ:SF Chronicle/Jason Henryより) 2013年のカリフォルニアの収穫シーズンは終了し、醸造所ではワイン造りに取り掛かっており、畑は冬に向けての作業に入る。一段楽したところでサンフランシスコ・クロニクル紙のワイン・ライターのジョン・ボネ氏が今年の収穫シーズンの解説を早くも掲載した。 何度もこのブログでも紹介しているが、今年の収穫は例年より前倒し状態で収穫は進んでいった。昨年の2012年は2年ぶりの豊作年となり、今年も葡萄の収穫量と熟成度には文句を付けようのない結果となった。 天候面では前年度との大きな違いは、2012年~2013年の冬の間は雨が降らなかったことぐらいで、春先と初夏は例年通りの天候で、特に目立った急激の熱波もなく、カリフォルニアらしい太陽が燦燦と降りしきる栽培シーズンであった。 しかし、前年度と大きな違いは、収穫の時期が例年より1月~数週間早まってしまったこと。以前にも紹介した醗酵・醸造タンク不足の問題は予想以上に各地のワイナリーではタンク確保に追われた。今年の収穫を終え、どのような教訓が得られるのかが、ボネ氏は「2013年はカリフォルニアの葡萄栽培のカレンダーが書き直された年となった」と分析を行なった。ボネ氏は4つの大きな傾向に分けた。 Garnet Vineyardではソノマ・コースト産のピノ・ノワールが大量に収穫され、醗酵待ちの状態。 (イメージ:Grape and the Girlより) 1つ目は夜間の気温が変化していること。ナパやソノマの生産者の話を集約し、昼間の気温はそれほど例年と変わりがないが、夜間の温度が通常と比べて下がっていないことがわかった。あるソノマの畑では前年よりも40日早いタイミングで収穫を行なったと話している。一方、パソロブレスなどではこの傾向は特別に感じておらず、例年よりも収穫は少し早まったと説明している。ソノマとパソロブレスには取り扱い品種に大きな違いが存在し、特にパソロブレスでは温かい気候に適した品種を多く取り扱っている。このまま夜間の温度変化がナパやソノマなどでおき難くなるのであれば、取り扱い品種の検討を再度行なうことも必要なのかもしれない考えが出てきた。 2つ目は葡萄の木がこれまでと異なったストレスを感じていること。今年の早まった栽培ではソノマで収穫した<葡萄の種>が完全に成長し茶色になってしまったものが多くでたが、酸味に関しては十分に酸が残っていながら、糖度も理想の熟成数値に到達している珍しい状態であることがわかった。また、オールド・ヴァイン(古木)のジンファンデルは冬の間の降水量の少なさから通常より少ない量の葉っぱが付き、葉っぱ自体の成長が遅くなったとレポートが入っている。昨年の豊作との関係があるのかもしれないが、これまでと異なったストレスを葡萄の木が感じていることは確かに現れてと言える。また、天候に関して農業では日照日数(Growing Degree Days:栽培時期(4月~10月)の総温度数値+日数で表す)が一つの数値基準として重要な情報を知らせてくれる。これまでカリフォルニアでは理想的な天候の年に2007年と2009年が比較対照に取り上げられるが、2007年は3,525℉、2009年は3,423℉、そして今年は3,113℉になっている。2013年は晴れの日は続いたが、意外と温度がそれほど上がらなかったことが特徴の1つであることがわかった。 Garnet Vineyardで収穫されたピノ・ノワールでやっと醗酵タンクへの順番が回ってきたもの。 (イメージ:Grape and the Girlより) 3つ目は収穫シーズンが早いまたは短い意味を考えて見る。世界基準で通常は葡萄の木に春先につぼみが咲いてから100日後に収穫する目安である。実は今年は平均で102~105日であった。最近のカリフォルニアの傾向では130~150日が普通となってしまっていることが実情であるとボネ氏は分析している。特に涼しい気候の産地は長いハングタイムを保ち、収穫をギリギリまで待つ傾向があるが、ピノ・ノワールやシャルドネを多く取り扱うソノマ・コースト(ソノマ)、カネロス(ナパ)、サンタ・リタ・ヒルズ(サンタバーバラ)などでは今年は通常の100日あたり(8月下旬)で収穫が行なわれた。今後の教訓として収穫のタイミングを100日あたりで対応できるように調整するワイナリーが増えたと認識している。 最後は一気に押し寄せた収穫された葡萄の処理。大半の醸造所は8月中旬に気温が少し上昇がおき、一気に葡萄収穫に拍車が掛かったことを経験した。醗酵タンクを多く所有していた醸造所は一気に満タン、フル稼働状態に入ってしまった。結果として収穫が遅めの品種はやむ終えず、醗酵が終了、空きが出るまで待つ必要が出て、予定より長い間のハングタイムにさらされ、中には糖度が30 Brixまで記録した葡萄が出てしまった(品種によってだが、通常27 Brixでも高すぎると言われる)。中には醸造段階で糖度や味わいを調整できると考えもあるが、基本的には一時期ナパやカリフォルニアの名称でもあった<パワフルなワイン>が復活してしまう懸念も出ている。 Tablas Creekでは収穫日・品種・醗酵・ロケーションが一覧できる掲示板を活用している。INOC(Inoculation:酵母での醗酵)が「NO」と示されている葡萄が多い。 (イメージ:Blog Tablas Creekより) 2013年の収穫シーズンが終わったばかりで、これから醸造・熟成されるワインで実際のクオリティが明確になってくるが、ボネ氏の鋭い分析はなるほどと思わせるくらい内容が多く、2年続いた豊作の意味と、この先、天候によってどのようなことが予想できるかが更に参考になるポイントをいくつか紹介してくれている。カリフォルニアではヴィンテージ・チャートはヨーロッパの名産地に比べてそれほど普及されておらず、ヴィンテージよりもそのときの醸造トレンドやスタイルが大きく注目される。また、それぞれのカリフォルニア産地の古木が増え、その産地の独自のスタイルが確立されていくとまたヨーロッパのようなヴィンテージごとの区別などを楽しめるのかも知れない・・・ちなみにカリフォルニアの醸造家の多くは11月が収穫から醗酵までのステップが済み、長期期間の熟成段階に入るので、夏休みなどが取れなかった人たちは一旦長期休暇に入る。今年はそれが早まったので10月から休暇に入った醸造家たちも多いらしい・・・ (ニュース・ソース:SFクロニクルより)

Posted in カリフォルニア・ワイン, 厳選ワインニュース | Tagged , , , , , , | Leave a comment

メンドシーノの収穫アップデート

メンドシーノの2013年の葡萄収穫に関する最新情報がWines and Vines誌に掲載された。 まずは近くのナパとソノマと同様に、今年の葡萄収穫は例年より早く訪れていてて、特に9月末にメンドシーノ全体を2度に渡って通過した強い雨の影響で、腐敗の心配で大半のワイナリーや農家は葡萄の収穫を済ませたと報告が入ってきている。 メンドシーノの老舗ワイナリーのHusch。GrandOzは人気の限定性産ワインでカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーをブレンドしている。 (イメージ:Everywhere Onceより) Husch Vineyardのオーナーでメンドシーノのワイン農家協会の代表を務めるザック・ロビンソン氏の話によると、メンドシーノではナパ・ソノマと同様に天候に恵まれ、収穫が早まった畑が多く存在したが、場所によって多少涼しい気候であったため熟成度に差が出ており、今週に入ってシャルドネ種の収穫に取り掛かっている畑もいると説明している。熟成度に関して特にジンファンデル種に様々な違いが出ていると、ロビンソン氏自身も栽培しているジンファンデルで例年と比べて糖度の違いを実感している。通常は25~26 Brix(糖度数値)で収穫を行うが、今年はいくつかのジンファンデルは22.5 Brixでも十分な味わいや熟成度を感じられたので収穫を決めたと説明している。 ピノ・ノワールで好評を獲得しているアンダーソン・バレーのワイナリー。 (イメージ:Swirl it!より) また、メンドシーノの<ピノ・ノワールの街道>アンダーソン・バレーAVAのワイン農家団体の代表でFoursight Wineでワインメーカーを努めるジョー・ウェブ氏はアンダーソン・バレー所属のワイナリーおよび葡萄農家は全て収穫を済ませていると報告。 アンダーソン・バレーの場合、白ワイン用の葡萄よりもピノ・ノワール種を先に収穫を済ませてから、シャルドネ種、セミヨン種、リースリング種などの収穫に取り掛かるが、今年は天候がよかったため同じタイミングでの赤・白の葡萄の収穫を余儀なくされた。現段階では収穫された葡萄の圧搾は済んでおり、醗酵タンクに移動していると説明。ウェブ氏の話によると、醗酵タンクの容量を考慮し、葡萄の仕分け台でこれまで経験したことが無い量の葡萄を省いたとと説明。上質の葡萄のみが圧搾・醸造に移ったのでワインのクオリティに関しては高い期待を持っている。 メンドシーノのRedwood ValleyAVAに古木を多く扱うワイナリー。 (イメージ:BrownFamilyWinesより) 一方、今年の葡萄栽培・収穫面で苦しんだ農家もいた。Brown Family Wineは畑に水撒きを行わない<ドライ・ファーミング手法>で葡萄を栽培を行っている。昨年の冬から雨の日が少なかったため、地中に十分な水分が貯蓄されていなかったため例年よりもメルロー種の収穫量が4割程度栽培量が落ち込んだ報告をしている。特にBrownの場合、125エーカーの畑を所有しており、そのうち20エーカーが樹齢38年のメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンがある。古木であるほど栽培量が落ち込むが、その上、水分不足で例年より少ない栽培となってしまった。今年は1エーカーから2トン程度の収穫量であったが、葡萄の品質は上々と説明している。今年も冬の間、降水量が少ない場合、真剣に畑の水撒きを検討するとBrownの関係者は話している。 (ニュース・ソース:Wines and Vinesより)

Posted in カリフォルニア・ワイン, 厳選ワインニュース | Tagged , , , , , | Leave a comment

フランスの葡萄収穫に関する最新情報

フランスから2013年の葡萄収穫に関するアップデートをいくつか・・・ まずは9月末の段階でフランスのボルドー地方では雨と腐敗の恐れで多くの生産者は通常よりも早い段階で収穫を済ませた。9月末は雨の日が連続で続き、葡萄の腐敗の恐れがあったことから、雨の中、作業員を増員し早めにメルローの収穫を済めた農家が多くいた。グラーヴAOCのChateau Malartic-Lagraviereはギリギリまで待ったが腐敗が始まってからは遅すぎることでメルローの収穫に踏み切った。 Chateau Malartic-Lagraviereのメルローの栽培の様子。 (イメージ:Chateau Malartic-Lagraviere/Facebookより) マルゴーAOCのChateau Marquis de Termeも9月30日にメルローの収穫を開始し、関係者は地元紙のSud-Ouest紙の取材に対して19年間で最も難しい栽培シーズンであると説明している。一方、今週からは晴れの予報が出ており、まだこれから収穫を行うカベルネ・ソーヴィニヨン種に対しては少しは安心して収穫のタイミングを見計らうことをコメントをしている。 (イメージ:Chateau Marquis de Terme/Facebookより) (ニュース・ソース:Wine-Searcher.comより) *** Clos Bourgelatの白ワイン用の葡萄。 (イメージ:Clos Bourgelat/Facebookより) グラーヴAOCのClos Bourgelatからは信じがたいニュース。グラーヴのセロン近郊に30エーカーの畑を営むClos BourgelatのDominique Lafosse氏は先週の火曜日に畑で作業をしよう訪れた際、約13ヘクタール分の畑の葡萄が消えていることに気づいた。そこにはトラクターが通過した跡が残っていただけ。デザート・ワインに使用する白ワイン用の葡萄を近所の農家が誤って収穫してしまったと推測し、連絡を待っていたが、金曜になっても誰からも連絡がないことから地元警察に追放を行った。ただし、月曜になって約10キロも離れた葡萄農家から連絡が入り、誤って葡萄の収穫を行なったことが判明した。葡萄を失った被害として600本分のワインの額である5千ユーロを賠償金として支払いことで今回の事態は収まった。 (イメージ:Clos Bourgelat/Facebookより) (ニュース・ソース:Wine-Searcher.comより) *** (イメージ:London Cru/Facebookより) 最後はロンドンから。ロンドン市内で初の都市型ワイナリー<London Cru>はフランス各地から上質な葡萄を仕入ワイン造りを行なうのだが、7トン分の2013ヴィンテージの葡萄の腐敗があまりにも進んでいてて、仕入をキャンセルする事態となった。 7トンのうち、4トンはロワール産の葡萄で、3トンはボルドー産の葡萄。2013年の収穫が難しかったことから、葡萄の運搬時間も考慮し、フランスの葡萄生産者と討議の結果、フランス産の葡萄の使用をすべてキャンセルすること決断した。London Cruの第1弾はメルロー種で造るワインを予定していたが、急遽計画を変更し、イタリアのピエモンテ地方産のバーベラ種でワイン造りを行なうと発表。そもそもジン醸造の施設は1万7千本のワインを年間で生産する予定で、2014年中旬に第1弾のワインをリリースする予定。 (イメージ:London Cru/Facebookより) (ニュース・ソース:Wine-Searcher.comより)

Posted in フランス・ワイン, 厳選ワインニュース | Tagged , , , , , | Leave a comment

オレゴンの2013年の葡萄収穫状況

Benton-Lane Wineryのオーナーのスティーブ・ジラード氏。 (イメージ:The Register-Guardより) 9月に前半はカリフォルニアと同様にオレゴンのワイン産地は天候に恵まれ昨年と同じように豊作が期待が高まっていたが、9月の中旬以降は雨の日が続き、葡萄農家は慌て始めていることを地元紙は紹介している。 簡単なおさらいだが、葡萄栽培で収穫間近での大量の雨は一番農家を困らせる。特に酸と糖度が仕上がってきている葡萄はカビ、腐敗果、果汁の薄弱化、果皮割れなどが起こりやすくなる。また、雨が長期に続くと葡萄の木は冬の到来だと思い、生長が一旦遮断し、葉の色が黄色がかり、葡萄から糖が抜けやすくなる。 オレゴンでは9月後半には平均より4倍の雨の量が降り、通常では10月初旬に本格的な栽培を行なうはずが、多くの栽培家はすべての収穫を失うよりも、希望よりも早めに葡萄を摘むことを判断する農家が増えている。 またオレゴン特有の事情がもう一つ存在する。オレゴンの主流の品種がピノ・ノワールで、カリフォルニアで栽培されるカベルネ・ソーヴィニヨンよりも果皮が薄いことが栽培を難しくしている。果皮が薄いことからパーフェクトな栽培コンディションから天候が少しでも変わることにより、葡萄の品質も理想の状態から低下する率が高くなる。一般的に果皮が薄い葡萄品種は雨に非常に弱い。カビや腐敗以外にも、長期的に雨が降る続けると水分が果皮の中までにも吸収され、葡萄の味を薄めることがある。 Benton-Lane Wineryのピノ・ノワール。 (イメージ:The Register-Guardより) 同時に気温にも影響を受けやすく、温かい気温を好むが、熱波は苦手とする。また、夜に温度が下がることも上質なピノ栽培の重要な要素の一つである。 オレゴン全体でワイン産業は27億ドル(2700億円)相当の産業となっている。一つの葡萄品種に焦点が絞られておりいることで、2011年には急激な天候の変化が起きた際には、約6割の収穫・未収穫の葡萄が失われ大きな打撃を受けた教訓もある。 今年も同じような結果を予想しているかと、今の段階では断言できない。この先、我慢して10月に収穫する農家もいれば、早摘みした葡萄のクオリティも醸造・熟成をある程度行なうまで推測することもできない。 今回のニュース記事に協力した葡萄農家やワイナリーは心配は隠せないが、決して2013年度のヴィンテージに対して諦めたわけでもない。ウィラメット・バレーの南に位置するBenton-Lane Wineryは9月初旬の天候が良く2006年ヴィンテージに近い上質な葡萄を期待していたが、雨の影響で所有する145エーカー分のピノ・ノワールは早摘みすることを決断した。主に年間で2万5千ケースを生産していることから、葡萄不足よりも使用可能な葡萄は早摘みでも収穫を行なった。 (イメージ:The Oregon Winery Reviewより) 一方、King Estate Wineryでは465エーカーの内1/4の収穫しか済ませていない。雨の影響を心配しているが、天候が改善することを期待し、通常の収穫時期の葡萄摘みを計画している。 (イメージ:King Estate Winery/Facebookより) Pfeiffer Wineryでは70エーカーの約半分の42エーカーの葡萄収穫を済ませており、残りの収穫はもう少し様子を見るスタンス。Pfeiffer Wineryの関係者によると、特に2012年のヴィンテージは20年から30年に一度のパーフェクト・ヴィンテージを体験したワイナリーは今年も期待感が高く、この先、天候が改善し、葡萄の質もよくなることを期待している生産者は収穫を急がずに待っているものもいるが、2012年とは間違いなく違う特徴のワインに仕上がることは確信している。 9月下旬にPfeiffer Wineryで収穫されたピノ・ノワール。 (イメージ:Pfeiffer Winery/Facebookより) (ニュース・ソース:The Register-Guardより)

Posted in 厳選ワインニュース | Tagged , , , , | Leave a comment

カリフォルニアの葡萄収穫事情

(イメージ:Travel + Leisureより) 2013年のワイン用の葡萄収穫が順調に進んでいるニュースは9月に入って様々なニュース機関から伝えられているが、ここに来て収穫量に関して気になる話がニュース・サイトやワイン・ブログなどで紹介されている。 そもそも話は先週、ナパで開催されたWine Industry Financial Symposium(ワイン産業金融関連シンポジューム)で紹介されたカリフォルニアのワイン産業の統計データであらわになった。統計の内容は『収穫は増えているが、シェア拡大は伸び悩んでいる』のフレーズに集約される。 集計を行なったSilverado Group社はアメリカのワイン市場は22年間で毎年約2.9%の成長をとげているが、カリフォルニア産のワインのシェアに関しては、2000年には77%であったものの、2012年は61%に落ち込み、2015年では57%に落ち込むと予測している。 (イメージ:anneshannon/tumblrより) 大きく2つの現象にこの数値を説明している。まずはワインの需要が増えているも、カリフォルニアのワイン産地の多くは頭打ちしていると考えている。特にナパやソノマなどは葡萄栽培に関しては完全な頭打ち、セントラル・バレーのパソロブレスなどでは水不足問題で新たな葡萄畑の開業が難しく、サンタバーバラでは葡萄畑の運営規則が多すぎ新規参入や拡大が難しい。 また、もう一つの理由に海外、主にオーストラリア、チリ、アルゼンチンからの低価格のバルク・ワインおよび瓶詰めワインの輸入が増えていることがシェアの拡大への妨げになっていると考えられる。 (イメージ:jvandervink/instgramより) ナパやソノマなどで低価格の葡萄栽培もオプションとしてあるが、大半の生産者は品質と価格を維持または上げることに力を入れているところが傾向として根強く存在する。フランスのボルドーやブルゴーニュなど上質な葡萄生産地と比べてもまだまだ生産量と価格(葡萄の取り引き単価)に関して大きな開きが存在し、価値を上げたいのであれば、多く生産することができないことも多くのナパやソノマの生産者は理解している。 一方、いくつかのカリフォルニア・ワイン関連のブログでは2013年の収穫レポートの中には、計算間違えなのか、予想以上に多く収穫してしまったおり、ナパやソノマのワイナリーのいくつかのワイナリーが匿名でこれ以上収穫された葡萄を醸造所で受け入れるタンクやスペースがないとコメントをしている。特にナパ産地を代表するカベルネ・ソーヴィニヨン種の収穫がこれから行なわれることを考慮するのであればこれは死活問題。 (イメージ:eyeslikeemeraldcity/instgramより) 以前にもこのブログで醸造タンクとスペース不足の問題を取り上げたが、2年続けて豊作になったナパやソノマの葡萄生産者は喜んでいるが、ワイナリー側は十分な受け入れ準備が行なわれていなかった事実が少しづつ明らかになってきている。 これまで2009年から2011年の3年間、カリフォルニアで続いた不作でワイン生産をスケール・ダウンを余儀なくされたワイナリーは少なくない。多くは醸造タンクなどのワイン醸造に必要な機材の導入を控え、不作に対して様々な対応を行ってきたが、突然の急激な豊作が訪れ、多くのワイナリーが機材などに投資ができなかったツケがここにきて現れてしまった。 (イメージ:eyeslikeemeraldcity/instgramより) 最新のワイン・ブログなどでは、白ワインの醗酵などが終わるまで、赤ワイン用の葡萄を受け入れられないとコメントしている匿名のワイナリーがいくつか存在する。 また、中には収穫済みの葡萄の品質対して疑問をなげかれる生産者も出ている。天候に恵まれ、欲張って予定以上の栽培量を収穫したのではないかとの意見も出ている。栽培シーズンの天候が良い場合には、収穫量の調整と品質を維持するために、途中で葡萄の房を落とすことが必要だが、ワイナリーに運ばれた大量の葡萄の中に、調整のために落とさずに、そのまま届けられた葡萄が多いのではないかと懸念する生産者もいる。 そもそものナパやソノマの葡萄の品種を考慮すれば、ワインのクオリティが急激に影響されるとは考えにくいが、2年続けてカリフォルニアの豊作で舞台裏では思わぬ事態に・・・または、これがカリフォルニア・ワインの実態であるのかもしれない。 (イメージ:jvandervink/instgramより) (ニュース・ソース:WineBusiness.comとConnoisseurs Guide to California Wineより)

Posted in カリフォルニア・ワイン, 厳選ワインニュース | Tagged , , , , , , , | Leave a comment

ナパの2013年葡萄収穫アップデート

(イメージ:Napa Valley Registerより) 今週はナパでは季節外れの猛暑に見舞われ、今週から赤ワイン用の葡萄の収穫を検討しているワイナリーや葡萄畑が出てきた。中には白 ワイン用の葡萄収穫を終えていない畑もあり、異例な事態とコメントが入っている。地元新聞ナパ・バレー・レジスター紙は集めたワイナリーや 葡萄畑からの声をナパ内の産地別で集約されている。 北から南に: カリストガのOn ThEdge Winery:「最近の猛暑で赤ワイン用の葡萄収穫の準備に入っている。メルロー種、早摘みのペティ・シラー種とジンフ ァンデル種は糖度は良い数値と良い色・味わいを表している。この際の予報も29~32℃を指しているので、様子を見ながら赤ワイン用の葡 萄の収穫のタイミングを判断する。カベルネ・ソーヴィニヨン種とカベルネ・フラン種に関しては収穫はもう少し後になる。」 OnThEdgeWineryで収穫されたソーヴィニヨン・ブラン。 (イメージ:Vermeil/OnThEdgeWineryより) ダイアモンド・マウンテンのDyer Vineyard:「今週の猛暑でダイアモンド・マウンテンで赤ワイン用の葡萄収穫が始まった。主にマルベック種と少量のメルロー種が入って来た。早積みのカベルネ・ソーヴィニヨン種も今週末までには収穫され始める。糖度は26~27Brixを記録している。大半のカベルネ・ソーヴィニヨンは23Brix以下で収穫はまだ先となる。」 ハウエル・マウンテンのLadera Vineyard:ダイアモンド・マウンテンとほぼ同様なコメント。 チルス・バレーのEisele Vineyard:「現状では予想以上の収穫量が入ってきている。特にソーヴィニヨン・ブラン種とセミヨン種は昨年より3割程度多く入ってきていて、しかも品質は昨年より上質。カベルネ・ソーヴィニヨン種の糖度は23Brix以下、種もまだ青く、pHの数値も3.1でまだ 低くく酸が強すぎる。雨が降っていない状態が続いているが、葡萄の木は健康で、ストレスがかかっているようには見えない。冬には太陽の雨 を期待している。」 スプリング・マウンテンのSmith-Madrone Winery:「Stony Hill、Spring Mountain、Smith-Madroneの3つのワイナリーでは白ワイン用の葡萄収穫はすべて完了。大半のワイナリーは次にカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローの収穫に取り掛かる。Schweigerは少し遅れているようで、Cainは今週、メルローを収穫、Keenanはメルローはもう少し待ち、カベルネの収穫を始める。収穫量は平均値だが、スプリング・マウンテンではカベルネだけが昨年同様低い収穫量を予測している。例年よりも赤ワイン用の葡萄に関しては非常に早い収穫となっている。」  Smith-Madroneで収穫された葡萄が醸造所に届けられる様子。 (イメージ:Smith-Madroneより) セント・へレナのCrocker & Starr Winery:「9月に入って本格的な夏の温度に変化した。先週は36~37℃の真夏の気温。カベルネなどの赤ワイン用の葡萄の果皮や種の成長に効果的な温度となった。マルベックとメルローは木曜から収穫を開始する。また、来週あたりから朝方の霧が戻ってくると予測している。」 ラザフォードのHoning Vineyard & Winery:「今週は白ワインの収穫を終える作業に追われている。ソーヴィニヨン・ブランは明日までにすべて入って来て、次の日から赤ワイン用の葡萄が入ってくる。通常は白ワインと赤ワインの間に一次休憩が入るのだが、今年は昨年と比較して3週間前倒しになっている。最近の猛暑で赤ワインの葡萄は良い状態に仕上がっている。」Peju:「金曜にメルローの収穫を開始する。」 Beaulieu Vineyard:「来週の月曜にメルローに取り掛かり、金曜からカベルネにも取り掛かる予定。シャルドネが終了する前にカベルネ収穫を始めるのははじめての経験。」 オークヴィルのFlora Springs … Continue reading

Posted in カリフォルニア・ワイン, 厳選ワインニュース | Tagged , , , | Leave a comment

雹の被害を受けたボルドーの醸造所はバルク・ワインで製造量を補う

(イメージ:Office de Tourisme de l’Entre-deux-Mersより) 夏の間に度々雹の被害で葡萄を失ったシャトーに対して、所属のAOC(アペラシオン)以外の他所のAOCから葡萄を購入し、失った製造量を補うことは過去にも許可されたが、今年はあまりにも葡萄の被害が多かったことから、すでに圧搾、醗酵、熟成中の果汁の取り引きも許可することをBordeaux Wine Bureau(CIVB) の働きかけで可能になった。 すでにフランス当局に雹被害にあったシャトーや葡萄畑に対して援助の要請を行なってきたCIVBは今回の措置で短期的なシャトーや葡萄畑の存続や供給問題を解決できると考えている。葡萄を他所から購入できる資金があるシャトーなどは9月10日まで済ませる必要がある。一方、それまでに資金が集められないシャトーなどは2014年7月31日まで醸造済みワインを購入することを許可される。 (イメージ:Office de Tourisme de l’Entre-deux-Mersより) この措置の対象シャトーは最低で30%の年間生産量が今回の被害で落ち込み、年間の生産量の80%を他所の葡萄またはワインが上回らないことが条件となる。また、同一のAOCから葡萄またはワイン購入に限定され、赤ワインの場合、2013年、2012年、2011年ヴィンテージに限り、白ワインは2013年と2012年ヴィンテージ限られる。ワインのラベルには製造シャトー名の記述は禁止され、<クーヴェ名>の明記のみが許可される。ただし、ラベルの絵柄(シャトーの絵など)やデザインはそのまま変更なしで使用可能となる。商品の品質を保証するのに、これらのワインはすべてワイン・ブローカー(ネゴシアンまたは中間卸売業者)を通じて販売する必要がある。 葡萄不足でワインの供給問題が解消できるのと、短期的にはシャトーの存続支援の観点からはこの措置に賛成する声が多いが、このような事態が継続するようであれば、ワインの品質、ボルドー・ワインのイメージがダメージを受けかねないことも予測できる。ボルドー・ワインの様々な関係者は可能な限り醸造済みのワインの取り引きよりも、葡萄単位での取り引きを推奨している。 今回ボルドーで最も大きな雹被害にあった産地: アントル・ドゥー・メールAOC コート・ド・カスティヨンAOC リブルヌ地区(ドルドーニュ川右岸:サンテミリオンAOC、ポムロールAOC、フロンサックAOCなど) ジロンド地区(ジロンド川河口:ブライAOC、ブールAOCなど) (イメージ:Office de Tourisme de l’Entre-deux-Mersより) (ニュース・ソース:Decanterより)

Posted in フランス・ワイン, 厳選ワインニュース | Tagged , , , | Leave a comment