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偽造ワイン事件の裁判結果

ここ数週間、ワイン関連のニュースは大量の偽ワインをオークションなどを通じて販売したルディ・クルニアワン(Rudy Kurniawan)被告人の裁判で一色だった。ニューヨーク州のマンハッタンで開催された裁判だったの一般のニュースを含めて多くのニュース・アウトレットは報道されることからこのブログでの紹介をあえて控えていたが、今週の水曜に裁判の判決が下され、予想通りの結果がでたことから、この事件の幕がおりることとなった。 (イメージ:Los Angeles Times/Ricardo DeAratanhaより) 12月9日に開始した連邦裁判所は18日にクルニアワン被告人が偽造ワインの販売と金融機関への詐欺の罪で有罪の判決で20年の禁固と罰金で終了した。実は<偽ワインの販売>に関してアメリカでは初の有罪の判決であったことが歴史に残る事件と判決となった。 インドネシア出身で37歳のクルニアワン被告人は2002年頃にロサンゼルスの高級ワインの試飲会や食事会に度々現れるようになり、自ら集めたブルゴーニュやボルドーからのレア・ワインを会に持参し、特にロマネ・コンテに対しては<利き酒>ができるほどの舌の持ち主だったことから<ミスター・コンティ>のあだ名が付くほどワイン界で知名度を上げていった。レア・ワインを専門に扱うニューヨークのアッカー・メラル&コンディット社などを通じて自ら収集してきた高級ワインをオークションに出品するようになり、2002年~2007年の間をピークに2006年だけでも約35億円相当のワインをオークションで販売した。 (イメージ:Xuniteより) レア・ワインのオークション市場全体で約300億円市場まで成長する中、2008年に出品したブルゴーニュの<Domaine Ponsot/ドメーヌ・ポンソ>の<Clos St. Denis/クロ・サン・ドニ>1945年ヴィンテージがワイン・コレクターの目に止まり、コレクターがポンソに問い合わせたところコレクションに含まれていた1945年~1971年ヴィンテージはドメーヌは活動していたが、<クロ・サン・ドニ>は80年代から始めたシリーズだったので、ヴィンテージも当然ありえなかった。オークション・ハウスやワイン・ディーラーはクルニアワン被告人が取り扱うワインをオークションから取り除く動きが始まり、いくつかの言い分を重ねワイン収集を続けてワイン・ディーラーに販売を続けていたが、2012年にクルニアワン被告人から譲り受けたワインがロンドンのオークションで偽物と判明したことをきっかけにFBI捜査局がクルニアワン被告人のロスの自宅の家宅捜査を行い、無数の偽のワイン・ラベル、空のワイン瓶など押収し<偽ワイン造りのラボラトリー>であることが判明し、逮捕とつながった。 (イメージ:Friend Eatより) 今回の裁判ではドメーヌ・ポンソのローラン・ポンソ氏やクルニアワン被告人が出品したワイン219本(約2億円)をオークションで購入した億万長者のビル・コッチ氏などが証言を行なった。関係者の証言、押収した証拠品などを考慮し有罪は免れないほどの裁判で、司法取引を行なわなかったことが不思議に感じる人は少なくなかった。 今回の裁判で最も興味深かったのが、クルニアワン被告人がどのように偽ワイン造りを行なったのかが明らかになったこと。 まず、レア・ワインが飲まれる試飲会や食事会で使用済みのワイン・ボトルを収集したいた話は昨年のエスクァイア誌の特集記事でも紹介された話しだが、実際に中身の造り方または本物に近づけさせるための方程式などが今回の裁判で明らかになった。 (イメージ:Wine Spectatorより) レアで古いワインには独特な青臭い香りが付く。中には乾燥ハーブや缶詰のアスパラガスのような特徴で表現されるが、古ければ古いほどこの香りを避けることはできず、当然、クルニアワン被告人もこれを理解していたため、1本約60ドル程度の価格で販売されている古い(1970年代頃)需要がないワインをヨーロッパから大量に買い集めていた。押収された証拠品の中にはイギリスのワイン・ディーラーに904本このようなワインを購入したインボイスが残っている。これらのワインをカリフォルニア産の早飲みの若いワインとブレンドして偽ワインを造りを行なった。 またフランスの<良いヴィンテージ>は夏が温かく、熟成度が高めの年のワインをさすことが多く、この特徴を活かし、カリフォルニアでも熟成度が高めのワインを偽ワイン造りに買い集めたことがわかった。 時には上質な偽ワインを造るためには投資も必要で、押収品の中には1本200ドルするMarcassinが存在し、偽のレアなブルゴーニュ造りに活用されたことも明らかになった。 (イメージ:California Wine Reportより) 最後に、できるだけ本物と一緒にセットを組みオークションに偽ワインを出品することも心がけたようで、言い逃れができるような状況を作っていたことが明らかになった。 クルニアワン被告人を弁護したジェロム・ムーニー氏は高級ワインを楽しむハイ・ソサエティに強く憧れ、このグループの一員になるためにエネルギーを費やしたと説明。また、ハイソについていくためにスポーツカーや腕時計の高級品を入手が派手になり、この生活を維持するために偽ワイン造りが盛んになったと説明している。 金融機関のへの詐欺行為はローン申請に入国状況に関して偽りの内容を行なったことで罪に問われ、2003年に長期滞在の申請を行なったが、申請が却下されてアメリカからの退去を命じられていたことを隠していた。 今回の判決に対して上訴することを予想されるが、判決が覆される可能性は非常に低い。 (ニュース・ソース:NPR、Los Angeles Times、Wine Spectatorより)

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ブルゴーニュのビオディナミ畑が害虫退治を断り罰金と禁固

白ワインと赤ワインと<エマニュエル・ジブロ>は豊富なラインアップでビオディナミ・ワインを生産している。 (イメージ:Journal d’un passionne de la rive droiteより) 漫画『夏子の酒』でも重要なテーマの一つであった害虫退治のための化学農薬使用の物議が、フランスのブルゴーニュ地方のボーヌ産地でバイオダイナミック農法(ビオディナミ)で葡萄栽培を行なっている生産者<Emmanuel Giboulot/エマニュエル・ジブロ氏>は葡萄の木にダメージを与える<Flavescence-Dorée Disease/フラベセンス=ドレー病/直訳:黄色=金色病>の対処に化学農薬を使用を断ったことから3万ユーロの罰金と6ヶ月の禁固を言い渡されたとDecanter誌で紹介された。 <フラベセンス=ドレー病>にかかってしまった葡萄の木。 (イメージ:Wikipediaより) 今回の判決はフランス政府の農林省管轄のDRAAF-SRALが下し、2011年頃からコート・ドール地方で広まっている葡萄の木の葉っぱに害虫(正式名:scaphoideus titanus)が付くようになり、葡萄の葉っぱが黄色から金色に染まる<Flavescence-Dorée Disease>が発生し、葡萄の木の成長および葡萄の実の成長に影響を与える問題が起きており、今でも続いていると言われている。この病気の対処に今年7月にDRAAF-SRALからの命令で農薬を撒く対策に対してジブロ氏は無視したことを理由に罰金と禁固の判決が下さった。 ジブロ氏の畑は1970年代から父親がオーガニック農法を行なわれてきて、その後、父親から譲り受けた畑はビオディナミ農法を取り入れ無農薬の葡萄栽培を継続してきた。 コート・ドールAOCの代表を務めるジャン=ミシェル・アビナル氏は<Flavescence-Dorée Disease>には緊急性で対処する必要があり、病原の研究は対処方法と同時に行なう必要があり、中には葡萄の木を完全に抜く対策も取ってきたと説明している。 一方で、ジブロ氏はまだ完全に病原を対処するか証明されていない化学農薬を撒くことに対しては強い抵抗を感じているとコメントを残している。実際にオーストリアなど他国では化学農薬ではなく、丁寧に葉っぱを熱湯で対処することで<Flavescence-Dorée Disease>を対処した実績があり、逆に化学農薬を撒く価値はないことも発言を残している関係者もいる。 害虫被害は葡萄栽培ではつき物で、有機栽培やバイオダイナミック農法に取り組んできる農家は化学薬品を使用しないことから、特に害虫発生には敏感に取り組んでいるはず。害虫拡大をコントロールすることは産地全体(農薬使用・無農薬問わず)の大きな関心事で、広がってしまったものに対しては化学農薬を使用しないのであれば、最悪の場合、木を抜くなどの対応方法を取るしかない。近所の畑に迷惑をかけないことが大前提だが、他の化学薬品を活用しない対象法が存在し、それを対処法として試す前に罰金や罰則を下すのはかなり厳しいような気がする・・・ 今回の判決は不服としてジブロ氏は抗議を行なうことが予測される。 この<La Combe d’Ève>は国内でも探せば購入できるワイン、要チェックのワインの一つです。 (イメージ:Vinloyalより) (ニュース・ソース:Decanterより)

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ワインの世界生産量が40年ぶりの落ち込み

(イメージ:Premier Wine Blendsより) モーガン・スタンレー社は2012年のワイン需要に対して供給が約3億ケース分下回っており、また、世界のワインの総生産量が5~6%下回り、40年ぶりの低い数値を記録したとレポートを発表した。2004年をワイン生産のピーク時として、それ以降は下降傾向が続いている中、一方、消費量は2006年からは(2008~2009年を除き)上昇傾向が続いている。 ここ数年の悪天候でヨーロッパの葡萄の生産量が落ち込んだことがヨーロッパ産のワインの総生産量が約10%分も落ち込んだと説明している。短期的にはワイン需要に対しての不足分は過去のヴィンテージで補うとことができると推測している。 今週、ボルドーのペサック・レオニャン村のChâteau Brownは「30年ぶりに難しい収穫シーズン」であったとニュースが入るなど、2013年もヨーロッパ各地の主要ワイン生産地のボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、そしてスペインのリオハなども収穫量が落ち込む傾向であるとわかった。 ボルドーでは、あまり人気がなかった2011年や2012年ヴィンテージが大量に在庫として残っており、ワイン需要に対してこれで対応できると予測しているが、ブルゴーニュでは例年より10%程度葡萄生産が落ち込み、またボルドーと比較して2011年と2012年ヴィンテージが在庫分が少ないことから、全体で15%の落ち込みを予測している。 (イメージ:Wine Country Mark’s Blogより) 一方、チリ、アルゼンチン、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカは世界各国からのワイン需要に対して供給することが可能になり、ヨーロッパの落ち込みに対して補うことができると推測が出ている。 ワイン消費国の順位はフランスとアメリカがトップ2で、中国が第5位まで上昇している。 *** 昨年の<Hospices de Beaune>は元フランス大統領夫人のカーラ・ブルーニ・サルコジ氏がメイン・ゲストを勤めた。 (イメージ:Local Food and Wineより) ヨーロッパのワイン生産量が落ち込みが続く中、ブルゴーニュでは恒例の<Hospices de Beaune>チャリティ・オークションの開催時期が迫ってきており、今年は30年ぶりの小規模のワインがオークションにかけられる。 今年は443バレル(バリック)の内、333バレルが赤ワインで、110バレルが白ワイン。1981年の総419バレル以来の少ない数字で、2011年は761バレル、そして2012年は518バレルが用意された。 主催者側はバレルの数が必ずしも売上に直結していないと説明している。昨年は600万ユーロを越える売上で、2011年の総売上を上回った実績がある。関係者は総量が落ち込むが、品質に関しては、特に白ワインは葡萄の熟成度もよく、香りもよく天然の酸も十分に効いていてて、赤ワインと比較してもバランスがいいワインが多く仕上がっていると説明している。 フランス人女優で2007年の映画『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』ではアネッタ役やテレビドラマで活躍されている<Clotilde Courau/クロティルド・クロー氏>が今年のオークションのメイン・ゲストを務める。 クロティルド・クローさんは結婚でイタリア王室のサヴォイア家一員でもある。ちなみにカーラ・ブルーニさんはイタリア出身のフランス元ファースト・レディ、どこか逆パターンな感じがする・・・ (イメージ:Clotilde Courau/Facebookより) (ニュース・ソース:The Drink BusinessとDecanterより)

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ワイン・ニュースのまとめ

先週のワイン・ニュースをいくつか・・・ イタリア人親子の2人が中心となっていた、イタリア、ドイツ、オランダ、イギリス、キプロスなどを拠点にして偽ワイン製造を行なっていた組織の面々が拘束されたニュースがフランス当局から発表された。調査の結果、すでに市場に約400本のロマネ・コンテが出回ってしまい、総額200万ユーロ相当で取り引きされていたことも明らかとになった。そもそもは2012年にドメーヌ・ロマネ・コンテから偽のワインが出回っているとフランス当局に捜査を要請し、69本の偽DRCを押収すると、そこから偽ワイン製造に利用されていた資材や複数の拠点も判明し、組織の大半の面々の同時逮捕のこぎつけた。年間約6千本程度しか市場に出回らないロマネ・コンテがなぜ短期間で400本も売買することができたのかが大きな謎があったが、偽ワイン製造の組織の中心であった親子はワイン産業で働く経歴の持ち主であったことが大きな要因であったことも明らかになった。現在、偽ワイン組織に捜査は続いており、他の裏ワイン組織とのつながりはないのか調べている。 400本のうち数多くが海を渡ってアジアまたは中国あたりに行ってしまったような気がする・・・ (ニュース・ソース:Wine-searcher.comより) *** (イメージ:Chateau Suauより) ソーテルヌの生産者が夜間に約1割の未収穫の葡萄を何者かに盗られたと被害が訴えられた。 Barsac村の<Chateau Suau>が所有する畑から13列分の葡萄がきれに跡形もなく奪われていることに気づき、警察に届出を出した。あまりにも丁寧に処理されていたことから、同業者の犯行と簡単に推測することができたが、実際に犯人を探すのは期待していないとも<Chateau Suau>の関係者は話している。<Chateau Suau>はソーテルヌのセカンド・クリュ・クラスの認定を受けており、年間2万本の生産量を誇っている。今年は天候の影響ですでに約2割の収穫量が落ち込み、不作で失った量と含め盗難被害分も保険会社からの<救いの手>が出るのを大いに期待してる。 それにしても同業者の仕業であることが凄く残念な話。しかも、きれいな作業されるのは、正直、おちょくられているとしか思えない・・・「来年もヨロシク!」と言われているみたいで、腹が立つ・・・ 肩から背負う昔の葡萄収穫用のカゴ。 (イメージ:1st Dibsより) (ニュース・ソース:Decanterより) *** (イメージ:Popcorn Playsより) 最後も残念なニュース。ブルゴーニュの<ドメーヌ・シモン・ビーズ・エ・フィス>の4代目総責任者およびワインメーカーのパトリック・ビーズ氏が車を運転中に心臓発作がおき、交通事故に巻き込まれ、意識不明の状態のまま10月20日に他界したとの悲しいニュースが届いた。ビーズ氏は日本を営業で訪れていた際に今の奥さんに出会い、日本ともゆかりが深いブルゴーニュ生産者の一人。享年61歳。心からご冥福をお祈りいたします。 (イメージ:Armit Winesより) (ニュース・ソース:Wine Spectatorより)

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ワイン・ニュースのまとめ

ポマール村での雹による葡萄への被害。 (イメージ:AFPより) 先週お伝えしたブルゴーニュの大雨・強風・雹の被害の様子が明らかになった。以前にも伝えたようにコート・ド・ボーヌ地区に被害が集中し、ポマール村とヴォルネ村の他にサヴィニー・レ・ボーヌ村とペルナン・ヴェルジュレス村などもが先週の火曜の天候被害地域に含まれ、地元自治体は今後の対策をフランス政府からの支援を含めて協議を開始したとニュースが伝わってきた。 コート・ド・ボーヌ地区と北に位置するコート・ド・ニュイ地区(ヴォーヌ・ロマネ村やジュヴレ・シャンベルタン村を含む)はコート・ドール県に含まれており国民議会のコード・ドール県から選出されているベテラン議員のフランソワ・パトリアット氏はフランス政府のエロー首相に今回の大雨・強風・雹がワイン・葡萄産業へどれほどの被害を被ったか報告した。 現在の被害は2013年の葡萄収穫に対して3万ヘクトリッター(300万リッター/750mlボトルで約400万本)分のワインが失われたと推測している。パトリアット議員は地元の銀行と保険会社とも協議を計画しており、融資や保証に支払いなどの調整を依頼している。最後に科学省に雹に対する対策を依頼していることも話題になっており。一部、報道では何らかの方法で雲に処理をすれば雹を雨に変えるなど、悪天候の災害を減らすことができると、正直、信じがたい内容のニュースも伝わってきている。 (ニュース・ソース:wine-searcher.comより) *** フランスでの大雨・強風・雹の被害はブルゴーニュに止まらず、金曜の深夜から土曜の朝方にかけてシャンパーニュ、ボルドー、そして、ランドック地方でも悪天候で被害に見舞われた。 シャンパーニュのヴェルズネ村に位置する老舗シャンパン・メゾンのG.H. Munnの葡萄畑の丘の上にそびえ立つ風車が被害にあうなど、Louis Roedererでも雹により葡萄畑への被害の情報が伝わっている。 ヴェルズネ村のG.H.Munnの風車 。 (イメージ:flickr/IanFletcherより) ボルドー地方のメドック地区のポーイヤック村では村のシンボルである大時計が被害にあったと報告があったが、畑の被害は免れたよう。一方、サン・テミリオン地区のリブルヌ村から葡萄畑の被害が伝わっており、ドルドーニュ川右岸地区のフロンサックAOCとラランド・ド・ポムロール AOCでも被害報告が入っている。 (ニュース・ソース:wine-searcher.comより)

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ブルゴーニュで突然の雨・強風・雹の被害

(イメージ:FTV3/Nicolas Rossignolより) 昨日、フランスのブルゴーニュ地方では大雨に見舞われ、被害の詳細はまだはっきりとわかっていないが、地元からの報告の集計から村によって5割~9割の葡萄に何らかな影響が出ると予測されている。 (イメージ:WineFollyより) 現地時間23日の午後4時頃に強風、雨、そして雹が2時間程度続いた現地からの報告からわかっている。特に被害が多かったのがボーヌ地区のポマール村とヴォルネ村で、被害報告が最も多かった。ポマール村に関しては何らかの被害を免れた畑は1つもなく、7割から9割程度の畑に被害が出ていると予測している。一方、ヴォルネ村では雹の被害が最もひどく、5割から7割程度の畑で被害に見舞われた。 ヴォルネ村に降った雹。 (イメージ:FTV3/Nicolas Rossignolより) 今月、フランスの農業省はブルゴーニュとボジョレーの生産量は前年と比べて34%(約231万ヘクトリッター)上昇すると予測を出したばかりで、2009年から続いている天候などの影響で栽培量の平均値を下回っている数値から脱出できると発表したやさきの悪天候となってしまった。 ヴォーヌ・ロマネ村やジュヴレ・シャンベルタン村などが位置する北のコート・ド・ニュイ地区は23日の雨・強風・雹の被害は免れた。 24日も午後から雨の予報が出ており、日中は29℃の暑さに、午後には急激な温度変化ここ10日から14日間は覚悟しないといけたいと考えている。 翌朝、明らかになったボーヌ地区の葡萄畑の様子と葡萄の被害。 (イメージ:FTVより) (ニュース・ソース:BloombergとFranceTV3より)

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<ホール・クラスター>と<除梗>の考えの違い

Wine-Seacher.comのワイン専門サイトでは長年ブルゴーニュ地方でワイン造りで2つに意見が分かれる果梗(かこう)の取り扱いの考え方の議論がイタリアのピエモンテ地方にも飛び火したことに関する記事を掲載。 まずは簡単に用語の説明から、英語では「Whole-Cluster」または「Whole-Bunch」と呼ばれる醗酵方法がある。「Whole(ホール)」は 全体の、完全な、無傷の、そっくりそのままの意味があり、ワイン造りでは<葡萄の房のまま>を意味する。果実の粒だけでなく無数の茎または果梗も含まれる。ワイン醸造ではホールで醗酵を行なう手法もあれば除梗機を使用して、できるだけ多くの果梗を取り除いてから醗酵を行なう2つの考え方がある。 果梗を付けたままホールで醗酵を行なう場合。 (イメージ:Punchdown Cellarsより) 除梗機を利用し、更に手作業で果梗を取り除く場合。 (イメージ:PunchdownCellarsより) 果梗を含んだ醸造メリットには年を重ねるとハーブやスパイスの味わい与える効果があり、また果梗からタンニンを抽出することができワインに厚みを与えることができる。今回の記事によるとブルゴーニュではDomaine de Montilleなどと<賛成派>が存在し、一方でDomaine des Comtes Lafonなどは<反対派>として知られている。特に味わいに対してデリケートなピノ・ノワール種の取り扱い方でホールと除梗派の間で違いが明確にでるので議論がヒートアップすることがある。今回、そんなピノ・ノワールと同様にイタリアのピエモンテ地方で多く栽培されるネッビオーロ種の取り扱い関して2つの考え方が異なったスタイルのワインを作り上げている。 *** 主にピエモンテ州を代表するバローロDOCGとバルバレスコDOCGの醸造家がネッビオーロ種の取り扱いで果梗に関して意見が分かれている。ホール派にはバルバレスコのネッビオーロを造るGaja(ガヤ)がいる。 80年代にはよりタンニンが柔らかになるようにワインが仕上がるように、除梗機を活用して果梗をできるだけ取り除く手法が支流だったが、徐々にホールの正しい取り扱い方がわかってきてから、ホールで醗酵を試す醸造所が少しづつ増えてきた。Gajaの醸造責任者のGaia Gaja氏によると果梗自体が十分に成長しないとワインに対してハーブやスパイス効果が現れないと説明。また、果梗を含んだまま醗酵を行なうと、通常よりもワインの色が薄れることがあるのでマセラシオン(果汁と果皮を漬け込む期間)を長く行なうことも何回かのトライアルでわかった。この結果、Gajaが所有数するブルネロの醸造施設でもサンジョヴェーゼ種に対してホール醗酵を試すと話している。 (イメージ:100vinoより) バローロ地区モンフォルテ・ダルバのFerdinando Principanoもホール醗酵を取り入れている醸造家の一つで、元々ナチュラル・ワイン造りを取り入れているワイナリーであるので、ホール醗酵の決め手は葡萄畑にあると説明。無農薬でパーフェクトのコンディションの中で栽培された葡萄のみがホール醗酵に適していることを強調している。 (イメージ:Altissimocetoより) 同じくバローロとの老舗ワイナリーPrunottoでもホール醗酵を試しており、2008バローロ・レゼルバでこの手法を取り入れたと説明している。果梗が<熟した状態>で使用しないと青いタンニンがワインに付いてしまうことをトライアルでわかった。 (イメージ:Art Meets Bacchusより) 一方、除梗派にはバローロのMassolino-Vigna Riondaがいる。元々ネッビオーロ種には十分のタンニンが果皮から抽出することができ、古い除梗機では十分に果梗を取り除くことができず、青いタンニンの渋みが強すぎる問題があったが、最新の除梗・圧搾機はより丁寧に除梗が可能になり、同時に圧搾の工程もゆっくりと柔らかく行なわれるので、理想のタンニンが葡萄から抽出することができ、上質なバローロ・ワインを造ることができると確信している。 (イメージ:La Donna del Vinoより) 大半のバローロとバルバレスコの醸造家たちはMassolino-Vigna Riondaと同様な考えでワイン造りを行なっているが、ホール派も確実に増えている。また、ワイン研究者によると温暖化で葡萄の糖度が上昇し、同時にアルコール度数も一緒に上がる問題の対策として果梗にはアルコールを吸収する効果があると最近の研究でわかっており、今後もアルコール濃度対策でもホール醗酵を取り入れる醸造家が出てくるのではないかと推測されている。 (ニュース・ソース:Wine-Searcherより)

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アメリカのピノを舞台裏で動かしている人物たち

映画プロデューサーとワイン・プロデューサーの二役をこなすターロフ氏。 (イメージ:LosAngelesTimes/Jean Yatesより) 映画プロデューサーのマーク・ターロフ氏が2005年に開始したワイン・プロジェクトはカリフォルニア、オレゴン、フランスを跨りピノ・ノワールとシャルドネの様々な表現を<Evening Land Vineyards>のブランド名で打ち出したが、2012年に自ら<Evening Land>のプロジェクトから手を引き、この度、オレゴンのウィラメット・バレーで<Chapter 24 Vineyards>で新たなピノ・チャレンジに取り組んでいる。 <Chapter 24>を紹介する前に、まずは簡単に<Evening Land>のプロジェクトの解説が必要。ターロフ氏が<カリフォルニアの最高峰のピノ産地>ソノマ・コーストAVAのオクシデンタル・ヴィンヤードとサンタ・リタ・ヒルズAVAのオデッセー・ヴィンヤードを購入。ベテラン・ワインメーカーのサシ・モアーマン氏を起用し、カリフォルニア・ピノ造りを開始する。次に前々から喉から手が出てくるほど欲しかった、オレゴンのエオラ・アミティー・ヒルズAVAのセブン・スプリングス・ヴィンヤード(Adelsheim、Bethel Heights、Cristom、Domaine Drouhin、 Evasham Wood、Penner-Ash、Rex Hill、St.Innocentなどのトップ・クラスのオレゴン・ワイナリーがこの畑からピノ供給を行なっていた伝説の畑)を入手。ここにはブルゴーニュのムルソー地方の<ドメーヌ・コント・ラフォン>で活躍するドミニク・ラフォン氏をコンサルタントとして起用し、彼のもと修行経験を積んだイザベル・ムーニエール氏を在住ワインメーカーとして抜擢。次に目を付けたのが<ピノの本場>ブルゴーニュ。ラフォン氏の協力のもとでボーヌに醸造拠点を確保し、ヴォーヌ・ロマネやプイィ・フュイッセなどとブルゴーニュの各地からピノとシャルドネを入手し、同じくラフォン氏の指導を受けたクリストフ・ヴィアル氏を在住ワインメーカーとして抜擢し、3つのロケーションでピノまたはブルゴーニュ・スタイル・ワイン造りに取り組んでいるのが<Evening Land>のプロジェクト。20ドルから100ドルの価格帯のラインアップを設けており、日本国内にもいくつかの<Evening Land>のワインは購入可能。 (イメージ:EveningLandより) <Evening Land>プロジェクト全体を立ち上げ、昨年、自ら新たしいプロジェクトをはじめるために<Evening Land>を去ったターロフ氏。今回の<Chapter 24>プロジェクトのパートナーとして組んだのがヴォーヌ・ロマネの葡萄を使用したの<コント・リジェ・ベレール>のルイ・ミッシェル・リジェ=ベレール氏をコンサルタントとして起用し、オレゴンの <Beaux Freres>(ボー・フレール)のオーナーの26歳の息子、マイク・エッツェル氏をワインメーカーとして抜擢。ちなみに<ボー・フレール>はロバート・パーカーの義理の弟さんが運営するオレゴンのワイナリー。また、マイクは兄のジャレッドとCoattails Wineryを運営していて、すでにワイン専門誌からは高い評価を得ている。 現在はワイナリーや畑がないため、オレゴンのリボン・リッジAVAの<Patricia Green Cellars>の協力を得て葡萄供給を行い。また、オレゴンのヤムヒルAVAの<Soléna Estate>の醸造施設を借りて2012ヴィンテージのワイン造りに取り組んでいる。 これ以上<Chapter 24>プロジェクトに関する情報は入手できていないが、今後、新たなインフォメーションが少しづつ出てくるのを楽しみにしている。 唯一探すことが出来た<Chapter24>のロゴマーク。 (イメージ:Avalon Wine on Oregon Wineより) 話は<Evening … Continue reading

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ブルゴーニュとシャンパーニュのワイン産地が世界遺産登録が見送り

空からのブルゴーニュの葡萄畑。 (イメージ:Association des Climats du Vignoble de Bourgogneより) 2014年度のUNESCO世界遺産登録にフランス代表として<ブルゴーニュ>と<シャンパーニュ>のワイン産地が世界遺産候補として活動を行なっていたが、今回は残念ながら選出は見送られた。 ブルゴーニュのワイン産地は数年前から候補PR活動は盛んに行なわれて、専用のウェブサイトを開設し、ブルゴーニュのテロワール<Climats/クライマ>をキャッチフレーズとして掲げキャンペーン活動や署名集めを行なっていた。一方、シャンパーニュでは昨年9月にはフランスのオランド大統領のサポートを獲得するなど、ここにきてPR活動に拍車がかかっていたが、第38回の世界遺産登録のフランス代表には<ショーヴェ洞窟>と<オーヴェルニュ地域の火山地帯(ミネラルウォーターのボルヴィックの水源)>が選出された。 <クライマ>プロジェクトの代表クリステル・レプリーゼル氏によると今年から申請に変更が加えられ、一つの国からは一つの<自然のランドマーク>と一つの<文化を表すランドマーク>が登録の対象となることから、2つのワイン産地が他の文化的ランドマークと競うことは不利な状況であったことは認めていた。 <ブルゴーニュ>と<シャンパーニュ>のワイン産地が候補地として完全に却下されたわけではなく、今回の選出が見送られただけなので、来年のフランス代表に再度挑戦すると両産地は意気込んでいる。 これまでフランスからは37ヶ所が世界遺産に登録されており、その中にはボルドー地方サン・テミリオンの葡萄畑やフランス料理などが文化のカテゴリーで選出されている。  ブルゴーニュのPRと署名集めキャンペーンの様子 (イメージ:Association des Climats du Vignoble de Bourgogneより) シャンパーニュの署名集めキャンペーンのツール。フランスのオランド大統領の署名をした一人。(イメージ:Candidature Unesco : Coteaux, Maisons et Caves de Champagneより) (ニュース・ソース:Decanterより)

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ワイン・ニュースのまとめ

先週のワイン・ニュースのまとめです。 *** 中国政府が<ナパ・バレー>を地理的表示(Geographical Indications)に認定することを発表した。世界貿易機関(WTO)の知的所有権の規定に則り商品の品質や評価が、その地理的原産地に由来する場合に、その商品の原産地を特定する表示であり、条約や法令により、知的財産権のひとつとして保護される。要するに<バッタモノ>のナパ・ワインを強化して取り締まることを中国側は約束したこととなる。ワイン産地が保護されるのはナパ・バレーが初めてで、今後は安心して中国マーケットを開拓できるメリットがある。ナパを皮切りにフランスやヨーロッパのワイン産地も保護認定を求める動きが強まるのも予測できる。 中国出身の元プロ・バスケ選手ヤオ・ミンさんのナパ・ワイン (イメージ:Decanterより) (ニュースソース:NapaValleyVintnersより) *** (イメージ:Maison Ilanより) 初めてつながりで、最近、あるテレビ番組を見て知ったこと。アメリカ人で初めてブルゴーニュで独自にワイナリーをはじめた人物がいる。コート・ドール県のニュイ・サン・ジョルジュで<メゾン・イランMaison Ilan>を一人でまかなっているのがレイ・ウォーカー氏。ブルゴーニュの伝統的なナチュラル・ワイン造りの手法を取り入れ、2009年に最初のヴィンテージをリリース。開業したてで小規模で行なっているので、現地に行かないと入手困難のワインですが、ウェブサイト(ブログ)などは充実で、来年には彼のブルゴーニュ体験記を綴った本が出版される。 収穫時期でのワイナリーを収録した動画です。遠近魚眼レンズ撮影の迫力と親切なテロップはなかなか見ごたえのある動画シリーズです。 Maison Ilan’s 2012 Harvest Film from Maison ILAN on Vimeo. (ニュースソース:Maison Ilanより) *** 最後はまたもギネス記録もの。ロンドンのプレイボーイ・クラブで最も高額なカクテルが登場し、これがギネスの認定を受けた。その中身は1778年のコニャック「Clos de Griffier Vieux」40ml、1770年のキュンメル・リキュール20ml、1860年頃のオレンジキュラソー20ml、1900年頃のアンゴスチュラ・ビターズ少々で作ったこのカクテルの値段は5500ポンド(約69万円)。カクテルを作る様子が動画に収められ、ショーマンシップなのか、ただコルクを抜きが苦手なのか定かではないが、一杯のカクテルを作るのをじっくり見入ったのは、トム・クルーズのシンクロ・カクテル作り以来かもしれない・・・ (ニュースソース:HuffingtonPostより)

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