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ローヌ地方の葡萄収穫に関する最新情報

ローヌ地方を代表する生産者の一つである<E.Guigal/ギガル社>のワインメーカーであるフィリップ・ギガル氏は今年のローヌ地方の葡萄の品質に関して一般的にあまり好ましくないレポートが出ているが、これに対して異なった見解をギガル氏はThe Drink Business誌に共有した。 創業者のエティエンヌ・ギガル氏から数えて3代目がフィリップ氏。 (イメージ:Nick on Wineより) 主に2013年のローヌ地方の葡萄の品質は<北ローヌ>と<南ローヌ>で違いが出たことを理解する必要と前置きから説明を開始している。ギガル社の場合、ローヌ地方だけでも複数のローヌ産地(AOC)からワイン造りを行なっている。最北端の<コート・ロティAOC>、次はヴィオニエ種で有名な<コンドリューAOC>、<サン・ジョゼフAOC>はシラー種だけでなく、マルサンヌ種とルーサンヌ種が有名、<クローズ・エルミタージュAOC>はシャプティエ社とジャブレ社の拠点でもある、<エルミタージュAOC>は面積は小さいが北ローヌを代表する有名産地。 南は最大面積をほこる<コート・デュ・ローヌAOC>、フル・ボディで濃厚な赤ワインが人気の<ジゴンダスAOC>、ロゼで有名な<タヴェルAOC>、南ローヌでもっとも需要が高い<シャトーヌフ・デュ・パプAOC>からの複数の産地で葡萄栽培、そしてワイン造りを行なっている。 (イメージ:Wine Follyより) フィリップ氏によると<北ローヌ>の収穫シーズンは春先から夏にかけて気温が上がらず、8月の段階でアルコール度数が8%しか出せない葡萄ができてしまっており、心配を兼ねてできるだけ熟成の妨げになる不必要な房は間引きし対応していたが、9月に入って急激に温度が上がり、間引きと温度が上がったことで、逆に非常に質の高い葡萄栽培ができたと強調している。<コンドリューAOC>や<サン・ジョゼフAOC>で栽培された白ワイン用の葡萄は14%~14.5%のアルコール度数に到達する数値でまで糖度が上がり、赤ワイン用の葡萄は13%の度数が得られる数値まで達した。 例年と異なった部分では、通常は<コート・ロティAOC>の葡萄が<エルミタージュAOC>より先に熟成するが、今年はその逆のパターンであった。またすべての北の葡萄収穫を終えたのが10月15日で、その翌日から雨が降り、雨の影響を受けなかったことが幸運だったと説明している。 一方、<南ローヌ>では同じようなギリギリでの一矢を報いる様な逆転劇にはなかった。特に全般的にグルナッシュ種は大きなダメージを受けた。クリュール(花振るい)が起きてしまい栽培量が落ち込み、また、収穫には雨を避けることができずに多少影響が出てしまっている。一方でムールヴェードル種とシラー種へのダメージはそれほど出ていないと加えた。 ギガル社以外にもシャプティエ社も南ローヌの葡萄に関して例年とはグルナッシュ種が最も影響を受けたとコメントをしている。特にシャトーヌフ・デュ・パプ産のグルナッシュは<ピノ・スタイル>に近い味わいになると説明している。 *** いずれにしてもローヌ地方の2013年ヴィンテージは<北ローヌ>に人気・需要が片寄るような気がする。シャトーヌフ・デュ・パプを含めて<南ローヌ>は少し様子を見て、逆に有名どころの生産者のワインは価格面から考えると<買い>なのかもしれない・・・ いくつかのローヌ地方に関するブログを見ていると『Coulure/クリュール(花振るい)』の文字が頻繁に栽培が難しかった理由に挙げている。Wikiによるとクリュールは春に起きる現象らしく、通常と異なった天候や温度などが理由で、葡萄の花が咲かず、受粉ができない。その結果、実が通常よりも成長がバラつきが出て、収穫量に影響を与える問題らしい。特にグルナッシュ種、マルベック種、メルロー種がクリュール被害を受けやすい品種として知られている。他の果実に比べても、葡萄の木に起きやすい現象でもある。 ギガルのコート・ロティの畑は急斜面で栽培が行なわれている。 (イメージ:DomaineGuigal/Facebookより) (ニュース・ソース:The Drink Businessより)

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サンタバーバラの老舗ワイナリーに新しいオーナー・パートナー

左:ボブ・リンドクイスト氏。右:チャールス・バンクス氏 (イメージ:Los Angeles Times/Jeremy Ballより) 今月のはじめにメジャーリーグ・ベースボールの<ロサンゼルス・ドジャーズ>好きのワインメーカーとしてボブ・リンドクイスト氏を紹介したばかりだったが、そのリンドクイスト氏が自ら80年代にはじめたサンタバーバラの老舗ワイナリー<Qupe Wines/クペ>に新たなオーナー/パートナーが加わったニュースが届いた。 (イメージ:Qupe Winesより) このブログでも何度か紹介させていただいた(その1、その2)元スクリーミング・イーグルそして、現<Mayacamus/マヤカマス>などの複数のワイナリーのオーナーを勤める投資実業家のチャールス・バンクス氏がQupeの所有権の過半数を購入し、実質的にオーナーとなったとのプレス・リリースが発行された。 バンクス氏は自身が経営する投資会社Terroir Selectionおよび個人名義で今年に入っただけでも、ナパのMayacamus、ソノマの<Wind Gap/ウィンド・ギャップ>、そして今回のQupeと有名ワイナリーの経営への参入を積極的に行なってきている。 これまでもサンタバーバラのワイナリーは2000年代初期に<Jonata/ホナタ>(現在は別オーナー)や有名ソムリエのラジャット・パー氏、ワインメーカーのサッシ・モアーマン氏の3人で経営する<Sandhi Wines/サンディ>で実績を持っている。これまでは産地特有のピノ・ノワールとシャルドネを多く扱っており、今回のQupeではローヌ系の葡萄品種の取り扱いで期待感を高めている。 Sandhiではサンタバーバラ産のピノ・ノワールとシャルドネに専念している。 (イメージ:Food and Wine Safariより) 今回の売買ではQupe創立者のリンドクイスト氏がワインメーカーとワイナリー経営に残ることがバンクス氏にとってワイナリー購入の大きな要因。バンク氏も長年奥さんと二人で運営していたQupeに金銭面でパートナーの必要性を感じており、バンクス氏のような自称<ワイン・オタク>のワイン知識、ワイナリー運営経験、そして潤沢な資金は理想的なパートナーであった。 リンドクイスト氏はQupeの運営の変更に関しては、あまりにも早い時期なので重要な変更などの今後発表する予定だが、これまで築いてきたBien Nacido Vineyardからの葡萄供給関係は継続し、または親友のジム・クレンデンネン氏が運営する<Au Bon Climat/オー・ボン・クリマ>と共同で使用するワイナリー醸造施設も継続すると発表している。また奥さんと共に営むSawyer-Linquist VineyardとVerdad Winesも続けると加えている。 ワインメーカーのアンディ・エリックソン氏と奥さんのアニー・ファヴィア氏が経営するナパの人気ワインブランドもバンクス氏のTerroir Selection社の傘下に入るワイナリーの一つ。 (イメージ:Leviathanより) (ニュース・ソース:Los Angeles Timesより)

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フランス・ワインで農薬が検出される

Que Choisir誌でフランス・ワインの農薬に関する記事。 (イメージ:Rue89より) フランスの消費者団体<UFC-Que Choisir>はフランス全土から92種類のワインの成分分析を行ない、すべてのワインに微量の農薬を検出したことを自ら発行する雑誌で発表した。 検出された農薬の量はEUの安全基準を大幅に下回る量で基本的には体への害は考えにくい。分析を行なったワインは1.63ユーロ(216円)のデイリー・ワインから15ユーロ(1995円)のシャトーヌフ・デュ・パプなどが含まれていた。 様々な商品の比較や実態を紹介するフランスの人気雑誌。 (イメージ:CanalBlogより) Que Choisir誌に掲載された記事によると、有害物質制限は醗酵する前の葡萄に対して上限数値が定まっているが、瓶積みされたワインは有害物質の上限数値は存在せず、有害物質に対する検査はほとんど行なわれない。フランス全土では3.7%の農業用の土地はワイン産業が活用しており、フランス使用される約2割の農薬はワイン産業で活用されている。 今回の調査の結論としてQue Choisir誌ではフランス産のワインを飲むことで、知らずに数ミクログラム単位の農薬の物質を口にしていると説明。葡萄の品質を保護するために活用される農薬に影響されていないワインを探すのは、無理に近いとも加えている。 調査ではEUで使用が禁止されている殺虫剤の形跡も含まれていたことも明らかになった。通常の栽培方法で造られた葡萄が含んだワインは平均で4種類の殺虫剤が検出されており、オーガニック農法では1~2種類の殺虫剤が検出されている。今回、分析を行なったワインの中では2010年のボルドー(定価:10.44ユーロ)では14種類の農薬が検出され、2012年のボルドー(定価:3.75ユーロ)では13種類の農薬が検出されていた。 (イメージ:Bordeaux Winesより) また、Que Choisir誌では農薬の利用は天候に左右されると見解を示しており、悪天候、特に雨の量が多かった産地は農薬の検出が多く、ローヌやプロバンスなど温かく乾燥した機能の産地では農薬の検出量が少なかった。 成分分析はガスと液体での成分検査方法で行なわれ、1~10ミクログラムの単位での成分の検出が可能。定価が安いワインに検出量が多いわけでもなく、高額で取り引きされるワインも検出量が多く出ていたものもあった。最も農薬の検出量が高かったのは1682ミクログラムの数値は2011年ヴィンテージのボルドーのグラーヴ産地の白ワイン。次に582ミクログラムで2012ヴィンテージのボルドー、そして、569ミクログラムで2011ヴィンテージのボルドーと続いた。一方で0.0台ミクログラム単位のボルドー産のワインも存在しており、ローヌ、ロワール、プロバンス、ラングドック=ルシヨン産地も含まれていた。オーガニック農法で栽培された葡萄は隣の畑で農薬スプレーが付着したものもあると推測され、10種類のワインのうち6種類は0.0台ミクログラム単位の数値を記録していた。 農薬が検出されたワインのリストの一部。 (イメージ:Rue89より) 最後にもう一度繰り返すが、今回の調査で検出された農薬はEUの安全基準数値を下回る量の農薬で、体には害を与える心配は無いようだが、フランス・ワインの実態を知ることには重要な調査結果であることは確かだ。 (ニュース・ソース:Bloombergより)

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インターナショナル・グルナッシュ・デー

(イメージ:Association Grenacheより) 今日(9月20日)はインターナショナル・グルナッシュ・デー。フランスを拠点に活動する非営利団体<Association Grenache>がグルナッシュ種のPR活動にワイン愛好家を召集する恒例のイベント。毎年9月の第3金曜をGrenache Day(G-Day)に設定し、世界各国でグルナッシュ・ワインを飲んで、主にソーシャル・メディアを通じてハッシュタッグ(#GrenacheDay)でツイッター、フェースブック、インスタグラムなどでグルナッシュ・ワインを共有し、更なるグルナッシュのPRを目指している。 <Association Grenache>にはフランス、スペイン、カリフォルニア、オーストラリアなどグルナッシュ種栽培に取り掛かっている生産国のワイン生産者、ソムリエ、ジャーナリストがメンバーとして加わっており、主にメンバー同士でのソーシャル・メディアを通じて様々のグルナッシュ・ワインを紹介している様子がすでにうかがえる。また、グルナッシュ・デーをレストランやイベント・スペースで祝うのであれば、<Association Grenache>が用意したGoogleMap専用ページに住所と連絡先を入力し、タグを張ってくれる。 (イメージ:Association Grenacheより) グルナッシュは世界規模で見ると実は最も栽培されているワイン用の葡萄品種である。主に南ローヌ地方のコート・デュ・ローヌやシャトーヌフ・デュ・パプなどのグルナッシュが有名だが、原産はお隣のスペインのアラゴン地方で<グルナッチャ>と呼ばれ、栽培量も大きくフランスを上回る。ニュー・ワールドではオーストラリアではローヌ地方でよく行なわれているグルナッシュ、シラー、ムールヴェードル(GSM)ブレンドが人気で、単独よりもブレンドとしてサウス・オーストラリア州のワイナリーの多くはGSMワイン造りが行なっている。カリフォルニアに関してはセントラル・バレー産地のサン・ホワキン・バレーが1800年代には盛んに栽培を行なっており、そもそもホワイト・ジンファンデルのように甘いジャグ・ワイン用に栽培していた。20世紀後半には総生産量は大幅に激減したが、フランスのローヌ地方に敬意を払うカリフォルニアの生産者で構成された<ローヌ・レンジャーズ>が南ローヌに匹敵する味わいのワイン造りでグルナッシュ栽培が盛り返しを見せている。 グルナッシュの特徴の一つに名称の多さがよく取り上げられる。Association Grenacheが集計しただけでこれだけの名称が存在する。 Alicante、Alicante de Pays、Alicante Grenache、Alicantina、Aragonais、Aragonés、Bois jaune、Cannonaddu、Cannonau、Cannonao、Cannono、Carignane Rousse、Gironet、Granacha、Granacha del País、Granacha Negra、Granacha Tinta、Granacho、Granaxa、Granaxo、Grenache Rouge、Guarnaccia en Italie、Lladoner、Mencida、Navarra、Navarre de la Dordogne、Ranconnat、Redondal、Retagliadu Nieddu、Rivesaltes、Rivos-Altos、Roussillon、Roussillon Tinto、Rouvaillard、Sans Pareil、Santa Maria de Alcantara、Tinta、Tinta Menuda、Tinto、Tinto de Navalcarnero、Tintore di Spagna … Continue reading

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オーストラリアのTorbreckで創業者が追い出される

オーストラリアを代表するプレミアム・ワインの一つにバロッサ・バレーの<Torbreck/トルブレック>をあげる人は少なくない。オージー・ワインのファンの間では常にワイン専門誌で高得点を獲得している<RunRig/ラン・リグ>は一度は試したいワインの一つとしてウィッシュリストに載っているはず。 5~6種類のシラーズにヴィオニエをブレンドするコート・ロティ・スタイルのRunRigは常に高い評価を獲得しているワイン。 (イメージ:Torbreckより) そんな人気ワイナリーから衝撃的なニュースがワイン・スペクテーター誌で報道された。Torbreckの創立者・ワインメーカーの<David Powell/ディヴィット・パウエル>氏がワイナリーを退社したとニュースが新オーナーの<Pete Kight/ピート・カイト>氏が発表。1994年にパウエル氏が開業したワイナリーは希少な古木を複数の葡萄畑から供給を行って上質なワイン造りを行ってきた。代表的な<RunRig/ラン・リグ>に関しては5~6ヶ所の畑から樹齢数十年の葡萄をブレンドし、ワインを造っている。上質なワイン造りには資金を惜しまないスタンスで取り組んできたが、2003年には資金不足からオーストラリアのファースト・フード・チェインのHungry Jackの創業者ジャック・カウィン氏に資金と交換に会社の権利を譲るなど常に金銭トラブルが絶えなかった。 Torbreckの創業者ディヴィット・パウエル氏。 (イメージ:Torbreckより) 2006年にソノマのドライ・クリーク・バレーAVAの<Quivira Vineyard and Winery/キヴィラ・ヴィンヤード>のオーナーとなって活躍していたカイト氏とアメリカで出会い、更なる資金供給及び会社権利を取り戻す手助けする話し合いが行なわれ、2013年までにパウエル氏とカイト氏とのパートナーシップでTorbreckのブランドを更に世界に広め、経営面でも安定させることを目指していたが、今年の7月にパウエル氏とのパートナシップを継続しないとのカイト氏が判断。パートナーシップの条件でパウエル氏はカイト氏が提示した金銭条件を満たすことができなかったことから、事実上、カイト氏が創業者のパウエル氏をTorbreckから追い出す形となってしまった。 ソノマのQuiviraで活躍するピート・カイト氏。 (イメージ:A Good Time With Wineより) カイト氏はワイン・ビジネスに参加する前には金融テクノロジーのビジネスで成功を収め、多額の富を得た実績の持ち主。パウエル氏は当時、カイト氏から提示されたパートナーシップの条件はパウエル氏にとって不利の条件であったと理解していたが、資金問題やカイト氏との信頼関係が築かれていたことから、まさかパートナーシップ解除は想定していなかった。 すべてを失ったパウエル氏は数年後に現在フランスでワイン修行を行なっている息子さんたちと再度ワイン造り及びワイナリー経営に挑戦するコメントを残した。 このニュースはワイン業界に大きな衝撃を与えている。実際にTorbreckのオーナーが変わったことよりも、パウエル氏の疎かな判断。一方で、カイト氏のしたたかなビジネス・マインドなどが当事者同士のコメントやインタビューから明らかになったことが関心を集めていると考えられる。パウエル氏は職人で自ら世界を飛び回って自分の造ったワインの営業を得意としていて、カイト氏は卓越したビジネス・マインドでいかに効率的な投資および投資回収ができるのかが優先させていたと考えられる。 カイト氏は現在Torbreckで扱っているワインのラインアップを現状で維持し、世界各国からの需要を高め、超プレミアム化を目指すことを考えていた。一方、パウエル氏はオーストラリア各地の葡萄畑との葡萄供給を増やし、更に希少で上質なワインをラインアップに加えことでブランドの価値を高めることを優先的に考えていた。どっちの考え方が正しいのかがわからないが、結果的に微妙に意見の違いがあったことがパートナーシップの解除となったと考えられる。パウエル氏は不利な条件でのパートナーシップであったことを知っていながら、このような事態になってしまったことはお粗末にも捉えられる。 カイト氏は2006年からCraig Isbel氏がTorbreckのワイン醸造責任者として任せていることから、今後もワインの品質に関しては心配ないと主張しているが、パウエル氏はこの認識は誤りで、Isbel氏を採用後も常に醸造決断に関わってきたと説明。逆にパウエル氏が営業活動中に世界を飛び回っている間、2009年ヴィンテージの<The Laird/ザ・レアード>は熟成の貯蔵ミスが発生し、売り物にならない味わいが変化したことを公表した。パウエル氏は現状のワイン醸造チームの体制に対して心配をもらしている。 ワイン・スペクテーター誌がこのニュースを公表してからカイト氏とパウエル氏はそれぞれ地元紙に見解の違いを主張するコメントやインタビュー(カイト氏インタビュー&パウエル氏インタビュー)を公表している。今後も更なる事態の泥沼化が予想される・・・ 樹齢数十年のシラーズ、グルナッシュ、ムールヴェードルなどローヌ系の品種で上質なワイン造りを行なってきたTorbreck。お手ごろ価格の<ウッドカッター・シリーズ>は国内でも入手可能。 (イメージ:Torbreckより) (ニュース・ソース:Wine Spectatorより)

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2050年の葡萄栽培に関するレポート

自然とワイン・ビジネスが共存できるのかが今後の課題。 (イメージ:SouthbrookVineyardsより) 週刊誌『米国科学アカデミー紀要』(英語:Proceedings of the National Academy of Sciences、略称:PNAS)にはじめて<地球の環境変化がワイン産業と自然保護に与える影響>に関連する研修結果を掲載した。国際研究者で構成された非営利団体<コンサベーション・インターナショナル>がまとめた調査で現在、ワイン用の葡萄栽培に適した産地は2050年までに総生産量は25%~73%減少すると予測。特にヨーロッパなどでは今の産地の緯度より更に北に葡萄栽培に適した環境が移動し、ボルドーやローヌなどのワイン生産地は危険な状況におかれることも予測している。 気候変動により水不足の問題も予測される。既存の産地が気候変動により畑に水撒きの量が増えると考えられ、淡水がすでに希少な地域は葡萄栽培は困難になる。調査チームのリーダーのリー・ハンナ氏はこの先これまで葡萄栽培が盛んでない地域が、気候、土壌、水量などの面で葡萄栽培に適した環境に移り変ると予測している。具体的にはアメリカとカナダの国境を跨るロッキー山脈やアイダホ・モンタナ・ワイオミング州を跨るイエローストーン国立公園、そして中国中部(四川省北部や陝西省南部)も葡萄栽培に適した地域としてあげている。 中国・山東省にあるワイナリーの風景。 (イメージ:Los Angeles Timesより) しかし、葡萄栽培地域が移動することで既存の自然環境にも大きな影響を予測されている。すでにそこに生息する植物から昆虫・動物を含め葡萄農家が環境を変えることで間接的に自然保護の考慮を考える必要がある。一例として中国のジャイアント・パンダの保護区域も葡萄産地として重なっていることが判明。 この様な研究・調査が実施されることで事前にどのような対策を考慮して、次世代のための取り組みが明確になってくる。ワイン産業は環境を考慮した取り組みは積極的に行なわれている産業の一つで、葡萄品種の研究、環境を考慮した栽培方法などビジネス面と環境面のバランスを意識している業界の関係者が多い。温暖化や環境の変化は確実に進んでいる中、対応力をお手本となる産業の一つとして意識を高める材料としてこのような最新レポートを共有する重要性を実感した。 グーグル・マップを活用して2050年に葡萄栽培に適した産地を表す動画。赤は「2050年には適さないエリア」、緑は「2050年でも適するエリア」、青は「2050年には新しく適するエリア」。いわゆる<オールド・ワールド>の産地は葡萄栽培に適さないことが現されている。 (ニュース・ソース:National Geographicより)

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新たしいビジネス・モデルを提供するNaked Wines(裸のワイン)

イギリス発のワイン専門インターネット通販サイトNakedwines.comが昨年、アメリカ(ナパ支店)にも拠点を開設し、開業したてのワイナリーやラインアップに新しいワインを加える取り組みに必要な資金をサイトの登録メンバーに負担してもらうシステムをカリフォルニアの大物ワインメーカーも活用し始めた。 2010年にヴィントナーの殿堂入りをしたRandallGrahm氏。 (イメージ:EpikurMagazineより) ローヌ品種でのワイン造りやナチュラル・ワイン・メイキングなどをカリフォルニアに広めたBonny Doon Vineyardのランドル・グラム氏がUS版のNakedwines.comで2つの限定ワインをこの度リリースした。1つは<Close But No Cigare> 。このワインはBonny Doonのヒット商品の一つ<Le Cigare Volant>と同じ葡萄のブレンド(グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、サンソー)を使用する。通常価格は45ドルだが、グラム氏がNakedwines.comで提供するワインは18ドルとなる。もう一つは<Syrah/Viognier>の北ローヌ地方のコート・ロティ・ブレンドを15ドルで提供。 Bonny Doonでは<Syrah “Chequera”>と同じブレンドのワインが42ドルで売られている。(注意事項だが、どこの畑の葡萄を限定ワインで使用したかは不明なので、とりあえずBonny Doonとは同じワインではないこと理解が必要。)それにしても半額以下でグラム氏のワインが入手できることは驚きである。 BonnyDoonではなくRandall Grahmのワイン名。エチケットはこれまでどおりの楽しいアートが活用。 (イメージ:NakedWine.comより) Nakedwines.comのコンセプトはワインの販促に掛かる費用を排除して、ワインメーカーが一定の数量のワインを造るのに必要な資金をサイトの利用者から集め、造ったワインをサイトの利用者に低価格で提供のが特徴。今回のグラム氏の場合、150,000ドル(約1300万円)を利用者から集めることに成功。この資金で葡萄栽培または葡萄購入、醸造、ボトリングまでのワイン造りの基本工程をカバーする。2013年1月から限定ワインは売り出され、すでに300人以上のメンバーが購入している。Nakedwines.comはイギリス、オーストラリア、アメリカのみサービス。また、グラム氏のワインはUSサイトのみで購入可。残念ながら、日本からは利用できないが、新たしいワインのビジネス・モデルとしては今後も注目していく価値のあるサイトの一つだ。 *** NakedWinesは会社名の文字通り裸に近い状態で上質なワインを提供するのがモットーらしい。裸にも色々解釈が出来るが、あるオーストラリアのワイナリーでは全裸で収穫を行なうところも・・・勇気ある方はこちらからどうぞ。 (ニュース・ソース:PR Newswireより)

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サンフランシスコ・クロニクル誌のトップ100のワイン

(イメージ:SanFranciscoChronicleより) サンフランシスコ・クロニクル紙恒例のトップ100のワインが発表された。同誌のワイン専属ライターのジョン・ボネ氏が毎年、西海岸で造られ、その年にリリースされた注目ワインをカテゴリー別に選ぶ。今年のリストは「カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー」(17本、内:カリ:12本、ワシントン:5本)、「ピノ・ノワール」(21本、内:カリ:15本、オレゴン:6本)、シラーやグルナッシュなどの「ローヌ系」(12本:カリ:10本、ワシントン:2本)、「ジンファンデルとその他赤ワイン」(13本、内:カリ12本、アリゾナ:1本)、「シャルドネ」(7本)、「ロゼ」(6本、内:カリ:4本、オレゴン:2本)、「ソーヴィニヨン・ブランとその他白ワイン」(20本、内:カリ:16本、オレゴン:3本、ワシントン:1本)、「スパークリング」(4本)。大きな傾向としてピノ・ノワールの選出が一時より本数が減り、その他白ワインのカテゴリーで選出されたワインがこれまでの最大本数。産地別では「ソノマ」が23本、「ナパ」が18本、「メンドシーノ」が11本、「エル・ドラド」と「サンタ・クルーズ」と「サンタバーバラ」がそれぞれ4本。(オレゴンは11本、ワシントンは8本) サンフランシスコを拠点としているので、北カリフォルニアよりのトップ100になるが、常に新しい試み、品種の復刻、ワイナリーの規模や実績、ワインの生産量を問わず、注目度と期待度が高いワインを選んでいる。無名のワイナリーでもこのリストに登場し、その後ブレイクするワイナリーが数多く存在する。また、ワイン・スタイルに関しても、なじみが薄い品種、醸造方法などトレンドを作るきっかけにも度々なっている。PPCVINOで扱っている<ドンキー&ゴート>もその一つ。「都市型ワイナリー」、「ナチュラル・ワイン」、「ローヌ系ブレンド・ワイン」、「オレンジ・ワイン」などと<ドンキー&ゴート>の様々な試みを常に高い評価を与えている。ちなみに今年は「その他白ワイン」のカテゴリーにマルサンヌ、グルナッシュ・ブラン、ヴェルメンティーノ、ピクプールをブレンドしたワインが選ばれた。 *** ~ カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー ~ (小売価格/アルコール度数)[産地] 2009 Andrew Will Two Blondes Columbia Valley Red ($55, 14.5%) [ワシントン] 2009 Antica Napa Valley Cabernet Sauvignon ($55, 14%) [カリフォルニア/ナパ] 2009 Betz Family Clos de Betz Columbia Valley Red ($52, 14.6%) [ワシントン] 2010 Broadside Margarita Vineyard Paso Robles … Continue reading

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<カーリー>が<ターリー>になーりー(そーりー)

上質で高額なジンファンデルで有名なナパのターリー・ワイン・セラー(Turley Wine Cellars)がアマドールのカーリー・ワイン(Karly Wine)を買収した。売却価格は公表されていないが、醸造施設、カーリーのすべてのワイン・ブランド、そして70エーカー(約28ヘクタール)の葡萄畑が含まれる。カーリーのオーナーだったバック・コブ氏は32年間アマドールでジンファンデル栽培とワイン造りを行なっていたが、後継ぎがいなく今回の売却に踏み切った。ターリーはこれまでアマドールの<オールド・ヴァイン>ジンファンデルをラインアップに入れており、ロダイからも葡萄を共有を行なっているためナパの醸造施設に葡萄を運搬するより、アマドールで新たな醸造施設を探すことが急務だった。 (イメージ:Tipple’sBrewsより) ターリーに関して様々なワイン・サイトで取り上げられてご存知の方も多いと思いますので、今回、売却の対象になったカーリーは一度訪れる機会があり、オーナーのコブ氏とも話す機会があった。 アマドールは決して派手やかなワイナリーやテースティング・ルームが立ち並んでいる産地ではない。ワイナリーの敷地にある古い小さな木造の建物がテースティング・ルームであるケースが多い。カーリーも同様にシャンナンドーア・バレーのメイン・ロードから外れた細い砂利道の奥にある年季の入ったワイナリー施設だった。訪れた時は他に来客者はおらず、バックさんを独り占め。全く下調べを行なっていなかったのでどのワインがオススメなのかは知らず、軽い気持ちでテースティングを依頼して一杯目に注がれたマルサンヌを飲んで驚いた。色は透明に近い感じだったが、予想していなかったアーシーなミネラルの苦味やかすかなハーブの味にフルーティーな味わい。その後は赤に移りジンファンデルを何種類かを試した。 試飲し続ける内にバックさんへの質問も増え、栽培方法や醸造方法などマニアックな内容になりつつ、バックさんとのラポールを築けたと思っていたら、逆に引かれてしまったようなリアクション・・・自分の人との人間関係を築くのが下手なところはどうでもよく、カーリーのワインと所有する葡萄畑に非常に関心した。もともとゴールド・ラッシュの頃に葡萄栽培をはじめた土地で、バックさんの前の所有者は1920年代にジンファンデルの栽培を始めたと説明してくれた。一番のお気に入りはSadie Upton Vineyardの<オールド・ヴァイン>ジンファンデル。複雑なスパイスやミネラルの味わいに、ダーク・ベリーのフルーツの味わい。個人セラー用に購入しました。 今回のニュースで一番気になったのが、ターリーはジンファンデルを中心に展開しているワイナリーで、カーリーは様々な<オールド・ヴァイン>がある。Sadie Uptonの他に Warrior’s Fire、Pokerville、Buck’s 10 Pointなどがあり、ターリーのワインメーカーのエーリン・ジョーダン氏もこれらの葡萄でワイン造りを行なうのは楽しみにしていると語っている。だが、その他のローヌ系のマルサンヌ、シラー、ムールヴェードルなどはジンファンデルに植え替えれかもしれないとも述べている。是非ともいくつかのローヌ品種は残していただき、カーリーのブランド名で造り続けていただけるといいのですが・・・ (ニュース・ソース:WineSpectatorより)

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ロンドンでナチュラル・ワイン

ロンドンが今、ナチュラル・ワインに浸かってしまっているっ! ほぼ同時期にナチュラル・ワインをフィーチャーしたイベントが2つ開催された。一つはThe Real Wine Fair (5/20~22)、もう一つはRAW-The Artisan Wine Fair (5/20~21)。両方のHPに行っていただければ出展ワイナリーをご覧いただけます。(ちなみにReal Wineにはカリフォルニアからいくつかのワイナリーが参加されていて、RAWには日本からワイナリーや酒蔵が参加しています。) イメージ:The Real Wine Fair&RAW-The Artisan Wine Fairより フランス、イタリア、スペインの生産者がメインになっていますが、出展者リスト(両イベントを合わせて約350社が出展)を検査したところ、これだけのナチュラル系生産者がロンドンに一挙に集結したことに驚くべきなのか、2つのイベントにかぶって出展しているワイナリーがほとんどいないことのに驚くべきなのか、とにかく凄いことになっているのは違いない。仮に現地に居たとして、どれだけのワインを試飲できたのかをつい考えてしまう。2~3日の開催期間で350社、1日で何社のワインを飲ませるつもりなのか・・・ スケールの大きさより、正直、無茶なスケジューリングに引かれてしまう。実際にどれだけの来場者があったのかこれからわかると思いますが、イベント参加者の感想などをブログで読むのが密かな楽しみ。  *** ワインに浸かる行為は実際にナチュラル・ワイン造りで行なわれることがあります。ピジャージュ(英語ではパンチ・ダウン)と呼ばれる作業です。第一次発酵でオープン・タンクまたは樽で果皮が果汁と別れはじめると、CO2が発生し、タンクの上部に果皮が層が出来、それをマッシャーのような道具で果皮を下に押し込み、かき混ぜ、果皮からのタンニンや風味などを抽出します。この作業が数日間続きます。 時には体ごと入って行なう場合がありますが、 この人はただ浸かりたいために入っているような気がします・・・

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