Tag Archives: グルナッシュ

ローヌ地方の葡萄収穫に関する最新情報

ローヌ地方を代表する生産者の一つである<E.Guigal/ギガル社>のワインメーカーであるフィリップ・ギガル氏は今年のローヌ地方の葡萄の品質に関して一般的にあまり好ましくないレポートが出ているが、これに対して異なった見解をギガル氏はThe Drink Business誌に共有した。 創業者のエティエンヌ・ギガル氏から数えて3代目がフィリップ氏。 (イメージ:Nick on Wineより) 主に2013年のローヌ地方の葡萄の品質は<北ローヌ>と<南ローヌ>で違いが出たことを理解する必要と前置きから説明を開始している。ギガル社の場合、ローヌ地方だけでも複数のローヌ産地(AOC)からワイン造りを行なっている。最北端の<コート・ロティAOC>、次はヴィオニエ種で有名な<コンドリューAOC>、<サン・ジョゼフAOC>はシラー種だけでなく、マルサンヌ種とルーサンヌ種が有名、<クローズ・エルミタージュAOC>はシャプティエ社とジャブレ社の拠点でもある、<エルミタージュAOC>は面積は小さいが北ローヌを代表する有名産地。 南は最大面積をほこる<コート・デュ・ローヌAOC>、フル・ボディで濃厚な赤ワインが人気の<ジゴンダスAOC>、ロゼで有名な<タヴェルAOC>、南ローヌでもっとも需要が高い<シャトーヌフ・デュ・パプAOC>からの複数の産地で葡萄栽培、そしてワイン造りを行なっている。 (イメージ:Wine Follyより) フィリップ氏によると<北ローヌ>の収穫シーズンは春先から夏にかけて気温が上がらず、8月の段階でアルコール度数が8%しか出せない葡萄ができてしまっており、心配を兼ねてできるだけ熟成の妨げになる不必要な房は間引きし対応していたが、9月に入って急激に温度が上がり、間引きと温度が上がったことで、逆に非常に質の高い葡萄栽培ができたと強調している。<コンドリューAOC>や<サン・ジョゼフAOC>で栽培された白ワイン用の葡萄は14%~14.5%のアルコール度数に到達する数値でまで糖度が上がり、赤ワイン用の葡萄は13%の度数が得られる数値まで達した。 例年と異なった部分では、通常は<コート・ロティAOC>の葡萄が<エルミタージュAOC>より先に熟成するが、今年はその逆のパターンであった。またすべての北の葡萄収穫を終えたのが10月15日で、その翌日から雨が降り、雨の影響を受けなかったことが幸運だったと説明している。 一方、<南ローヌ>では同じようなギリギリでの一矢を報いる様な逆転劇にはなかった。特に全般的にグルナッシュ種は大きなダメージを受けた。クリュール(花振るい)が起きてしまい栽培量が落ち込み、また、収穫には雨を避けることができずに多少影響が出てしまっている。一方でムールヴェードル種とシラー種へのダメージはそれほど出ていないと加えた。 ギガル社以外にもシャプティエ社も南ローヌの葡萄に関して例年とはグルナッシュ種が最も影響を受けたとコメントをしている。特にシャトーヌフ・デュ・パプ産のグルナッシュは<ピノ・スタイル>に近い味わいになると説明している。 *** いずれにしてもローヌ地方の2013年ヴィンテージは<北ローヌ>に人気・需要が片寄るような気がする。シャトーヌフ・デュ・パプを含めて<南ローヌ>は少し様子を見て、逆に有名どころの生産者のワインは価格面から考えると<買い>なのかもしれない・・・ いくつかのローヌ地方に関するブログを見ていると『Coulure/クリュール(花振るい)』の文字が頻繁に栽培が難しかった理由に挙げている。Wikiによるとクリュールは春に起きる現象らしく、通常と異なった天候や温度などが理由で、葡萄の花が咲かず、受粉ができない。その結果、実が通常よりも成長がバラつきが出て、収穫量に影響を与える問題らしい。特にグルナッシュ種、マルベック種、メルロー種がクリュール被害を受けやすい品種として知られている。他の果実に比べても、葡萄の木に起きやすい現象でもある。 ギガルのコート・ロティの畑は急斜面で栽培が行なわれている。 (イメージ:DomaineGuigal/Facebookより) (ニュース・ソース:The Drink Businessより)

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パソロブレスの地下水減少で水不足問題

(イメージ:Paso Robles Wine Countryより) 水不足問題に直面しているパソロブレス産地で12件の違反行為に対しての調査が行なわれているとお地元ニュースが伝えた。 パソロブレスでは先月、地元自治体の投票で地下水への新たなくみ上げを禁止する条例を定めた。数十年続いている地下水の減少がここ数年に急激に減っている問題に、葡萄農家、ワイン生産者、地元住民の間で水の使いすぎでの争いが続いている。 パソロブレスでは基本的にはドライ・ファーミングが支流。 (イメージ:David Middlecamp/The Tribuneより) 地元住民は葡萄生産者が増えたことで地下水の資源が大きく減ったことを主張。一方、葡萄農家は地元経済は葡萄農業で支えられており、また、実際には葡萄栽培には想像している以下の水の資源を活用している意見で反論している。また、パソロブレスで中小規模で営んでいる葡萄畑やワイナリーは、地域外からやって来た大規模ワイン企業が生産量を大幅に増やしていることが水資源が急激に減っていること考えている人も少なくない。 パソロブレスの地下水のマップ。赤く示されているほど水が不足している。 (イメージ:Wine and Vinesより) これらの意見をまとめ、地下水の保護と新たな水資源の確保を目指して活動るのがPaso Robles Agricultural Alliance for Groundwater Solutions (PRAAGS)。先月可決した、くみ上げ禁止の緊急条例を定めるなど産地の大事な資源を守りながら、地元経済を支える農業を持続させる2つを両立をさせることに目指している。 今回、違反行為の調査は地元住民が夜間に畑で水を利用している形跡があるとの通報で明らかになった。8月末に定められたばかりの緊急条例に対して葡萄農家と地元住民の間で解釈に開きがあることが明らかになった。まずは新たな水のくみ上げは8月27日以降に植えられた葡萄の木が対象との理解であって、また条例の文面では8月27日以降に植えられた葡萄に木でも、事前に葡萄の木に接ぎ木計画が明らかになっている場合、許可するなどと主張をする生産者もいる。 地元住民も井戸から水のくみ上げが制限されている。 (イメージ:David Middlecamp/The Tribuneより) 一方で昼間ではなく夜間の作業を行ったことや実際にどのように地下水が利用されたのか実態調査がPRAAGSにより行なわれている。違反行為が明らかになった場合、葡萄の木の排除が命じられる。 今週はじめのブログでも紹介したが、パソロブレスはカリフォルニアのワイン産業の成長には重要なポジションに置かれている。ただし、地下水問題が解決できなければ、産地全体にとって死活問題となる。 明るい話題があまり出てこないパソロブレスだが、実際には葡萄産地として更に11ヵ所に新たなAVA(いくつかはサブ・アペラシオン)の開設の動きが盛んになっており、ポジティブな話題もあるのだが、水不足問題が産地全体に大きな影になってきることも確かだ・・・ *** いくつかパソロブレス産のオススメ・ワイン: 1) VinaRoblesのRED4(シラー、ペティ・シラー、グルナッシュ、ムールヴェードルのブレンド) (イメージ:majamaki/intagramより) 2)Hope Family WinesのAustin Hope Syrah … Continue reading

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インターナショナル・グルナッシュ・デー

(イメージ:Association Grenacheより) 今日(9月20日)はインターナショナル・グルナッシュ・デー。フランスを拠点に活動する非営利団体<Association Grenache>がグルナッシュ種のPR活動にワイン愛好家を召集する恒例のイベント。毎年9月の第3金曜をGrenache Day(G-Day)に設定し、世界各国でグルナッシュ・ワインを飲んで、主にソーシャル・メディアを通じてハッシュタッグ(#GrenacheDay)でツイッター、フェースブック、インスタグラムなどでグルナッシュ・ワインを共有し、更なるグルナッシュのPRを目指している。 <Association Grenache>にはフランス、スペイン、カリフォルニア、オーストラリアなどグルナッシュ種栽培に取り掛かっている生産国のワイン生産者、ソムリエ、ジャーナリストがメンバーとして加わっており、主にメンバー同士でのソーシャル・メディアを通じて様々のグルナッシュ・ワインを紹介している様子がすでにうかがえる。また、グルナッシュ・デーをレストランやイベント・スペースで祝うのであれば、<Association Grenache>が用意したGoogleMap専用ページに住所と連絡先を入力し、タグを張ってくれる。 (イメージ:Association Grenacheより) グルナッシュは世界規模で見ると実は最も栽培されているワイン用の葡萄品種である。主に南ローヌ地方のコート・デュ・ローヌやシャトーヌフ・デュ・パプなどのグルナッシュが有名だが、原産はお隣のスペインのアラゴン地方で<グルナッチャ>と呼ばれ、栽培量も大きくフランスを上回る。ニュー・ワールドではオーストラリアではローヌ地方でよく行なわれているグルナッシュ、シラー、ムールヴェードル(GSM)ブレンドが人気で、単独よりもブレンドとしてサウス・オーストラリア州のワイナリーの多くはGSMワイン造りが行なっている。カリフォルニアに関してはセントラル・バレー産地のサン・ホワキン・バレーが1800年代には盛んに栽培を行なっており、そもそもホワイト・ジンファンデルのように甘いジャグ・ワイン用に栽培していた。20世紀後半には総生産量は大幅に激減したが、フランスのローヌ地方に敬意を払うカリフォルニアの生産者で構成された<ローヌ・レンジャーズ>が南ローヌに匹敵する味わいのワイン造りでグルナッシュ栽培が盛り返しを見せている。 グルナッシュの特徴の一つに名称の多さがよく取り上げられる。Association Grenacheが集計しただけでこれだけの名称が存在する。 Alicante、Alicante de Pays、Alicante Grenache、Alicantina、Aragonais、Aragonés、Bois jaune、Cannonaddu、Cannonau、Cannonao、Cannono、Carignane Rousse、Gironet、Granacha、Granacha del País、Granacha Negra、Granacha Tinta、Granacho、Granaxa、Granaxo、Grenache Rouge、Guarnaccia en Italie、Lladoner、Mencida、Navarra、Navarre de la Dordogne、Ranconnat、Redondal、Retagliadu Nieddu、Rivesaltes、Rivos-Altos、Roussillon、Roussillon Tinto、Rouvaillard、Sans Pareil、Santa Maria de Alcantara、Tinta、Tinta Menuda、Tinto、Tinto de Navalcarnero、Tintore di Spagna … Continue reading

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2013年 期待のカリフォルニア・ワイン産地

(イメージ:Wikipediaより) 南カリフォルニアに注目が集まりそうなワイン産地が存在する。ロサンゼルスから北に50キロ行ったところにサンタ・クラリータと言う街がある。巨大ジェット・コースターで人気のアミューズメント施設「シックス・フラッグ」やハリウッド映画から「24」、「ヒーロズ」、「NCIS」など人気海外TVドラマが多くが撮影されるバレンシア・スタジオの所在地として知られている。 昨年9月、このサンタ・クラリータのニューホール市のダウンタウンに初の州公認の共同ワイン醸造施設(ワイン・クラッシュ施設)が開業した。ロサンゼルス郡で最も面積が広いサンタ・クラリータにはすでに30ヶ所ほどの個人ワイン醸造家が存在しており、葡萄栽培も個人使用のスケールで行なわれている。品種は主にシラー種とグルナッシュ種。これまでの個人ワインメーカーは平均で30~60ガロン(ボトル:150~300本)のワインが醸造されているが、今回、建設された新たなワイン・クラッシュ施設により個人ワインメーカーに利用していただき、公認ワイナリー申請を行なっていただき、一般向けへのワイン造りを促す動きが出ている。 共同醸造施設を開設したオーナーが経営するPulchella Winery (イメージ:Yelp/Pulchella Winery/Steve L.より) 現在、サンタ・クラリータにはカリフォルニア州公認商業ワイナリーはワイン・クラッシュ施設のオーナーでもあるスティーブ・レムリー氏のPulchella WineryのほかにAgua Dulce Winery、The Reyes Wineryなどと数は少ないが、アマチュア・ワインメーカーで名を上げている者もいる。地元で知名度を上げているのがRoman Weiser氏のMantis、Chris Carpenter氏のCompa、Whistling Vineyard、Bobcat、One Vine Four Branchesなどがアマチュア・コンペで入賞していたり、地元でガレージ・ワイン造りの名士として評判を獲得している。 CompaワインのCarpenter氏と葡萄畑 (イメージ:LosAngelesTimes/Jay L. Clendeninより) 今月の26日のサンタ・クラリータ郊外のSierra Pelona Valley(シエラ・ペローナ・バレー市)で第一回目のワイン・フェスティバルが開催される。シエラ・ペローナ・バレーは昨年AVA認定を獲得していて大半の商業ワイナリーはこちらに所属している。いずれかは公認ワイナリーの申請を取得したアマチュア・ワインメーカーもこのようなイベントにワインを出展し、地域のワイン産業を広めていく狙いがある。 *** エンターテインメント産業がサンタ・クラリータにもたらした経済効果のおかげで<ゆとりある中間層>が住み移りが盛になって来ている。この現象は地域のワイン産業を支えるのにも、もってこいの機会である。あとは上質なワイン造りを行なっているアマチュア・ワインメーカーが一般向けにワインを提供することができれば北カリフォルニアで起きている、大手企業からブティック・ワイナリーが共存する多様性のあるワイン産業作りが見えてくる。今年に入ってロサンゼルス・タイムス紙とローカルタウン誌のLAistでもサンタ・クラリータが取り上げられており、今後への期待度が高まっていることは確かだ。 サンタ・クラリータのガラジストの一つOneVineFourBranches (イメージ:OneVineFourBranchesより) (ニュース・ソース:LosAngelesTimesとLAistより)

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インターナショナル・ワイン・セラー(5月・6月号)のレビュー

S・タンザーのインターナショナル・ワイン・セラー(5月・6月号)にドンキー&ゴートの最新リリースのワイン評価が掲載された。 最近日本に入荷したストーン・クラッシャールーサンヌ2010とファイヴ・サーティン2010のレビューの翻訳です。 ストーン・クラッシャー ルーサンヌ 2010 (エル・ドラド) ライトなかすみがかったゴールド色。ドライ・フルーツ、洋梨、メロンとカモミールのエキゾチックなアロマ。ハチミツよとスパイスのニュアンスも感じられる。しなやかに口の中に広がる核果・オーチャード(果樹園)フルーツの味わいにビター・レモンのアクセントがエネルギーを加える。深みと噛みごたいがある食感。長く口の中でまとわるスパイスのフィニッシュ。91pt ファイブ・サーティン 赤ブレンド 2010 (エル・ドラド) 鮮やかなレッド。スモークとスパイスのアクセントを含んださくらんぼ、レッドカレント(赤すぐり)、スミレ、リコリスのアロマ。微かに黒胡椒も。スパイシーで焦点がまとまっていて、軽い歯ごたいのあるレッドとダーク・ベリーの味わい。甘いレッド・フルーツと花を味わえる苦味のあるが爽快感があるフィニッシュ。飲み頃になっている。90pt

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