Monthly Archives: July 2013

羊を活用したオーガニック農法

ナパのワイン用葡萄農家の支援団体Napa Valley Grapegrowers(ナパ・バレー・グレープグロワーズ)が第7回のオーガニック農法会議が7月25日に開催され、最近の習慣やトレントに関する情報交換会が行われた。今年はセント・ヘレナのSpottewoode Estate Vineyard & Wineryで開催され、このワイナリーおよび葡萄畑は1985年から一早くオーガニック農法を取り入れた畑の一つ。特にナパの住宅地に畑を構えていたため近所と従業員の健康を考慮しオーガニック農法を選ぶのは当然のことと説明。今では様々手法でオーガニック農業を成立させることは可能。最近は環境や健康を意識した手法に限らず、ビジネス面から考えても効率的な方法が色々と紹介されている。 (イメージ:Wines And Vinesより) Holistic Viticulture社は畑で<羊を活用した農法>を紹介した。ケリー・ムルヴィル氏は羊が多く生息するオーストラリアで行われているオーガニック農業からの教訓を活し、カリフォルニアでの葡萄農法にも活用できるとプレゼンを行った。 カリフォルニアでは冬の期間に雑草駆除で羊が活用されることはあるが、訓練を行えば春から秋の収穫時の期間でも大いに活躍でき、また大きな経費節約にも役立つと説明に加えた。 まずは葡萄の木で葡萄の房が付く高さに送電線を張り巡らす必要がある。これで羊が葡萄房を避けることを教えることができる。雑草駆除を行うと同時に、羊が放牧するエリアは自然に土壌が耕される効果がある。また、葡萄の葉や付き過ぎた葡萄の房を地面に落としておけば、羊はこれも食べ、雑草と含めて糞が畑の肥料となる。 (イメージ:Wines And Vinesより) 2009年からソノマのアレクサンダー・バレーで実験的に羊が畑内に放牧しており、今回のプレゼンのデータを集めた。畑には30頭の羊が放されており、葡萄の房を守る送電線はソラー・エネルギーで充電している。肥料代と人件費など1メーカー相当で約400ドルを節約することができ、1エーカー分の畑の収益を年1000ドル程度が実現可能と説明した。 また近所の畑(似た土壌、似た台木、同じ葡萄品種)と比較して羊を春から夏まで放牧した畑のほうが土壌の状態が良く、水撒きの量も減らすことに成功し、またトラクターを動かす必要性ががなかったので燃料とCO2排出を削減することにも成功した。 現在は羊放牧に関しては葡萄の木の仕立て方法の実験・研究が行われており、更に効率や送電線の安全性を考慮した葡萄の木の仕立て方法を模索している。 (イメージ:Ruralpiniより) (ニュース・ソース:Wines And Vinesより)

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コルクを抜かないワイン・オープナー

革命的なワイン・アクセサリーが開発され、アメリカのワイン・メディアはかなりの興奮状態で取り上げている。簡単に説明するとこのワイン・アクセサリーは天然コルク栓を利用するワイン・ボトルで<栓を抜かず>にワインが試飲できるワイン・オープナーである。動画で見ると<細長い空洞の針>がボトルの上を覆いかぶすアルミのカプセルに針が天然コルクを通過し、空洞の針からアルゴン(希ガス)が送られ、その反動でワインの液体が空洞の針を通ってグラスにワインが注がれる。グラスに注いだ後は、針をコルクから抜き、あまりにも小さい穴であることと、天然コルクには自然と穴をふさぐ性質があることから、そのまま、またワインをセラーに戻して引き続き保管ができる。一斉、空気に触れることなく、鮮度を落とさずに密封されたままでワインを少しづつ楽しめることが画期的な発明であると大騒ぎ・・・ 確かに高いお金を払ったワインを何年もセラーに保管したまま、飲み頃を待つのも大変。一方、商業面から考えると、レストランでは高級ワインのグラス売り、またはワイン業者は試飲会や展示会ではワインを余らすことを完全になくすことができる。 開発者のグレッグ・ラムレック氏は13年の研究機関を経て、この技術の商品化に成功した。元々は医療関係のハードウェアの研究開発を行なっており、これまでも空洞な針を駆使し、ワインを抽出する研究は行なわれてきたが、今回はガスを利用して、液体を小さい穴から押し出す技術が画期的。今月から販売が開始された商品名<Coravin 1000>の本体価格は300ドル。詰め替え用アルゴン・カプセルが必要だが、1本のカプセルは15杯程度(750mlボトルを2~3本)が抽出できる。 すでにワインの鮮度に関する実験は何度も繰り返されており、最初はあまりこの技術に関心がなかったワイン批評家のロバート・パーカー氏も今では推薦者の一人である。レストランやワイナリーのテースティング・ルームなどでも実験的に試されており、様々な改良が行なわれる中、どこも今後もこのアクセサリーは使用し続けるレストラン、ワインショップ、テー氏ティング・ルームは少なくない。 ご関心の方はこちらから入手可能です。 (ニュース・ソース:Wine Business Blogより)

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ワイン・ニュースのまとめ

ポマール村での雹による葡萄への被害。 (イメージ:AFPより) 先週お伝えしたブルゴーニュの大雨・強風・雹の被害の様子が明らかになった。以前にも伝えたようにコート・ド・ボーヌ地区に被害が集中し、ポマール村とヴォルネ村の他にサヴィニー・レ・ボーヌ村とペルナン・ヴェルジュレス村などもが先週の火曜の天候被害地域に含まれ、地元自治体は今後の対策をフランス政府からの支援を含めて協議を開始したとニュースが伝わってきた。 コート・ド・ボーヌ地区と北に位置するコート・ド・ニュイ地区(ヴォーヌ・ロマネ村やジュヴレ・シャンベルタン村を含む)はコート・ドール県に含まれており国民議会のコード・ドール県から選出されているベテラン議員のフランソワ・パトリアット氏はフランス政府のエロー首相に今回の大雨・強風・雹がワイン・葡萄産業へどれほどの被害を被ったか報告した。 現在の被害は2013年の葡萄収穫に対して3万ヘクトリッター(300万リッター/750mlボトルで約400万本)分のワインが失われたと推測している。パトリアット議員は地元の銀行と保険会社とも協議を計画しており、融資や保証に支払いなどの調整を依頼している。最後に科学省に雹に対する対策を依頼していることも話題になっており。一部、報道では何らかの方法で雲に処理をすれば雹を雨に変えるなど、悪天候の災害を減らすことができると、正直、信じがたい内容のニュースも伝わってきている。 (ニュース・ソース:wine-searcher.comより) *** フランスでの大雨・強風・雹の被害はブルゴーニュに止まらず、金曜の深夜から土曜の朝方にかけてシャンパーニュ、ボルドー、そして、ランドック地方でも悪天候で被害に見舞われた。 シャンパーニュのヴェルズネ村に位置する老舗シャンパン・メゾンのG.H. Munnの葡萄畑の丘の上にそびえ立つ風車が被害にあうなど、Louis Roedererでも雹により葡萄畑への被害の情報が伝わっている。 ヴェルズネ村のG.H.Munnの風車 。 (イメージ:flickr/IanFletcherより) ボルドー地方のメドック地区のポーイヤック村では村のシンボルである大時計が被害にあったと報告があったが、畑の被害は免れたよう。一方、サン・テミリオン地区のリブルヌ村から葡萄畑の被害が伝わっており、ドルドーニュ川右岸地区のフロンサックAOCとラランド・ド・ポムロール AOCでも被害報告が入っている。 (ニュース・ソース:wine-searcher.comより)

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カリストガの<Eisele Vineyard>に新しいオーナー

ボルドーのシャトー・ラトゥールなど各国に複数のワイナリーを所有するフランスのArtemis Group(アルテミス)社がナパのカリストガAVAに位置するAraujo Estate Wines(アラウホまたはアローホ)を傘下に加えたニュースが発表された。 (イメージ:Benchmark Wineより) Araujoは1990年代初期にアラウホ夫妻が始めたワイナリーで上質なカベルネ・ソーヴィニヨンで知名度を上げ、今日もオーガニックおよびビオディナミ公認の手法で栽培で造られる上質なカベに加え有名ワインメーカーやコンサルタントを採用し、各方面から高い評価を獲得している。 Araujoにはもう一つの呼び名が存在する。ナパやソノマのワイナリーでは決して珍しい現象ではなく、時には<ワイナリー名>よりも<ワイン名>のようが知名度が高く、特にAraujoの場合は、開業するきっかけとなったワイナリーの前身であった葡萄畑<Eisele Vineyard>(アイズルまたはアイズリーと呼ばれる)の名前が幅広く知られているためワイナリーを<Eisele>と呼ばれることは少なくない。 Eisele Vineyardの様子。 (イメージ:AraujoEstateWineより) Eisele Vineyardは1969年からアイズル夫妻がカベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデル種などの栽培で知られるようになり、1970年代にはRidge VineyardsやJoseph PhelpsなどはEiseleで栽培された上質な葡萄で造るワインのおかげで一躍有名ヴィンヤードとなる。ナパの北部に位置するこの38エーカーの畑は<alluvial fan>「扇状地(せんじょうち)。土砂などが山側を頂点として扇状に堆積した地形のこと。」に存在し、他の畑より岩や小石が多く、ミネラル質も高いことでも知られている。 RidgeやJosephPhelpsなどこれまでEiseleの葡萄を使用したワイン。 (イメージ:AraujoEstateWineより) 現在、Araujo体制でのEisele Vineyardからはカベルネ・ソーヴィニヨン種と一緒にボルドー・ブレンドに活用するカベルネ・フラン種、プティ・ヴェルド種。シラー種とヴィオニエ種のコート・ロティ・ブレンド。そして2種類のソーヴィニヨン・ブラン種をブレンドしたワイン、計7葡萄品種から3種類のワインを造っている。Eiseleだけでも年間3000ケースの生産量は今後、新しいオーナーが継続すると予測されるが一つの畑を入手する目的でワイナリーごと買収する稀なケース。 例えばワシントン州( Chateau Ste. Michelle)とイタリア(Antinori)のジョイントベンチャーの傘下に入るStag’s Leap Wine Cellarなどは<1976年のパリ・テースティング>とのコネクションを含めてカリフォルニア・ワインの中でもネームバリューが非常に高いワイナリー。一方、ニューヨークのConstellation社が所有するRobert Mondaviもネームバリューは非常に価値があるが、それより全世界に向けて持つる販売・ディストリビューション網がネームバリュー以上に価値がある。 Araujoの場合はEisele Vineyardが最も知名度があり、ある意味では年間3000ケースが限界の畑なのに、それでも高額を払ってまでもArtemis Groupの傘下に入れる価値のある畑。 アラウホ夫妻を含め、コンサルタントのミッシェル・ローラン氏などとのこの体制は継続されるのか? (イメージ:Araujo Estate Wineより) 来年の1月までは現体制で運営を続けて、引継ぎがなどが行なわれるとプレスリリースに公表されているが、その後はワイナリー名の変更を始め、従業員を含む運営体制の変更、Eisele Vineyardの活用法の変更などがおきても驚かないでください。 このオーガニック及びビオディナミ体制は是非とも継続してほしい・・・ (イメージ:Araujo Estate … Continue reading

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ブルゴーニュで突然の雨・強風・雹の被害

(イメージ:FTV3/Nicolas Rossignolより) 昨日、フランスのブルゴーニュ地方では大雨に見舞われ、被害の詳細はまだはっきりとわかっていないが、地元からの報告の集計から村によって5割~9割の葡萄に何らかな影響が出ると予測されている。 (イメージ:WineFollyより) 現地時間23日の午後4時頃に強風、雨、そして雹が2時間程度続いた現地からの報告からわかっている。特に被害が多かったのがボーヌ地区のポマール村とヴォルネ村で、被害報告が最も多かった。ポマール村に関しては何らかの被害を免れた畑は1つもなく、7割から9割程度の畑に被害が出ていると予測している。一方、ヴォルネ村では雹の被害が最もひどく、5割から7割程度の畑で被害に見舞われた。 ヴォルネ村に降った雹。 (イメージ:FTV3/Nicolas Rossignolより) 今月、フランスの農業省はブルゴーニュとボジョレーの生産量は前年と比べて34%(約231万ヘクトリッター)上昇すると予測を出したばかりで、2009年から続いている天候などの影響で栽培量の平均値を下回っている数値から脱出できると発表したやさきの悪天候となってしまった。 ヴォーヌ・ロマネ村やジュヴレ・シャンベルタン村などが位置する北のコート・ド・ニュイ地区は23日の雨・強風・雹の被害は免れた。 24日も午後から雨の予報が出ており、日中は29℃の暑さに、午後には急激な温度変化ここ10日から14日間は覚悟しないといけたいと考えている。 翌朝、明らかになったボーヌ地区の葡萄畑の様子と葡萄の被害。 (イメージ:FTVより) (ニュース・ソース:BloombergとFranceTV3より)

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ナパの白ワインの巨人、<コングスガード>の功績

身長190cmと外見だけでなく、カリフォルニアのワイン業界への影響力も大きいジョン・コングスガード氏。 (イメージ:SF Chronicle/John Storeyより) カリフォルニアの白ワインで知っておきたい名前がある。<Kongsgaard/コングスガード>はジョン・コングスガード氏が奥さんのマギーさん(現在は息子さんのアレックス氏も加わっている)と1996年にナパのアトラス・ピークAVAにはじめたファミリー・ワイナリー。Kongsgaardでリリースされる<The Judge>はナパ産のシャルドネではカルト・ステータスを獲得しており、年間340ケース生産されるこのワインは、1本175ドルで取り引きされる。 (イメージ:EatingTheDreamより) そもそもコングスガード氏はナパ育ちで、1980年代にニュートン・ヴィンヤードのワインメーカーを務めていた頃、上質なシャルドネの仕上げに<アン・フィールター>(無ろ過)処理の手法を確立し、ブルゴーニュで学んだシャルドネの長期熟成手法を初めてナパで取り入れたことで一躍注目ワインメーカーになった。ニュートンの次にルナ・ヴィンヤードではピノ・グリジオ(ピノ・グリ)の本場北イタリアに行き、ハイ・クオリティーのピノ・グリジオ造りに挑戦するなど、常にカリフォルニア産の葡萄で造る上質な白ワインにはコングスガード氏の名前は取り上げられる。 ワイン愛好家の間では<カルト・ワインの生産者>、そして同業者の間では多くの特殊知識を駆使した<優秀なワインメーカー>としての評価がだけでも誰もがうらやむのだが、コングスガード氏と直接交流を持つ人は<有能な師匠>として考えれいる人も少なくない。 今回、SFクロニクル紙ではコングスガード氏の<師匠・弟子>関係図の特集が紹介され、今のワイン業界で第一線活躍する人物で埋め尽くされることにコングスガード氏に偉大さがハイライトされている。 ◆ニュートン時代の<師匠・弟子>関係 Aaron Pott : 現Pott Wineのオーナー兼ワインメーカー。2012 Food&Wine Magazineのワインメーカー・オブ・ザ・イヤー。 Andy Erickson/Annie Favia : カリフォルニアのワイン業界のパワー・カップル。エリクソン氏はScreaming Eagle、Dalla Valle、そして最近ではMayacamusのワインメーカー。ファヴィア氏は葡萄栽培を専門としいる、最近は旦那さんと同様にMayacamusの管理責任者を務めている。 Nick Peay : 2009 SFクロニクル・ワイナリー・オブ・ザ・イヤー Peay Vineyardsのオーナー兼ワインメーカー。 Blair Walter: ニュージーランドのトップ・クラスのピノ・ノワールで有名のFelton Roadのワインメーカー。 Lupe and Hugo Maldonado: カリストガの人気のMaldonado Vineyardは父と息子のオーナー兼ワインメーカーのチーム。 … Continue reading

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マスター・ソムリエ試験

先週、テキサス州ダラスのフォーシーズン・ホテルでアメリカ支部のマスター・ソムリエ資格の試験が開催され、受験者70人中わずか1人だけが合格したことから、試験内容に関する様々な意見が飛び交っている。 最近、ドキュメンタリー映画の『SOMM』がメディアで取り上げられるようになり<マスター・ソムリエ試験>に対する注目が高まる中での試験開催となった。過去にマスター・ソムリエ試験に挑戦し、今回受験した参加者は今年の試験はこれまで以上に難しかったとの意見が多くでていた。これまではワインに関する様々な知識に対する暗記力が大きく試されたのだが、今回からは暗記力とそれを口頭で説明できる能力も特に重視されたと不合格者はコメントしている。 マスター・ソムリエ試験は3つ部門に分かれていて、ワイン知識、サービス、ブラインド・テースティングに分かれる。各分野をクリアするには75%の正解率・合格ラインをクリアすることが必要。マスター・ソムリエ試験の場合、1つの分野に合格し、残りの2つの分野に合格するのに2年の猶予が与えられる。ただし、2年過ぎると、また最初から受験する必要がある。平均で6~9年かけて合格者が出る。最短でも4年は掛かっている。ちなみにアメリカ支部では年に2回試験は実施される。 (イメージ:Master Sommelier US Twitterより) マスター・ソムリエ試験のアメリカ支部の担当者は試験内容が難しくなったことは認めたが、決して合格者を減らすためではなく、ワインのスタンダードが変わってきたことが変更の大きな理由と説明している。受験する人の年齢層も若くなってきて、特にここ最近マスター・ソムリエの資格を取得した人たちは、ワイン産業に働くだけでなく、ワイン・スクールの開催、ワイン産地の訪問ツアー、そして試験の問題制作に加わることがあり、幅広く活躍する場面が増えてきた。これまでの暗記力以外にもワインを正確に伝える能力も、今後、新しくマスター・ソムリエになられる人にとっては必要な能力になることから試験に加えたことを認めた。 アメリカ支部マスター・ソムリエ試験の合格率は2001年から2013年の間の平均が10%程度。2005年には26%の受験者が合格したのに、2010年には3%に止まった。今年の合格率がこれまで最低に止まったが、40年間で202人のマスター・ソムリエのうち半分以上がアメリカ支部から選出されている。 ちなみ今回の試験で合格したのはラスベガスのアリア・リゾート&カジノ内にある<Sage>でソムリエとして働いているベテランのニック・ヘッツル氏。 (イメージ:Sommelier Internationalより) (ニュース・ソース:Decanterより)

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リボッラ・ジャッラ(その2)

<Ribolla Gialla/リボッラ・ジャッラ>種を初めて知って、ブログで取り上げたのも約1年前で、今だカリフォルニアでは希少で珍しい品種に関する勉強会イベントが今年もナパで開催された。 リボッラ・ジャッラの野外勉強会。 (イメージ:Serious Eats/Stevie Stacionisより) 実は、まだカリフォルニア産のリボッラ・ジャッラは未体験。国内には北イタリアでスロベニア国境付近のフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州産のものがいくつかのインポーターさんにより輸入されており、その内、2つの造り手のものしか試したことがない。いずれも<ナチュラル・ワイン系>の造り手さんでレモンと酸味の印象があるが、一度試してからかなりのブランクがあるので、正直、リボッラ・ジャッラに魅了されるカリフォルニアの造り手からもう少しインフォメーションが欲しいなと思っていたやさきにSerious Eatsで興味深いレポートが掲載されたので、紹介します。 まずはカリフォルニアのリボッラ・ジャッラを語る上で忘れてはいけないのが今年の4月に亡くなったGeorge Vare氏。ソノマのガイザー・ピークやナパのルナ・ヴィンヤードでのワイナリー経営を経て、イタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリアで出会った醸造家のヨスコ・グラヴナー氏からいただいたリボッラ・ジャッラの葡萄の木の苗がそもそもな始まりであるので、現在、カリフォルニアのリボッラ・ジャッラを取り扱っているワイナリー/ワインメーカーはどこかでVare氏とのつながりを持っている。それはVare氏以外にリボッラ・ジャッラを栽培している人は存在しなかったからだ。 以前にもこのブログでリボッラ・ジャッラを取り上げた際に、この品種は原産国の北イタリアでもここ十数年前からどちらかと<リバイバル品種>として注目を浴びるようになった。ということは何百年前は大量に栽培されていた葡萄が一時栽培量が落ち込み、時を経て少しづつ復活してきたと理解しています。復活の要因の一つがVare氏が出会った醸造家のヨスコ・グラヴナー氏など地域の伝統的な醸造方法やナチュラル・ワイン・メーキングでこの品種を醸造し、他とは違う独特の味わいのワインを作り上げたことが注目を浴びるきっかけを造ったと理解している。イタリアでも少しつづ復活を遂げているくらいなので、カリフォルニアの場合には完全な未知なる世界で、毎年試行錯誤をしながら葡萄栽培から醸造に取り掛かっている。原産国での代表的なリボッラ・ジャッラの特徴や好評を得ているワインの醸造方法を積極的に研究している傾向がカリフォルニアでも取り入れられており、これらを独自の成功例を融合して独自のカリフォルニア(またはVare)リボッラ・ジャッラが造られている。 今回の勉強会形式のイベントではGrassi Wine Company、Massican、Forlorn Hope、Arnot-Roberts、Ryme Cellars、そしてMatthiassonが造ったワインが振る舞われた。 まずは、Grassi Wine Companyはアプリコット、イエロー・ピーチ、バナナの皮、白い花の香り、いきなり襲われるような感じで酸味が広がる味わい。タンニンも感じることができ、ギリシャの白ワインのAssyrtiko/アシルティコ種に似た感覚があったとか。 (イメージ:Grassi Wine Companyより) 次にMassican。オーナー兼ワインメーカーのダン・ペトロスキー氏はリボッラ・ジャッラをシャルドネとトカイ・フリウラーノをブレンドしたワイン名:<Annia 2012>。記事のライターは面白い言葉でこのワインを味わいを表現、<baked yellow fruits and a warm, soft spiceness(黄色のフルーツをベイクした感じに温かい、微かなスパイス)>、冷静に考えると全く意味不明だが、言いたいことは凄く伝わってくるものがある、レモンやバナナや黄色がかったフルーツをオーブンで温めた甘酸っぱいような臭いにほのかな料理スパイスが混じった感じ、個人的には全然ありです。こちらもフィニッシュには衝撃的な酸味が残ると説明。 次はForlorn Hopeの2011ヴィンテージ。このワインは醗酵段階で果皮に付けたまま約2週間のスキン・コンタクト浸け込みが行なわれた。果皮にはタンニンが含まれており、結果的に通常より多くのタンニンが感じられる仕上がりになっていのと長期熟成に向いている。また果皮からは洋梨、桃、アーモンドの香りを抽出することができ、これまでのワインはどちらかと<濃厚さっぱり系>だがこのワインは厚みのあるワインに仕上がっている。 (イメージ:ForlonHopeTwitterより) Arnot-Robertsでは2種類のリボッラ・ジャッラを造った。1つは4時間程度のスキン・コンタクトを駆使し、柔らかい黄色メロン味に刺激的な酸味でフィニッシュするワイン。もう一つは2週間のスキン・コンタクトをイタリアの醸造家のヨスコ・グラヴナー氏が利用する土でできたアンフォラの中で行なう。粘土の香りと黄色のリンゴのスライスとパースニップ(白いニンジンのような根菜)に丸みのある味わいに仕上がっている。 Ryme Cellarsでも2種類のワインを造った。こちらもスキン・コンタクトでの実験を行い、1つ目は1ヶ月の期間もう一つは6ヶ月のコンタクト期間で実験。両方ともタンニンを感じることができ、もう少し丸みにある酸味であった。違いとしては、一つはリンゴやアプリコットやアップル・サイダーの特徴があったのにもう一つはメタリックでミネラル質を感じることができ、レーズンやレモンとアプリコットの果皮の味わいを感じることができた。 (イメージ:Domaine LAより) 最後は今回のイベントの主催ワイナリーのMatthiasson。Vareの畑の葡萄以外にも、Vare氏から譲り受けた枝をMatthiassonの庭にある木に接ぎ木し、自分たちでも少量だが造っている。Matthiassonでは50/50でゴールドとグリーンの特徴を現すことを心がけている。どういうことかと思いきや、ゴールドには黄色いリンゴ、黄色いメロン、ハチミツの特徴。グリーンには青リンゴ、ミント、アニスなどのスパイスなどが含まれ、当然、強い酸味はグリーンに入り、これらのゴールドとグリーンの要素が50/50出すことを目指しているとか。 … Continue reading

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ヌードのワイン・ラベルが問題に・・・

(イメージ:Winelandiaより) ソノマの人気ワイナリー<Wind Gap/ウィンド・ギャップ>に勤めながら、長年ナパのヨントヴィルの人気レストラン<Redd>でソムリエを勤めていたスコット・シュルツ氏が2010年にはじめた小規模ワイナリー<Jolie-Laide Wines/ジョリー・レイド>で、このブログでも以前紹介した、カリフォルニア産のトルソー・グリ種でワイン造りを行なっていてSFクロニクル紙も注目しているワイナリーの一つ。今回、Jolie-Laideがニュースに取り上げられたのは、ワインの中身より、ワイン・ラベルのデザインに関して注目を集めることとなった。 アメリカではワインのラベルはすべて米アルコールやタバコ税貿易管理局(省略:TTB)の許可が必要となり、ラベルのデザインに画かれている内容や文書の内容までもが検査対象となる。今年5月の開催された<The 7 Percent Solution>のワインイベントでは2012ヴィンテージのピノ・グリとトルソー・グリをお披露目したが、これらのヴィンテージには新たなラベル・デザインを採用し、ラベルに画かれた裸の女性のイラストがTTBの再検査の対象として引っかかってしまった。 実際のところ小規模ワイナリーはTTBのラベル検査の免除申請を行なえば、ワインが生産された州での販売は許可されるのだが、他州で販売する場合、免除対象から外れてしまう。 Jolie-Laideの2012ピノ・グリとトルソー・グリのラベルにはサンフランシスコで活動する人気女性タトゥー・アーチスト/イラストレーターのKapten Hanna/カプテン・ハナ氏にデザインを依頼し、前年の横文字のデザインからイラストにスイッチした。 2011ヴィンテージのラベル・デザイン。 (イメージ:Jolie-Laide Wine Facebookより) 以前、国内でも人気の<Cycle Gladiators/サイクル・グラディエーター>のラベルに画かれている裸の女性がアラバマ州で販売禁止になり、話題になったが、今回のTTBの判断は2度の検査を経て、デザインの使用許可が無事に通り、7月からカリフォルニア以外での販売が許可されるようになった。 (イメージ:Confession of a Winoより) イラストを見ても決して裸のディテールを画いているわけでもなく、スケッチ感覚で女性のフォルムを画いている印象を受ける。シュルツ氏は裸の女性は中身のワインが無駄な化粧をせずに、ナチュラルのままで葡萄の味わいを表現する意味合いで活用したと説明している。 Jolie-Laideでは3種類のワイン(ピノ・グリ、トルソー・グリ、シラー)をリリースしており、それぞれ300ケース程度しか造っていない。ナパを訪れる際はACMEやBack Room Wineなどの地元ワイン・ショップで販売しているので、今人気のトルソー・グリを試すのであれば、Jolie-Laideのワインを探してみてください(1本25ドル程度)。ちなみにシュルツ氏が勤めているWind Gapでもスキン・コンタクト方式で造るトルソー・グリを扱っているので、こちらも要チェックです。 元Pax Wineのパックス・マール氏がはじめたWind Gapのトルソー・グリ。 (イメージ:Just Grapeより) (ニュース・ソース:Dr.Vinoより)

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ワイン関連の事件

今週のワイン・ニュースは週の初めにこのブログでも伝えたオーストラリアの大手ワイン企業<Teasurey Wine Estate>がアメリカ市場向けのワインを大量に処分するニュースで一色だが、今回はもう少し<事件性>のあるワイン関連のニュースでメディアで取り上げられているものを紹介させていただきます。 *** (イメージ:VineTalkより) まずは、数週間前にナパから報道されたニュースで、ワインのインターネットショップのWine Tasting Networkの重役を務めていたクリス・エドワード容疑者が会社の資金90万ドル(約9000万円)を横領した容疑で逮捕状が出されたが、6月にサンフランシスコ連邦裁判所への出廷に現れなかったことからFBIの<逃亡者リスト>に入った。 (イメージ:WeaselZippersより) このニュースの興味深いところは大きく2つある。まずはエドワード容疑者はナパではかなり知名度のある存在で、ワイン販売会社の役員を務める以外にも、2003年と2005年の2度もナパ郡の議会選挙に立候補するなど、地元では多くの交流を持っていた。同性愛者であることも公表していて、ゲイ・レズビアン・コミュニティーでも活動し、また地元病院のHIV/AIDS患者の支援活動にも、彼のワインビジネスのつながりを利用してワイン・チャリティ・イベントや募金集め活動にワインを寄付するなどに積極的に参加してきた存在。ワイン関係者と様々の支援団体の関係者を含め、今回の逮捕・逃亡のニュースで驚いている人は少なくない。 一方で2005年~2012年の間、勤めていたてWine Tasting Networkでの横領犯罪のほかに、2001年~2005年の間勤めていた会社でも小切手が紛失する事件や離婚した前の奥さんと共同で使っていた銀行口座から不正な小切手を発行するなどこれまでも不正を働いていたことがわかり、決してクリーンなイメージの存在ではなかったことがここにきて明らかになっている。 エドワード氏の知り合いはメキシコに逃亡しているのではないかと推測しており、この先どのように身柄が拘束されるのかがナパの地元紙では注目されている。 (ニュース・ソース:NapaValleyRegisterより) *** イタリアからはキャンティ、バローロ、モンテプルチアーノなど有名産地をワイン・キットのラベルに表示してたイギリスのメーカーが国際警察のインターポールが商品の販売停止の取り締まったニュースが報道された。 (イメージ:Wines And Wineより) 今回、取締りにあったワイン・キットはインターネットのショッピング・サイトのAmazonやeBayなどで販売されており、瓶詰めされていないワインでもイタリアではProtected Denomination of Origin/DOP(原産保護商品)の対象となったことから、差押さえ対象となった。今回のインタポールの活躍に対してイタリアの農業省大臣も多いに称えている。 これらのワイン・キットは粉上のワインの成分を化学薬品やオーク・チップなどと合わせ造るワイン。そもそもイタリアの人気テレビ番組で<偽ワイン>特集で取り上げられ、イタリア当局が調査が開始した。番組ではカナダのトロントで大量にワイン・キットが製造・販売している様子が潜入取材で<偽ワイン>事情が紹介されていた。今回、取締りとなった業者とは違うメーカーとも見受けられるが、テレビの影響力を凄さを体感できた。 イタリアの人気番組<Striscia la Notizia>で放映さてら様子。 (イメージ:StudItaliaNewsより) (ニュース・ソース:The Localより)

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