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2012年のカリフォルニア葡萄収穫の統計

カリフォルニア州の農業統計機関が2012年度の葡萄収穫の統計を発表。カリフォルニアの共同葡萄農家が州に提出したレポートによると、2012年度のワイン用の葡萄収穫はこれまでの2005年の最高値を約25万トン上回り、最高記録の4,013,903トンを達成した。 図表には食用とレーズン用の葡萄が含まれている。 (イメージ:NationalAgriculturalStatisticServiceより) 品種別ではシャルドネが734,864トン、カベルネ・ソーヴィニヨンが495,662トン、ジンファンデルが449,650トン、メルローが334,485トン、ピノ・ノワールが247,303トン、ピノ・グリが195,365トン。 (イメージ:NationalAgriculturalStatisticServiceより) 地域別で見ると、ナパ・バレーは181,183トンで2005年の最高数値を383トン上回った。品種別ではトップ3はカベルネ・ソーヴィニヨンで70,935トン(産地全体の約39%)、シャルドネは31,791トン、メルローは24,977トン。 ソノマはナパを上回る266,124トンを記録し前年より10万トンを上回った。品種別ではトップ3はシャルドネの80,879トン、ピノ・ノワールの52,380トン、カベルネ・ソーヴィニヨンが46,770トン。メンドシーノ産地は70,859トン、レイク・カウンティ産地は34,731トンを記録した。 収穫量と同様に気になるのが葡萄の価格。全体では1トン平均が734.35ドル(前年より24%↑)。葡萄ブローカーのCiatti社によるとカリフォルニアでは栽培面積は増えておらず、バルク・ワインの需要が高まっていることから価格が上昇したと説明している。多少のワインの値上げが起きる可能性があるが、多くのワイナリーは実際に値上げをするか、もしくは利益率を変更するか検討する必要があると予測している。 赤線が赤ワイン、青線が白ワインの1トンの平均価格。 (イメージ:NationalAgriculturalStatisticServiceより)   同じく地域別/品種別で価格(1トン平均)を収穫量の多さでいくつか紹介。 ナパ カベルネ・ソーヴィニヨン:5,101ドル(9%↑) シャルドネ:2,363ドル(4%↑) メルロー:2,662ドル(3%↑) ソーヴィニヨン・ブラン:1,881ドル(2%↑) ピノ・ノワール:2,485ドル(1%↓) ソノマ シャルドネ:1,874ドル(2%↑) ピノ・ノワール:2,979ドル(3%↑) カベルネ・ソーヴィニヨン:2,241ドル(12%↑) ジンファンデル:2,395ドル(1%↑) メルロー:1,466ドル(8%↑) メンドシーノ シャルドネ:1,266ドル(21%↑) ピノ・ノワール:2,526ドル(4%↑) カベルネ・ソーヴィニヨン:1,604ドル(22%↑) ジンファンデル:1,436ドル(14%↑) メルロー:1,174ドル(24%↑) 多くの専門家の予測どおり、2012年は記録的な葡萄収穫シーズンとなった。次に注目すべき点はワインの品質に関しての予測。多くのワイナリー経営者やワインメーカーは口を揃えて上質で理想的な葡萄が収穫できたとコメントを残している。赤ワインがリリースされるまでまだ1年以上待つ必要があるが、ライト・ボディの赤や白ワインは少しづつリリースされはじめている。今回の統計発表では葡萄の価格面で多少の上昇が報告されているが、赤がリリースされるまでに多くのワイナリーの経営状況が安定されて、値上げが必要とされないことを期待したい・・・ (ニュース・ソース:Wine&VinesとNationalAgriculturalStatisticServiceより)

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ワインニュースのまとめ

先週のワイン・ニュースのまとめはカリフォルニアから2つ。 先週、少し早とちりしたニュースが配信された。イギリスのワイン専門誌デキャンターが昨年、サンフランシスコからナパそしてソノマに事業拠点を移したクラッシュパッド社(Crushpad)が閉鎖すると報道。このニュースが流れるいなか、クラッシュパッド社からリリースが発表され、デキャンター誌の記事の内容は事実ではないと否定。 イメージ:CrushpadFacebookより まずクラッシュパッド社をご存知でない方に簡単な説明をいたしますと、ワインを造りたい人で設備投資や素材の供給ルートがない方が、クラッシュパッド社の醸造施設、葡萄供給、醸造家、ラベルのデザイン、完成したワインの販売までワインビジネスのすべての要素に対して受け持つ委託業者です。2000年前半からドットコムやシリコン・バレーで富を得た人たちが自らプライベート・ブランド・ワインを趣味感覚で造りにきたり、またはワイナリーをはじめようとしていて、まだ潤沢の資金がない人たちがクラッシュパッド社の力を借りてスタートアップするケースも多い。 PPCVINOが取り扱っているドンキー&ゴートも最初のリリースはクッラシュパッド社を利用している。 当時はサンフランシスコの都会に活動拠点を置いていたので、利用者にとってはアクセスもよく、ワインに対する関心とニーズがあるうちは事業が拡大は必然でした。フランスのボルドー地方にも支店を設け、2009年にはサンフランシスコからナパに本社を移し、ソノマのセバスティーニのワイナリー施設に委託業務の活動拠点を移したのが2011年。 今年の6月に入りクラッシュパッド社の最高責任者エックマン氏が株主宛に資金集めに難航が生じていることを証し、この情報がプレスの耳に入り、早とちりのニュースが出回ってしまった。しかし、クラッシュパッドの利用者は特に2008年のリーマンショック以降、減少しているのは事実で、すでにボルドーの事業は売却している。 救世主が現れることを期待しているのはクラッシュパッド社だけれはなく、小規模でいまだクラッシュパッドのサービスを利用しているワイナリーは少なくない。経済不況でプライベート・ブランドの利用者が減ることはわかるが、そのあおりを受けてしまうのが小規模ワイナリーであるこの構造は非常に残酷にも感じる。 *** ソノマのロシアン・リー・バーを訪れた人は多分一度はこの特徴的なワイナリー施設を見たことがあると思うが、ここで主にピノ・ノワール造りを行なっているのがホップ・キレン・ワイナリー(Hop Kiln Winery)。プレス・デモクラット誌は先週の初めにホップ・キレンの施設増築のニュースを伝えた。ただし許可をおろすソノマ郡の自治体が地域環境破壊とこれまでの違法行為を理由に先週末には申請を却下した。 ホップ・キレンの施設増築が通れば年間生産量が6万ケースに達し、ロシアンリバー最大級のワイナリーになる予定だったが、同時にイベント・スペースの増築を計画に盛り込んでおり、これに対して多くの反対票が入ったと予測される。50人から500人規模のコンサートを年間38回開催予定で、これだけの人がソノマのウエストサイド・ロードを埋め尽くすことは環境(他の畑や騒音)に望ましくないと地域団体は説明している。8月までに増築計画に修正を加え再度申請を行なうと報じられている。

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カリフォルニア・ワインの葡萄不足

ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版にカリフォルニアのワイン用の葡萄が品薄状態の中、価格高騰している状況を説明する記事が掲載された。記事の内容によると90年代に大幅に葡萄栽培面積が増え、市場に葡萄が溢れてしまい、葡萄の価格下落。これにより農家が葡萄栽培からナッツ、野菜、他の作物に切り替えたことが品薄状態のきっかけを作った原因の一つにあげている。一方でカリフォルニア・ワインの需要は上昇傾向にあり、必然と品薄状況の中、葡萄の価格は高騰し続けている。 このニュースはいくつかのワイン・ブログで意見が飛び交っており、相対的に記事にも示されているように、カリフォルニアで葡萄を確保できないのであれば、他州または他国から葡萄の供給を行い、需要を満たす努力をしなければならないのが短期的な最善策と考える者が多い。 連日、このサイトでも紹介していますが、葡萄供給関連の様々なニュースが頻繁に取り上げられてる。(しかも今回は経済専門誌・・・)ワイナリーの栽培地域の増加問題や葡萄農家とワイン醸造家の関係にしても、必ずしも景気後退の余波が影響していると言えないのがどこか心配の種・・・ カリフォルニアのワイン産業はこれまでも様々な困難を直面してきており、斬新な発想や強固な信念で乗り越えて来ている。空いたグラスがある以上、何らかの方法で次の一杯をデリバリーしてくれることは確かです。

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ワイン・ニュースのまとめ

先週一週間に報じられたワイン・ニュース(カリフォルニア中心)をまとめて紹介します。 *** スペインのカヴァで有名なコドルニュー・グループ社(Grupo Codorniu) がナパで運営しているワイナリー「アルテサ・ワイナリー (Artesa Winery)」が葡萄栽培の地域の増加計画で地元の環境保護団体から反対の申し立てを受けている。ソノマの北西部に位置する土地(約150エーカー:東ドーム13個分)にシャルドネとピノ・ノワールを栽培する計画が、複数の環境保護団体がレッドウッド(アメリカ杉)の伐採と近くを流れるグアララ川に生息する鮭への影響を懸念されている。 *** ナパやソノマの複数のワイナリーを所有するアセンシア・ワイン・エステート社(Ascentia Wine Estates) の所有物売却のニュースに衝撃が走った。ガイザー・ピーク(Geyser Peak Winery) 、ギャリー・ファレル(Gary Farrell) 、ブエナ・ビスタ・カーネロス(Buena Vista Carneros) などの有名ワイナリーが対象となった。2008年に始まった投資グループで構成されたアセンシアは一時期はファミリー経営のワイナリーの救世主として高く評価され、年間総100万ケースを販売し、270人の従業員を雇用するソノマ最大級の企業として君臨していたが、あまりにも早い撤退に対する失望より、売上面・雇用面でのスケールの大きさに対する驚きがうかがえる。アセンシア傘下のワイナリーの多くは他のワイナリー経営グループに売却が決まり、ワイナリー存続の危機は免れた。 *** 5月下旬に香港で開催されたVINEXPO ASIA-PACIFICへこれまで最大のカリフォルニア・ワイン関係者が集結したとワイン・インスティテュートが発表。120のワイナリー、250種類のブランドが展示された。カリフォルニア・ワインにとって香港市場はEU、カナダに続いて3番目に大きな市場で、1億6.3千万ドルの貿易収益(39%増)を2011年に記録している。ちなみに日本は1億9百万ドルで同じく39%の増加でした。

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突然のヒートウェーブ

踏んだり、蹴ったりとはまさにこう言うことを意味しているのかもしれない。 今年のカリフォルニア(主にナパやソノマなどの北カリフォルニア)の葡萄栽培家にとっていくつのも試練続きの年となっている。春先のグレープ・モス(葡萄の葉に繁殖する蛾)の大量発生は、すべての北カリフォルニアの栽培家は駆除対策にこれまで必要とされていなかった出費が課せられた。そして、今年の6・7・8月は例年より気温が低く、朝晩に霧が多く発生する状況の中で栽培家は果実の腐敗を阻止する対策のために、直射日光の妨げになる枝や葉っぱ切り落として、葡萄が「裸」に近い状態で収穫の時期を待っていた。ところが、今週の始めに、15℃から42℃に気温が突然上昇し、無防備にされていた一部の葡萄が日光を吸収しすぎてレーズン状態に・・・ 地元新聞プレス・デモクラット誌のインタビューに答えたソノマのデュレル・ヴィニヤードのヒル氏は、畑の区域によっては35%の作物にダメージが生じたと説明してる。また、ソノマ郡葡萄栽培協会のフレイ氏は2~3日中に年間19万5千トンの栽培される葡萄の内、どれだけの葡萄に影響が出たのかがはっきりしてるくると答えている。今週末には気温が21℃に戻ると天気予報が出ている、しかし、同時に雨マークの予報もたくさん出ており、更なる作物の腐敗が心配される。 アメリカの経済状態がよくない中、多くの栽培家はすでに葡萄の値下げを余儀なくされている。そして、収穫時を間じかに控えている栽培家にとっては、これぞまさに踏んだり、蹴ったりの状態と言うのではないでしょうか。今後、何かいい知らせが届くことを願うしかありません。 (急激の直射日光でレーズン化が始まったシャルドネ種)

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3年連続の水不足でカリフォルニアは早くも警戒体制

温暖化や気候変動の影響で今年もカリフォルニア州各地で水不足の問題が発生している。ある地域では既に50%の水道利用規制をかけて事態の対応に備えている。 ワイン産業にとって水不足は葡萄の栽培に大きく影響が出ます。春につぼみが着く時期に気温が例年を下回ると、一斉に畑に水を撒いてつぼみの凍結を防ぐ策をどこの葡萄畑は行いますが、水が不足する場合、水撒きが出来なくなり、果実の成長に大きな影響を与えます。また、夏は気温が上昇しつづければ、当然のことに果実はしぼみ、本来の濃縮な果実を造ることができません。 冷え込んだ経済状況に追い討ちをかける天候の変化は、ワイン業界の多方面で影響が出ることは免れないようです。環境面にしても経営面しても、今後のワイナリー運営に新たな戦略が必要となることでしょう。

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