Tag Archives: カベルネ・ソーヴィニヨン

ナパの<谷底>と<山腹>カベルネの違い

ナパ産のカベルネ・ソーヴィニヨンは誰も文句をつけることができないほど最上級のワインを生産しているが、ここに来て特にナパで活動する生産者の間で、ナパの谷底で栽培される葡萄と谷を囲む山の斜面で栽培されるカベルネ・ソーヴィニヨン、果たしてどっちが上なのか?大きな違いは存在するのか?議論テーマとして持ち上がる。 11月下旬にナパ・バレー・ヴィントナーズ主催で<谷底>と<山腹>のカベルネを飲み比べるテースティング会が開催され、ナパで活躍するワイン関係者が集まり、特にまだなじみの薄い<山腹>のカベルネの特徴とポテンシャルが話し合れた。 テースティング会には次の面々が揃った、元Decanter誌の編集長Adam Lechmere氏、スプリング・マウンテンAVAのCain VineyardのワインメーカーChris Howell氏、プリチャード・ヒルのContinuumのオーナー/ワインメーカーTim Mondavi氏、ラザフォードAVAのCorisonのオーナー/ワインメーカーCathy Corison氏、ラザフォードAVAのRaymond VineyardsやカネロスAVAのBuena VistaのオーナーJean-Charles Boisset氏。 まずはナパ・バレーの<谷底>と<山腹>位置を確認しよう。ナパの谷底の中心走るハイウェイ29から考えると、南からオーク・ノールAVA、ヨントヴィルAVA、オークヴィルAVA、ラザフォードAVA、セント・へレナAVA、そしてカリストガAVAが<谷底>となる。ちなみにヨントヴィルの隣がスタッグズ・リープAVAでこちらも<谷底>の一部となる。 (イメージ:Napa Valley Vintnersより) ハイウェイ29の西側の<山腹>は南からマウント・ヴィーダーAVA、スプリング・マウンテンAVA、ダイアモンド・マウンテンAVA。一方、ハイウェイ29の東側の<山腹>は南からアトラス・ピークAVAとハウエル・マウンテンAVAで構成される。東側のセント・へレナAVAとハウエル・マウンテンAVAの間に位置する<プリチャード・ヒル>はAVA認定はされていないが<山腹>の一部に入る。 更に東にあるチレス・バレーAVAとナパの最南端を構成するカネロスAVA、コームズヴィルAVA、ワイルド・ホースAVAはカベルネが盛んに栽培されないことから<谷底>と<山腹>の議論から外れる。 ~ 地形の特徴 ~ 斜面が急であるほど風の影響が受けやすくなり、葡萄の木にストレスが強くかかる。土壌は標高と地域によって異なり火山灰、ローム、ライムストーンそして大型の岩が所々に存在する。葡萄栽培の環境を造りを行なうために時にはダイナマイトで大型の岩を爆破し、均等な土壌を造る必要がある。平均的に<谷底>に比較しても栽培コストは高く付き、高額の価格設定もやむを得ない。  Pritchard HillのChappelletの畑におかれたまま岩。 (イメージ:Rot.より) ~ 気温の特徴 ~ ナパの<山腹>エリアの世界各地の<山腹>産地と比較すると決して<涼しい気候>の部類に区分することができない。昼間<谷底>に集まった温かい空気が冷たい空気に<山腹>エリアに押し上げられる。特に夜間の気温は<山腹>の方が平均数値が<谷底>より高い。ただし、昼間の温度は<谷底>よりも低い。夏場でも100℉を超えることはない。 <山腹>エリアは<谷底>よりも乾燥しており、霧が持ち込む湿気の影響を受けないことから、特に冬の間は霜の被害を受ける心配もない。 Pritchard HillのColginの畑から見た霧の様子。 (イメージ:Rot.より) AVA別で見ても最北端のダイアモンド・マウンテンが<山腹>の中で最も暖かく、南に位置するマウント・ヴィーダーがもっとも涼しい平均気温を記録する。 ~ 葡萄の木の特徴 ~ 急斜面に植えられた葡萄の木ほど風を受け、水分の吸収が少ないことからストレスが高くかかる。平均的に葡萄の木が小さく、6歳から7歳の木は2歳の程度にしか見えない。房も小さく付き、特にカベルネの場合、一つの房の大きさはこぶし程度の大きさが普通。実も小さく、果皮は厚く成長する。果皮と果汁の割合を<谷底>と比較すると約半分程度である。収穫量は1エーカーから1.5トンから2トンが平均。 Howell MountainのCimarossaでは4方向に斜面が向いている珍しい畑。 (イメージ:Rot.より) ~ 葡萄収穫とワイン造りの特徴 ~ 収穫は<谷底>より2週間程度遅く始まる。通常は<谷底>よりも長いハングタイムだが糖度の平均数値は25Brixで収穫される。ちなみに<谷底>の平均糖度は27Brixとなっている。 ワイン造りに関してはカベルネでのワイン造りの最も気を使うのは「タンニン」の扱い。果皮が厚いため多くのタンニンを抽出することが可能で、パワフルに出てしまうため、特に<自然派>や<ミニマリスト>のアプローチでのワイン造りを行なうのであれば、醸造の最初の段階から扱いを注意しなければならない。 ~ ワインの特徴 ~ 新鮮で天然の柔らかい酸、厚みのあるタンニン、そしてミネラル質の味わいが<山腹>カベルネの大きな共通な独自の特長と大半の意見は揃う。これ以外は<谷底>と<山腹>を問わず、ワインメーカーの醸造スタイルまたは道具(新品の樽など)でフルーツの味わいやボディなども変化すると考えてもいいだろう。 今回のテースティング会でも上記の3つの特徴以外には<谷底>と<山腹>のカベルネの区別をつけることは困難であることが明らかになった。Cathy … Continue reading

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ワシントン州の葡萄畑をオークションで購入可能

(イメージ:Tri-City Heraldより) ワシントン州の南東に位置する<Red Mountain AVA/レッド・マウンテン>内で葡萄畑用の土地がオークションで購入できるとKennewick Irrigation District(KID)が発表。Red Mountain AVAは2001年に開設されたワシントン州内最小面積を誇るAVA。総面積は4040エーカーの内、現在は約1000エーカーに葡萄栽培が行なわれている。 今回、KIDがオークションにかける670.08エーカーの内、518.76エーカーがRed Mountain AVAの範囲内にあたる。KIDは民間の水道会社でYakima Riverを水源にHorse Heaven Hillsなど複数のワシントン州のAVAに水道供給を行っている。今回のオークションにかけられる土地は1943年からKIDが所有していて、2014年の夏までにはこの地域にKIDが水道供給が完了する。 (イメージ:Wine MatchとHome Wine Schoolより) Red Mountain AVAは13のワイナリーが存在し、葡萄畑は22のヴィンヤードが存在する。主に赤ワイン用の葡萄を専門としているワイナリーとヴィンヤードが多く、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、サンジョベーゼ、カベルネ・フラン、シラーの栽培を中心に行なっている。 (イメージ:Kinoa Vineyardsより) 地域を代表するワイナリーの一つがKiona Vineyard。1975年にJohn Williams氏とJim Holmes氏のパートナーシップで開業したヴィンヤード及びワイナリー。1994年にKionaで所有していた葡萄畑<Ciel du Cheval Vineyard>を抱えて独立したHolmes氏は独立し、Ciel du Chevalではカベルネ・ソーヴィニヨン栽培に専念し、複数のワシントン州とオレゴン州のワイナリーに供給を行なう中、ワシントンのコロンビア・バレーのQuilceda Creek Vintnersの2002年、2003年、2005年ヴィンテージのカベルネ・ソーヴィニヨンがワイン・アドヴォケート誌で100点の評価を獲得し、Red Mountain AVAの産地名が一躍注目を集めるようになる。 (イメージ:Wikipediaより) 現在、Ciel du … Continue reading

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ソレラ手法を活用したナパのカベルネ・ソーヴィニヨン

(イメージ:WineCountryThisWeekより) ナパのラザフォードAVAのシルバラード・トレイル通り沿いにワイナリーを構えるZD Winesは常に上質なシャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンで高い評価を得ている。ワイナリーは1960年代に創業者チームのノーマン・デルーズ(deLeuze)氏とジノ・ゼッポーニ(Zepponi)氏がブルゴーニュ風のピノ・ノワール造りを目指しワイナリーを旗揚げ。90年代にはデルーズ氏の息子さんたちがワイナリー運営を引継ぎ、兄弟が発案したのが<ソレラ手法>を活用したカリフォルニアでは初のワイン造り。 ソレラ手法は主にスペインのシェリー造りで活用され有名な手法で、各年に熟成貯蔵された樽の中身を少しつづ、前の年の樽で熟成している中身とブレンドしワイン、ビール、ビネガー、ブランデーなどを造る手法。ZD Winesは1992年からレゼルブのカベルネ・ソーヴィニヨンを一部ソレラ用に別にとっておいており、1999年に1992~1998年のカベルネ・ブレンドをリリースを皮きりに『アバカス/Abacus』が誕生。今年の10月には15回目のリリースとなり、計20ヴィンテージ分のカベルネ(1992~2012)が含まれる。200ケース限定生産で価格は1本525ドル。すでに予約を受け付けており、興味がある方はお早めにワイナリーに連絡する必要がある。 (イメージ:SteveBeal.comより) 息子さんの一人でワインメーカーを務めているロバート・デルーズ氏によると若いヴィンテージが古いヴィンテージと一緒に加わると、古いヴィンテージが息を吹き返すような効果が現れると話している。有名のところではスペイン(リベラル・デル・ドゥエロ)のベガ・シシリアのウニコ・シリーズのリゼルヴァ・エスペシャルは30年分(テンプラニーニョとカベルネ・ソーヴィニヨン)のヴィンテージをブレンドしたり、シャンパーニュ地方のジャック・セロスのシュブスタンスは1987年のヴィンテージをベースに新しいヴィンテージを加える手法を取り入れたスパークリング造りを行なっている。ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンではZD Winesが唯一のワイナリー。 左:Vega Sicilia, “Unico”, Reserva Especial 右:Jacques Selosse SUBSTANCE(イメージ:VinblogとBudi’sFoodblogより) ちなみにワイン名の『アバカス』は日本では<そろばん>を意味しており、ボトルのネックの部分にはアバカスのイメージが彫られたメダルが付いている。特に<そろばん>をモチーフに使ったから日本好きなのかどうか意識せずにいたが、ZD Winesのホームページに埋め込められているYouTubeの商品説明ビデオを見て、いきないBGMが<教授>の代表作。久しぶりに耳にして80年代に一瞬タイムスリップ。オーケストラ・バージョンなのでリラックス度が増します。『戦メリ」とワイン、なかなかいけるペアリング・・・ R.I.P., to Head of THE OSHIMA GANG. (ニュース・ソース:St.HelenaStarより)

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ナパの秘密のワイン産地

(イメージ:Chappellettより) ナパ・バレー内に注目を集めている産地がある。ナパには16のアペラシオンが存在する。大まかには共通の環境(気温、標高、土壌)を持つ葡萄産地を各アペラシオンの区別を示し、その特徴を活かしワイン造りを行い、大きなセールスポイントとして活用するワイナリーは少なくない。今回紹介する<ピリチャード・ヒルPritchard Hill>産地はアペラシオン(AVA)の認定を受けていない。場所はいくつかの有名AVA(ラザフォードAVA、オークヴィルAVA、ヨントヴィルAVA、スタッグス・リープAVA)の裏側または山側とでもいう標高が250~365メーターに位置するヴァカ山脈(Vaca Mountains)の中となる。アトラス・ピークAVAやハウェル・マウンテンAVAなどと標高がさらに高い産地もナパ・バレーには存在するが、<プリチャード・ヒル>の最大の特徴はナパ・カベルネで有名な谷底の産地と標高が数百メーターまで登る山中の産地の中間点に位置するところだ。 (イメージ:NapaValleyVintnersより) 現在、<プリチャード・ヒル>には16のヴィンヤードが存在する。ワイナリーの数は11ヶ所。この地域に最初にワイン造りとおこなったのが<シャペレChappellet>。産地の名付け親となるチャールズ・プリチャード氏から1967年に土地を譲り受け、当時はジンファンデル、シェナン・ブラン、ガメイ、リースリングなどを栽培してた畑をカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネに植え替え、専念するようになり、現在<プリチャード・ヒル>内では最大級の100エーカー(40ha)ほどの栽培面積を所有する。 次に現れたのが2つのロング・ファミリー。お互い無関係だが、一つはボブとゼルマ・ロング夫妻の<ロング・ヴィンヤードLong Vineyard>。もう一方はデヴィッド・アーサー・ロングが始めた<デヴィッド・アーサー・ヴィンヤードDavid Arthur Vineyard>。ロング・ヴィンヤードは閉鎖したが、デヴィッド・アーサーは続いており、2つ目の<モンタグナ・ワイナリー Montagna>も所有する。その後も<メランソンMelanson>、<ブライアント・ファミリーBryantFamily>、<コルギンColgin>、<オーヴィッドOvid)などど1本数百ドルの値段が付くカベルネを造るワイナリーがこの地域に知名度を上げていった。 これだけ注目を浴びているにも関わらず、アペラシオンの申請またはワイナリー・ヴィンヤード支援団体の発足は全く関心がない。逆に現在<プリチャード・ヒル>の商標を取得しているシャペレのドン・シャペレ氏はその予定はなく、知名度や価値を維持するためにも今後もレーダーから外れた状況で活動するのがベストと考えている。実際にワイン批評家に<プリチャード・ヒル>のワインの特徴を他の産地と比較するとしても、特にこれと言ったワインの味わいよりも、産地の知名度と生産量の少なさが特徴として取り上げられる。 <プリチャード・ヒル>称号はシャペレのみがワインに使用できるので、まずはワイナリー名を覚えていただき、機会があれば、試してみてください。 <プリチャード・ヒル>産地のワイナリー: Melanson Bryant Family Chappellet Villa del Lago Colgin Cellars Brand Gandona Continuum Estate Ovid Montagna David Arthur (ニュースソース:WineEnthusiastより)

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Rパーカー ナパ カベルネを再レビュー

(イメージ:NapaWineProjectより) ワイン批評家のロバート・パーカー氏が2002ヴィンテージのナパ産のカベルネ・ソーヴィニヨンを再レビューを行いワイン・アオドヴォケート誌にてその結果を発表。今回は17銘柄に対し100ptのパーフェクト採点を付けた。ちなみに次のナパ・カベが時を経て、パーフェクトの状態に成長した銘柄です。 2002 Sloan Proprietary Red 2002 Schrader Cellars Cabernet Sauvignon Old Sparky 2002 Colgin IX Proprietary Red Estate 2002 Dalla Valle Maya Proprietary Red Wine 2002 Lokoya Cabernet Sauvignon Mount Veeder 2002 Colgin Cabernet Sauvignon Tychson Hill Vineyard 2002 … Continue reading

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2008 サンフランシスコ・クロニクル ワイン・コンペティションでエスターリナが3部門で受賞

参加ワイナリー数が全米一のワイン・コンペティション、「2008サンフランシスコ・クロニクル・ワインコンペティション」が今年も1月にサンフランシスコで行われ、Esterlina(エスターリナ)が3部門で賞を獲得しました! 内容は下記の通りです。 Gold Medal 2005 Esterlina Anderson Valley Pinot Noir 2006 Esterlina Cole Ranch Riesling Silver Medal 2004 Esterlina Alexander Valley Cabernet Sauvignon 残念ながら少量生産のため受賞となったワインは日本に未入荷ですが、2007年の同じコンペティションでGold Medalを獲得した2005 Esterlina Chardonnay Russian River Valleyはまだ在庫が御座いますので、この機会にゴールド評価の味をお試しください!

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