Monthly Archives: November 2013

ソノマの人気ワイナリーが地元住民に訴えられる

(イメージ:Press Democrat/Beth Schlankerより) 今年の4月頃からしばしば取り上げられたニュースでワイナリーと地元市民の間でりんご園を葡萄畑の改造する計画に関して署名活動レベルの抗議がついに裁判所で争う問題に発展した。 問題のりんご園はソノマのセバストポール市の<Watertrough Road/ウォータースロー通り>沿いに位置し、2012年に<Paul Hobbs Winery/ポール・ホブス>が48エーカーのりんご園を葡萄畑に改造する目的で購入した。 ちなみにPaul Hobbsはワイン・アドヴォケート誌から<パーフェクト・スコア>を獲得としたカベルネ・ソーヴィニヨンを造った実績がある人気ワイナリー。 (イメージ:Paul Hobbs Wineryより) りんご園とウォータースロー通りの近くには4つの学校が存在し、4月にりんご園内に建っていた家と小屋が取り壊し工事が開始すると、学校に通う子供たちの親が、葡萄栽培で農薬の使用することで子供の健康に害を与えることで改造計画反対の署名活動が始まった。 (イメージ:Press Democrat/Beth Schlankerより) ワイナリー側は葡萄栽培と農薬使用の安全性を強調したが、地元住民を納得させる説明ができないまま、6月にりんご園改造工事を着工した。この事態に地元住民の間で大規模な抗議デモが行なわれ、大きくニュースに取り上げられるようになり、様々なメディアに取り上げられるようになった。抗議デモと改造工事現場の作業員が誤って浸食作用に設けられた植物を撤去してしまったことで、地元自治体により一時的な工事ストップを言い渡された。 (イメージ:PressDemocrat/Conner Jayより) 8月に浸食作用の植物の植え直しと復旧工事が行なわれ、再度、葡萄畑への改造工事が再開した。 今月に入り、ついに葡萄畑反対グループがPaul Hobbsと住民の安全を考慮せずに改造許可を与えたソノマ郡に対して「州の環境保護法」を違反していることでソノマ郡裁判所へ訴えを起こした。 そもそも今回の問題はHobbs側が学校の近くに畑を営み、オーガニック農法やビオディナミではない農法で行なうことが地元住民の心配に火をつけてしまった。今後も有機栽培でない農法ですすめる計画で、フェンスを建てたり、農薬を撒くタイミングなどを注意して行なう対応策を示している。またワイナリー側はソノマ郡の許可を取得していることも、強気で地元住民の要望に対して応える姿勢を見せていない。 個人的にはPaul Hobbsのワインは好きで、新たにラインアップ増やしてくれることは喜ばしいのだが、地元住民(しかも子供たち)の健康にリスクを与えてまでも、新しいワインを飲みたいとは思わない。結果的に体に何の害を与えないのかもしれないが、<安全性>をリスクしてまでもワイン・ビジネスに取り組む姿勢は強い疑問を抱いてしまう・・・妥協して、完全オーガニックやビオディナミ農法に取り組んでもいいような気もするのだが・・・ (ニュース・ソース:PressDemocratその1、その2、その3、その4、その5、その6より)

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ブルゴーニュのビオディナミ畑が害虫退治を断り罰金と禁固

白ワインと赤ワインと<エマニュエル・ジブロ>は豊富なラインアップでビオディナミ・ワインを生産している。 (イメージ:Journal d’un passionne de la rive droiteより) 漫画『夏子の酒』でも重要なテーマの一つであった害虫退治のための化学農薬使用の物議が、フランスのブルゴーニュ地方のボーヌ産地でバイオダイナミック農法(ビオディナミ)で葡萄栽培を行なっている生産者<Emmanuel Giboulot/エマニュエル・ジブロ氏>は葡萄の木にダメージを与える<Flavescence-Dorée Disease/フラベセンス=ドレー病/直訳:黄色=金色病>の対処に化学農薬を使用を断ったことから3万ユーロの罰金と6ヶ月の禁固を言い渡されたとDecanter誌で紹介された。 <フラベセンス=ドレー病>にかかってしまった葡萄の木。 (イメージ:Wikipediaより) 今回の判決はフランス政府の農林省管轄のDRAAF-SRALが下し、2011年頃からコート・ドール地方で広まっている葡萄の木の葉っぱに害虫(正式名:scaphoideus titanus)が付くようになり、葡萄の葉っぱが黄色から金色に染まる<Flavescence-Dorée Disease>が発生し、葡萄の木の成長および葡萄の実の成長に影響を与える問題が起きており、今でも続いていると言われている。この病気の対処に今年7月にDRAAF-SRALからの命令で農薬を撒く対策に対してジブロ氏は無視したことを理由に罰金と禁固の判決が下さった。 ジブロ氏の畑は1970年代から父親がオーガニック農法を行なわれてきて、その後、父親から譲り受けた畑はビオディナミ農法を取り入れ無農薬の葡萄栽培を継続してきた。 コート・ドールAOCの代表を務めるジャン=ミシェル・アビナル氏は<Flavescence-Dorée Disease>には緊急性で対処する必要があり、病原の研究は対処方法と同時に行なう必要があり、中には葡萄の木を完全に抜く対策も取ってきたと説明している。 一方で、ジブロ氏はまだ完全に病原を対処するか証明されていない化学農薬を撒くことに対しては強い抵抗を感じているとコメントを残している。実際にオーストリアなど他国では化学農薬ではなく、丁寧に葉っぱを熱湯で対処することで<Flavescence-Dorée Disease>を対処した実績があり、逆に化学農薬を撒く価値はないことも発言を残している関係者もいる。 害虫被害は葡萄栽培ではつき物で、有機栽培やバイオダイナミック農法に取り組んできる農家は化学薬品を使用しないことから、特に害虫発生には敏感に取り組んでいるはず。害虫拡大をコントロールすることは産地全体(農薬使用・無農薬問わず)の大きな関心事で、広がってしまったものに対しては化学農薬を使用しないのであれば、最悪の場合、木を抜くなどの対応方法を取るしかない。近所の畑に迷惑をかけないことが大前提だが、他の化学薬品を活用しない対象法が存在し、それを対処法として試す前に罰金や罰則を下すのはかなり厳しいような気がする・・・ 今回の判決は不服としてジブロ氏は抗議を行なうことが予測される。 この<La Combe d’Ève>は国内でも探せば購入できるワイン、要チェックのワインの一つです。 (イメージ:Vinloyalより) (ニュース・ソース:Decanterより)

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<テロワール>を真菌や細菌で区別する新たな発見

ワインの解明に大きく貢献している研修機関であるUC大学デイヴィス校が葡萄とテロワールまつわる新たな発見を行い、先日そのレポート内容をProceedings of the National Academy of Sciences(米国科学アカデミー紀要)誌で公表した。 <テロワール>はワイン関係者の間では普通に使用される言葉で、葡萄畑の土壌、水、気候の特徴や独自の環境が葡萄とワイン造りに影響を与えているコンセプトとして共通認識がされているが、この度、UC大学デイヴィス校のワイン専門学部の研究により、葡萄の果皮に付着する真菌(fungi)と細菌(bacteria)が葡萄が栽培される環境に影響されることが科学的に証明することができ、これまで<テロワール>のくくりで産地の違いなどを表していたコンセプトが、科学的に<テロワール>の違いを証明できるようになった。 研究はカリフォルニア州全土を対象に行なわれ、複数のヴィンヤードの協力を得て2年のヴィンテージを渡り葡萄のサンプル273個が集められた。集めた葡萄は分析を行なうためにすぐさま研究室で冷凍保存された。研究はDNA解析で利用するツールで行なわれ、葡萄に付着した真菌や細菌をマスト(果汁、果皮、種を含む)の状態で分析を行なった結果、栽培地域により果皮に付着した真菌と細菌の種類と量の違いが明らかに出ていることがわかった。品種別で見ても真菌が多く付着するものもあれば、細菌が多く付着した品種が存在することがわかった。 このほかにカリフォルニア全土(北から南へ)の気候や立地の違いを考慮し、真菌と細菌の付着量にパターンが明らかになった。今後は真菌と細菌を分析し、どの地域にどの品種が、どのような味わいの特徴を出せるのかなど、科学的な要素を取り入れて更に最適な栽培環境を築き上げることができることを期待している。 今回のUC大学デイヴィス校の研究はワイン会社の大手コンステレーション社や最新のワイン醸造技術を開発するMircoTrek社など協力のもとで行なわれており、American Wine Society Educational Foundation Endowment Fund(米国ワイン文化の教育ファンド)、American Society of Brewing Chemists Foundation(米国の醸造者協会)、そしてワイン・スペクテーター誌からの協賛で実現している。 (ニュース・ソース:UC Davisより)

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ワシントン州の注目AVAの土地のオークション結果

 (イメージ:Great Northwest Wine/Eric Degermanより) 今年9月にワシントン州の最小のAVAで各方面から高い評価を獲得しているカベルネ・ソーヴィニヨンを送り出している、Red Mountain AVA内の約520エーカーの空きの土地がオークションで売りに出されるニュースをこのブログで紹介したが、11月23日にオークションが開催され、カナダのバンクーバーを拠点に活動する企業が830万ドル(8億3千万円)でオークション対象の土地をすべて落札した。 バンクーバーのAquilini Investment Group社は投資会社で、企業の代表のフランチェスコ・アクリーニ氏は北米プロ・アイスホッケー・リーグNHLチームの<バンクーバー・カヌックス>とチームの本拠地でコンサート・アリーナとしても利用される<ロジャーズ・アリーナ>のオーナーである。 オークションにはナパの<ダックホーン/Duckhorn>の代表やワシントン州でワイナリーまたはヴィンヤードを経営している面々、そしてオークション対象の土地の近隣で活動するKiona Vineyard & Winery、Betz Family Winery、Upchruch Vineyard、Hedgesなどが参加した。 (イメージ:Great Northwest Wine/Andy Perdueより) ダックホーンの代表のアレックス・ライアン氏は潤沢な資金で今回のオークションの落札候補として見られていたが、Aquilini社の入札を上回ることができなかった。一時はAquilini社を上回る提示を行なうため、他のオークション参加者(ワイナリーや農家)と組んで金額を提示したが、最終的には5時間を超えるオークションは830万ドルですべての土地がAquilini社の落札で成立した。 オークションに参加した入札者や見学者の多くは近隣のヴィンヤードかダックホーンなど実績があるワイナリーが今回の土地を購入すると思っていたが、ヴィンヤードまたはワイナリー経営の実績がないAquiliniが土地を獲得したことで驚いている人は少なくない。 ダックホーンのライアン氏は、Aquilini社はいい買物をしたとコメントを残しながら、落札を成立できなかったことで残念を隠せなかった。すでにワシントン州から2012年ヴィンテージのカベルネ・ソーヴィニヨンを40ドル程度でリリースする予定で、将来的にはRed Mountain産のカベをリリースするのも計画の一部であったと公表した。 一方、Aquilini Investment Group社側はこのワイン産地を訪問したのは今回が始めてであったことを明らかにした。落札直後は「土地は投資目的で購入した」と担当者のスキ・バス氏は説明たが、このコメントがオークション参加者やワイン産業関係者から反感を買ったようで、すぐさまAquilini社の今回の責任者であるルイージ・アクリーニ氏は前の担当者のコメントを訂正し、「自ら葡萄栽培を行なう予定で、現在どの品種を栽培すかを相談中で直ちに栽培を開始する予定」とメールで説明した。 Aquilini社は近くのYakima Valleyで酪農業を営んでおり、また、ワシントン州では盛んのブルーベリーとクランベリー農家も営んでおり、農業に関して全くの未経験者でもないことを強調した。 オークション参加者の中にはAquilini社の担当者と名刺交換を行い、今回落札した一部の土地を分けてもらおうと、すでに次の一手を考えている者もいたが、実際に自ら葡萄栽培を行なうことでAquilini社への抵抗感が和らいだような気がする。 (ニュース・ソース:Great Northwest Wineその1、その2より)

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ワイン・ニュースのまとめ

今週は<ボジョレー・ヌーヴォー>のリリースでワイン関連のニュースは賑わったが、この他にもいくるが興味深いニュースを紹介します。 *** (イメージ:Wally’s Wine & Spirits/Facebookより) まずは高級ワインの取り引き場所が増えた、ロサンゼルスを拠点にしていた老舗ワイン・ショップ<Wally’s Wine & Spirits>が今年の6月に新たなオーナーに売却され、ワインショップの既存の在庫とその他集められたワインを対象にオークション・ハウス<Wally’s Auction House>が旗揚げした。第1回目のオークションはニューヨークのアメリカン・アートのウィットニー美術館で開催され約600以上ロットで268万ドル(2億6千万円)を売り上げた。 オークションのハイライトの一つは<ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ2010>33本が132,000ドルで落札された。また<ドメーヌ・フ-リエ のグリオット・シャンベルタン ヴィエイユ・ヴィーニュ 2009>21本は38,400ドル。<ドン・ペリニヨン・エノテーク1969>12本が36,000ドル。 今回の<Wally’s Auction House>の最も注目される点は、ファッション・ブランド<Guess Jeans>で成功を収めた<ポール & モリース・マルシアーノ>氏がWally’sを購入し、著名人の間でワイン・コンサルタントとして活躍する<クリスチャン・ナバーロ>氏に経営を任せ、90年代からニューヨークを拠点に活動するオークション・ハウスの<Zachys Wine Auction>からワイン・オークションを専門とする<マイケル・ジェンセン>氏と<ジュリア・ギルバート>氏を引き抜きスタートをきった。いわば<ドリーム・チーム>が集結し始めたオークション・ハウス。皮肉にもワイン・ショップだった頃のWally’sは何度か過去にZachysと組んでオークションを実施していた実績がある。また、これまでオークション・ハウスの多くがニューヨークを拠点に活動していたが、ロサンゼルスを拠点にするオークション・ハウスであることも注目を浴びている。 (イメージ:Wally’s Wine & Spirits/Facebookより) (ニュース・ソース:Wine-Seacher.comより) *** (イメージ:Appellation St. Helena/Facebookより) ナパ・バレー内のセント・へレナAVAが最新の<ヴィンヤード(畑)マップ>を制作した。マップを制作したのがセント・ヘレナのAVAの支援団体グループ<Apellation St. Helen(ASH)/アペラシオン・セント・へレナ>が行なった。 セント・ヘレナには11,663エーカーの総面積に、6,681エーカー分の葡萄の木が植えられており、ナパ・バレー内では最大の面積を誇る。大小含めて全部で170の個別の畑が存在する。 中にカリフォルニアのワイン産業を代表する歴史的なCharles KrugやMondaviなどもあれば、知名度は一般的ではないがカリフォルニアのワイン産業を象徴するWender、Bourn、Heitz、Colgin、David Fulton、Titus、Wight、Beckstoffer、Hundred … Continue reading

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ヌーヴォー解禁

昨日、解禁された2013年度のボジョレー・ヌーヴォー。年間でボジョレー地方で造られるワインの約1/3が<ヌーヴォー>としてリリースされ、その総生産量約1/4が日本向けにボトリングされる。 ボジョレー・ヌーヴォーと言うと<ジョルジュ・デュブッフ>の存在は<ヌーヴォーの帝王>と呼ばれても全く反対意見がでないほど重要人物であることは間違えない。一方で知名度が高ければ高いほど<ヌーヴォー>に対して<ボジョレー>全体にマイナス・イメージを呼び起こすことよって<悪く役>のレッテルを貼る人も国内外に少なくない。 今年のニューヨークでのヌーヴォー解禁にはフランク・デュブッフ氏が参加した。 (イメージ:Diane Bondareff / Invision for Les Vins Georges Duboeuf / AP Imagesより) 特に<ナチュラル・ワイン>のファンにとってはボジョレーで活動してた<ギャング・オブ・フォー>と呼ばれる故マルセル・ラピエール氏、ギィ・ブルトン氏、ジャン・ポール・テヴネ氏、 ジャン・フォアイヤール氏に対して同じボジョレーを拠点としていることでマイナス・イメージを呼び起こしており、本来注目されるべき功績が同じ<ボジョレー>のくくりで見られてしまう。 (イメージ:The Underground Wineletterより) 現在のボジョレー地方は完全に2つの部類に分かれる。デュブッフなどのように積極的にボジョレー産のガメ種を生産し<vins primeurs>としてヌーヴォー造りに取り組んでおり、一方で<ギャング・オブ・フォー>の功績を継承し、ヌーヴォーには見向きもせず<自然派>ワインを造る生産者がモルゴンを拠点に多く活動している。 幸運にも日本には<ヌーヴォー系>と<ナチュラル系>の両方が多く入ってきている。ボジョレーをお求めいただいている場所がワインに詳しいショップであれば、違いをわかっているので、できれば1本づつお求めいただき楽しんでいただければ、日本ならでの粋なワインの楽しみ方でよろしいのではないかと思うですが・・・早くボジョレー・ヌーヴォー温泉の映像から卒業したいのですが・・・

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ローヌ地方の葡萄収穫に関する最新情報

ローヌ地方を代表する生産者の一つである<E.Guigal/ギガル社>のワインメーカーであるフィリップ・ギガル氏は今年のローヌ地方の葡萄の品質に関して一般的にあまり好ましくないレポートが出ているが、これに対して異なった見解をギガル氏はThe Drink Business誌に共有した。 創業者のエティエンヌ・ギガル氏から数えて3代目がフィリップ氏。 (イメージ:Nick on Wineより) 主に2013年のローヌ地方の葡萄の品質は<北ローヌ>と<南ローヌ>で違いが出たことを理解する必要と前置きから説明を開始している。ギガル社の場合、ローヌ地方だけでも複数のローヌ産地(AOC)からワイン造りを行なっている。最北端の<コート・ロティAOC>、次はヴィオニエ種で有名な<コンドリューAOC>、<サン・ジョゼフAOC>はシラー種だけでなく、マルサンヌ種とルーサンヌ種が有名、<クローズ・エルミタージュAOC>はシャプティエ社とジャブレ社の拠点でもある、<エルミタージュAOC>は面積は小さいが北ローヌを代表する有名産地。 南は最大面積をほこる<コート・デュ・ローヌAOC>、フル・ボディで濃厚な赤ワインが人気の<ジゴンダスAOC>、ロゼで有名な<タヴェルAOC>、南ローヌでもっとも需要が高い<シャトーヌフ・デュ・パプAOC>からの複数の産地で葡萄栽培、そしてワイン造りを行なっている。 (イメージ:Wine Follyより) フィリップ氏によると<北ローヌ>の収穫シーズンは春先から夏にかけて気温が上がらず、8月の段階でアルコール度数が8%しか出せない葡萄ができてしまっており、心配を兼ねてできるだけ熟成の妨げになる不必要な房は間引きし対応していたが、9月に入って急激に温度が上がり、間引きと温度が上がったことで、逆に非常に質の高い葡萄栽培ができたと強調している。<コンドリューAOC>や<サン・ジョゼフAOC>で栽培された白ワイン用の葡萄は14%~14.5%のアルコール度数に到達する数値でまで糖度が上がり、赤ワイン用の葡萄は13%の度数が得られる数値まで達した。 例年と異なった部分では、通常は<コート・ロティAOC>の葡萄が<エルミタージュAOC>より先に熟成するが、今年はその逆のパターンであった。またすべての北の葡萄収穫を終えたのが10月15日で、その翌日から雨が降り、雨の影響を受けなかったことが幸運だったと説明している。 一方、<南ローヌ>では同じようなギリギリでの一矢を報いる様な逆転劇にはなかった。特に全般的にグルナッシュ種は大きなダメージを受けた。クリュール(花振るい)が起きてしまい栽培量が落ち込み、また、収穫には雨を避けることができずに多少影響が出てしまっている。一方でムールヴェードル種とシラー種へのダメージはそれほど出ていないと加えた。 ギガル社以外にもシャプティエ社も南ローヌの葡萄に関して例年とはグルナッシュ種が最も影響を受けたとコメントをしている。特にシャトーヌフ・デュ・パプ産のグルナッシュは<ピノ・スタイル>に近い味わいになると説明している。 *** いずれにしてもローヌ地方の2013年ヴィンテージは<北ローヌ>に人気・需要が片寄るような気がする。シャトーヌフ・デュ・パプを含めて<南ローヌ>は少し様子を見て、逆に有名どころの生産者のワインは価格面から考えると<買い>なのかもしれない・・・ いくつかのローヌ地方に関するブログを見ていると『Coulure/クリュール(花振るい)』の文字が頻繁に栽培が難しかった理由に挙げている。Wikiによるとクリュールは春に起きる現象らしく、通常と異なった天候や温度などが理由で、葡萄の花が咲かず、受粉ができない。その結果、実が通常よりも成長がバラつきが出て、収穫量に影響を与える問題らしい。特にグルナッシュ種、マルベック種、メルロー種がクリュール被害を受けやすい品種として知られている。他の果実に比べても、葡萄の木に起きやすい現象でもある。 ギガルのコート・ロティの畑は急斜面で栽培が行なわれている。 (イメージ:DomaineGuigal/Facebookより) (ニュース・ソース:The Drink Businessより)

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アメリカ産 最新の<缶ワイン>

(イメージ:Feast Portlandより) 9月にオレゴン州ポートランドで開催されるフード・イベント<FEAST>で出展するために開発された<缶ワイン>が注目を集めている。 (イメージ:Union Wine Companyより) 最近は<缶ワイン>は特に若者向けに気軽さや便利さでいくつかの酒類メーカーが商品化を行なっているが、主に<缶コーヒー>はレッドブルなどの<エナジードリンク>の容量が190 ml~250 mlの缶が支流だったが、今回、オレゴン産のピノ・ノワールとピノ・グリを<缶ビール>の350mlの容量でリリースした。 Union Wine Companyは3人の仲間で2005年に開業したワイナリーで、現在は3つのブランド<UNDERWOOD、Kings Ridge、Alchemist>で活動している。そのうちUNDERWOODでリリースしているピノ・ノワールとピノ・グリを<缶>でパッケージングを行なった。 (イメージ:Union Wine Companyより) 冒頭にも紹介したが、そもそもは近年ポートランドで人気の<FEAST>イベントで出展する目的で作ったが、通常の瓶のボトルと比べて、約4割のコスト削減が可能となったことと、ポートランドはフード・カート(ケータリング・カー)のメッカで気軽な感覚で食事を楽しむことが重要な要素になってくる。350 mlサイズの<缶ビール>やコーラなどの<缶ジュース・炭酸飲料>は気軽のイメージが強く、ワインにも同じようなイメージを与えるためにもあえて大き目の容量の缶を選んだ。通常よりも容量を増やすことで、一見、ビジネス面では非効率的にも考えられるが、消費者の心理を上手にアピールし、イメージで注目や需要を高める戦略を取り入れている。 シトロエンのバンをフード・カート(ここでは移動テースティング・ルーム)に改造。 (イメージ:Union Wine Companyより) 缶の裏側には簡単にこの<缶ワイン>のコンセプトを説明しており、中には太文字で<#PINKIESDOWN>をハッシュタグを印刷している。<Pinkies Down>の直訳は「小指を立てない」で<気取って飲まない>意味合いで使われるフレーズ。自然派でピクニック・ベンチにパーカとフランネル・シャツ、ジーズにブーツ姿がポートランドのイメージ。小指を立てて飲むのは、完全にNGとは、気をつけないと・・・ (イメージ:Union Wine Companyより) オーストラリア、フランス、イタリア産の<缶ワイン>は確実に増えているが、<缶ワイン>を代表するまたは象徴するブランド(特にスティル・ワイン)がまだ確立されていない観点からUNDERWOODがアメリカ代表する<缶ワイン>なることもそうおかしい話でもない・・・ ちなみに肝心のワインはワイン・エンスージアスト誌から<ピノ・ノワールの2011ヴィンテージ>は87点を獲得するなどすでに好評を集めている。<缶ワイン>バージョンは来年1月から全米発売(1缶5ドル)される。 ご覧ください、究極はメイソンジャー(空き瓶)からいただくのが通みたいだ・・・ (イメージ:Union Wine Companyより) (ニュース・ソース:The Drink Businessより)

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バランスがとれた低アルコールのカリフォルニア・ワイン

(イメージ:Napa Valley Grapegrowersより) ナパで開催される注目イベントに成りつつある<Napa Valley Grapegrowers/ナパ・バレー・グレープグロワーズ(葡萄栽培家)>主催の<WINE + GRAPE EXPO>が11月14日に今年も実施された。このイベントはナパ・バレーで葡萄農家およびワイン生産者たちが栽培から醸造まで技術や傾向を共有する教育重視のイベントで特にナパ発の最新のワインに関するトレンドや今後の傾向を予測するのに役立つイベントとして注目されている。 今年は一般参加も可能な<バランスのとれた低アルコール度数のワイン>に関するセミナーが注目が集中した。このセミナーのパネリストには<Ridge Vineyards/リッジ・ヴィンヤード>のポール・ドレーパー氏、<Screaming Eagle/スクリーミング・イーグル>のニック・ギスラソン氏、<Arnot-Roberts/アーノット・ロバーツ>のダンカン・アーノット・マイヤー氏、SFクロニクル紙ワイン・ライターのジョン・ボネ氏、パネリストおよび司会進行は<Matthiasson/マサイアソン>のスティーブ・マサイアソン氏と豪華な面々がそろった。 左に今回のセミナーの司会進行とパネリストを勤めたS・マサイアソン氏。 (イメージ:Napa Valley Grapegrowers/Facebookより) 主にここ20年ナパや北カリフォルニアで続けられていた<パワフル>で<フルーツの熟成度>を最大に活かしたワインがカリフォルニア・スタイルとして支流として造られていた。パネリストたちによるとこの要因は大きくナパ産地を担当していた<2人のワイン批評家>の影響が大きかったと振り返った。 46年前にリッジでワイン造りを始めたドレーパー氏は当初は30年代に造られたInglenookやLa Questaのスタイルや40年代のボルドー産のワインなどがワイン造りの教科書の手本となっており、これらのワインは今ではカリフォルニアでは珍しいくらいの12.5%以下のアルコール度数のワイン造りを目指していた。 ドレーパー氏が造ったリッジの<1971 Monte Bello Cabernet>は1976年のパリ・テースティングで5位に入賞し、2006年に開催された<パリ・テースティング30周年記念>の再現テースティング会では1位を獲得し、当時の彼が活用していたワイン造りの手法は決して劣っていなかったことを証明した。 1976年のパリ・テースティングで5位に入賞したリッジ・ワイン。 (イメージ:Wikipediaより) 一方、若手醸造家たちのアーノット・マイヤー氏やギスラソン氏は修行時代にすでに15.5%のアルコール度数が支流になっており、そのスタイルが当たり前と考えていた。アーノット・マイヤー氏の場合、独立してから様々な葡萄産地の研究、天候の影響で葡萄の熟成値が上がらない場合の対処方法、そして、あるニューヨークのワイン・バイヤーの強い要望で顧客からもっとバランスの取れた、低アルコールのカリフォルニア・ワインはないのかのリクエストに応えることが、スタイル変更の大きな要素になったと説明している。 アーノット・ロバーツのシラーはカリフォルニアでは非常に珍しく11.9%のアルコール度数。 (イメージ:solosyrahより) また、ギスラソン氏の場合はスクリーミング・イーグルのスタイルを継承する必要があり。実際に過去のヴィンテージを調べていたところ1990年代初期には13%のアルコールのワインも存在しており、よりまろやかに仕上がっていたスタイルのワインであった。現在は熟成や収穫の判断は数値よりも、葡萄の味わいを優先して収穫時期を決めていると公表した。 2011年に20代の若さでスクリーミング・イーグルのワインメーカーに抜擢されたN・ギスラソン氏。 (イメージ:Wine Enthusiastより) アルコールを抑える最大の要因は葡萄畑での取り組みが大きく影響し、自身のワイナリー以外にも葡萄畑管理を専門とするマサイアソン氏は台木選びから始まると説明した。葡萄の熟成スピードを抑え、房の数も抑えることができる<St. George/セント・ジョージ>などの使用を薦める。また、葡萄の木の植え並び方法にも工夫すれば、早く熟成せずに必要な糖度を得られるバランスの取れた葡萄が栽培することが可能と説明。より多くのカバー・クロップの使用と耕作を減らすことで自然環境にもプラスをもたらす手法があると加えた。 最後はワイン・ライターのボネ氏がワイン業界で起きている変化のスピードは変わってきたと忠告を促した。これからのワイン需要を左右するのが<ミレニアル世代>で、これらのワイン愛好家は親が楽しんでいたワイン(特にパーカー・スタイル)は極力避けるようになり、自分たちのスタイルのワインを求める傾向があると説明。これまでの愛好家よりも知識が豊富だが、当然、高額のワインを入手することができないため、バランスや様々な料理とのペアリングなどに重点したワインへの需要がこれまでにないスピードで変化していると説明。 パネリストたち全員は需要の変化に対する対応方法の鍵が過去の<伝統的なワイン造り>にヒントがあると意見が一致する。カリフォルニアにも多くの伝統的な葡萄・ワイン造りの手法が存在することから、最新の技術だげでなく、過去の取り組みも再度研究し直して業界全体に役立つ手法や習慣を共有することが必要と考えている。 (ニュース・ソース:Wine Business.comより)

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ワイン・ニュースのまとめ

(イメージ:Wine Spectatorより) ワイン・スペクテーター誌の2013年の<トップ100>の第1位にスペイン・リオハ産の<Cune Rioja Imperial Gran Reserva 2004>が選ばれた。スペイン産のワインがWS誌の年間1位を獲得したのは初めてのこと。 このワイナリーは1879年に兄弟の<Eusebio Real de Ausa/イウセビオ・レアルーデ・アスア氏>と<Raimundo Real de Ausa/ライムンド・レアルーデ・アスア氏>が創めたワイナリー。今でも兄弟の祖先であるビクター・ウリータ氏(創業者から5代目)がワイナリーを営んでいる。 正式のワイナリー名称は<Compañía Vinícola del Norte de España/コンパーニャ・ビニコーラ・デル・ノルテ・デ・エスパーニャ>の頭文字はCVNEであるが、いつの間にか<CUNE/クネ>と呼ばれるようになる。実際にワインもCVNEとラベル表示されているものもあれば、CUNEも存在する、どう使い分けるのかがイマイチわからない・・・ 1位を獲得したワインの葡萄はテンプラニーニョ種が85%、グラシアーノ種(Gracianoはスペインのリオハ産地が特有でテンプラニーニョとブレンドで使われる)10%、そしてカリニャン種(Carignan/スペインではMazueloとも呼ばれる)5%をブレンドしたワイン。ワインは<グラン・レゼルバ>なので最低5年間の熟成期間が必要。うち、最低18ヶ月のオーク樽、36ヶ月の瓶での熟成が基準となる。この2004ヴィンテージは4000ケース生産された。 この老舗ワイナリー(ボデガ)はスペインのワイナリーとして最初にワインを海外輸出を行い、主にイギリス向けの輸出が多かったため、ワイン名に<Imperial/インペリアル>を選んだと説がある。残念ながら、日本には輸出していないようだが、ヨーロッパや北米にいかれる場合、今はまだお買得価格なので、ワインショップで探してみてください! (イメージ:CVNE Blogより) (ニュース・ソース:Wine Spectatorより) *** (イメージ:Calistoga Ranchより) ナパ、ソノマ、サンタバーバラなど複数の産地でワイナリーを購入しているビル・フォーリー氏がナパ・バレーのカリストガ市のリゾート・ホテル<Calistoga Ranch>の経営グループに加わったニュースがワイン・スペクテーター誌が発表した。 フォーリー氏は全米最大規模を誇る保険会社フィデリティー・ナショナルの会長で1990年代にサンタバーバラのLincourtワイナリーを購入をきっかけに、現在はFirestone(サンタバーバラ)、Merus(ナパ)、Sebastiani(ソノマ)、Chalk Hill(ナパ)、そして複数のニュージーランドのワイン・ブランドのオーナー/パートナーとになっている。 今回、経営に参加するリゾート・ホテルは自然に囲まれた57室のブティック・コテージ・スタイルのホテル。自然やスパ施設で癒されるほかに2つのレストランがあり、ここで自身が所有するナパ(3ヶ所)、ソノマ(4ヶ所)、レイク(1ヶ所)のワインをテースティングできるようなサービスも提供する予定。実はホテル経営は初めてではなく、サンタバーバラにもリゾート・ホテル<Bacara>を経営しており、ここでも自身が所有するワイナリーと近所のワイナリーのワインをテースティングできるサービスを提供している。 (イメージ:Calistoga Ranchより) (ニュース・ソース:Wine Spectatorより) *** (イメージ:SF Chronicle … Continue reading

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