Monthly Archives: October 2012

水中でワイン熟成

(イメージ:MyNextLifeより) これまでもワインの水中醸造に関するニュースを耳にすることがあったが、その実験結果や水中熟成から得た教訓などはあまり耳にすることがなかったが、今回はボルドーのシャトー・ラリヴェ・オー・ブリオンでは56リッターの樽を牡蠣の養殖場に鎖で固定し、2009年のメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドを6ヶ月水中で熟成を行った。 同時に通常通りにワイナリーのセラーでも同じブレンドの熟成を行い、2つの異なった環境で熟成を行われたワインの試飲がシャトーのワイン・コンサルタントであるミッシェル・ローラン氏のラボで行われた。通常の環境で熟成されたワインに色は通常通り若いワインの色が出ており、しっかりとタンニンも出来上がっていた。一方、水中樽のほうは海水から加わったと見られる微量の塩分が渋みを取り消し、味わいの深みを強調され、アルコールの度数も低く、すでにタンニンに丸みが出ている結果になっていることがわかった。ローラン氏によると「水中熟成されたワインのほうが断然、上で、セラーで熟成されたワインより複雑な味わい、強調された風味があって、同じワインとは言えない。水中のほうが飲みやすく、タンニンが柔らかく、通常の通に熟成されたワインより熟しているように感じられた。」この結果を踏まえ、ローラン氏は今後も水中熟成のコンサルタント依頼に意欲をみせている。 なぜこのような違いが生まれたのかが、実際に気になるところである。まず、熟成に必要な条件を考えてみよう。基本的に5つの要素が関わっていると考える、酸素、温度、明かり(正確には暗さ)、気圧、動き・揺らしである。基本的に水中でこれらの条件は満たされる。今回の実験では約6メーターの深さで鎖で固定された。潮の引きで毎日1時間程度天日にさらされた。また1日2回の潮の満ち引きで約8億cm3の海水が動き、適度の揺らしを樽に与える。 フランスの牡蠣養殖場での作業風景 (イメージ:Wikipediaより) これまでもフランスやイタリアで水中熟成の実験が行われており、水中での酸素不足に関する課題は取り上げられている。白ワインでは深い位置(約18メーター)での長期(6ヶ月)の熟成ではワインの香りを引き出すのに適していないことは明らかになっており、一方、赤ワインは深い位置で酸素が薄い位置でも十分な熟成が可能ともわかっている。 水中熟成が今後もどれだけ普及するのかはわからないが、スペインのカヴァの大手メーカーのフレシネもカヴァの水中熟成の実験に乗り出しており、今後も多くのデータが出てくることが予測される。これまでは大西洋と地中海での実験が行われており、今だ太平洋での事例はない。カリフォルニア、オレゴン、ワシントン、カナダ、そして日本も太平洋を面しているワイン産地なので、そのうちこれらの地域のエキセントリックなワインメーカーが試すのもそう遠くないのかも・・・ シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオンの令嬢、Emilie Gervosonさん (イメージ: Serge the Conciergeより) (ニュースソース:WineSpectatorより)

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マスター・ソムリエに関するドキュメンタリー映画

(イメージ:SOMMより) マスター・ソムリエ資格取得の試験に挑む4名のソムリエの試験体験を追うドキュメンタリー映画が11月の<ナパ・バレー映画フェスティバル>で初上映される。ドキュメンタリー映画のタイトルは『SOMM』で4名のソムリエを2年間、6カ国を渡って追跡する内容。 マスター・ソムリエ試験の合格率は非常に低く、ソムリエ資格取得者のみが推薦で受験できるため、これまでどのような内容で、どのように準備を行なっているのかが謎のまま。1969年以来世界で197名のみが試験に成功しており、ワインに関する知識以外に料理、スピリッツ、シガー、レストラン運営に関して知識も必要とされる。撮影はサンフランシスコ、ナパ、ソノマ、ブルゴーニュ、ボジョレー、シャンパーニュ、トスカーナ、ピエモンテ、ラインガウなどと主要なワイン産地を網羅している。 今回のドキュメンタリー映画の主人公たち (イメージ:SOMMFacebookより) 映画制作にはドキュメンタリー・リアリティ番組や歴史映画などを監督したJason Wise氏。予告編のクリップを見てわかると思いますが、謎を解明すドキュメンタリーより、どこかリアリティ番組に近い感覚がある。アメリカではカニ漁師、質屋、トラック運転手、割引クーポン集めの達人、子供のビューティー・コンテストなどといろんなジャンルのリアリティ番組が人気なので、うまくPRできればソムリエのリアリティも注目を浴びるはず。 これまでニューヨーク・タイムズ紙、ハフィントン・ポスト、Yahoo.com、ハリウッド・レポーター、SFクロニクル氏などで取り上げられ、やっと上映機会にこぎつける。日本での上映が実現するかは未定だが、是非とも今回の上映で成功を収めていただき、関心を高めて行ってもらいたい。 (ニュースソース:PressDemocratより)

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ワイン・ニュースのまとめ

先週のワインニュースの簡単なまとめです。 *** 少し前にFood&Wine誌で2012年のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーの一人に選ばれたヘレン・ケプリンガー氏をここで紹介したが、この度、ケプリンガー氏が1年半勤めてたナパのBryant Family Vineyardのワインメーカーの職を突然去ることになった。今後は自身が運営するKeplinger Wineに専念すると報じられている。 (イメージ:Napamanより) 特に論議が起こるようなニュースではないが、過去にBryantではナパのTurley Wineで有名ワインメーカーのヘレン・ターリー氏をBryantのワインメーカーとして招いたが、報酬の未払い問題で裁判ざたになるほどの問題を抱えてしまった例がある。今回のケプリンガー氏の退陣もあまりにも急なことから、表面化されていない問題があったのではないかと推測する人も・・・特に収穫開始の直前に起きた出来事だったので、よほどのことがない限り考えられない状況だ。Bryantはアシスタント・ワインメーカーのトッド・アレクサンダー氏が本年度のワイン造りをケプリンガー氏の代わりに勤めると発表。2012年のナパのカベルネは数年に一度の上質な出来栄えなだけに、非常に残念な気が・・・ (ニュースソース:WineSpectatorより) *** 先々週、セント・ヘレナのカリネリー・インスチチュート・オブ・アメリカで第8回ワイン・アドヴォケート誌のセミナーと試飲会が開催され、そのイベントのレビューがワインブログに掲載された。 (イメージ:MIT SloanSchoolOfManagementより) 今回のイベントは昨年ワイン批評家のロバート・パーカー氏に代わってカリフォルニア地区を担当することとなったアントニオ・ガローニ氏が初めてイベントのメイン進行役として関わったこと。今だ多くのカリフォルニアのワインメーカーはガローニ氏の趣向や傾向を知らないため、セミナーでの彼のトークが注目された。ブログNor Cal Wineの作者であるフレッド・スワン氏の解説によると下記のガローニ氏の傾向を共有してくれた: 赤ワインはフルボディのものを好む。 フルーツの味わいと風味がしっかりでていて、フローラルの香りが前面に出ているワインを好む。 暖かい気候の熟した葡萄または涼しい気候のハーバルでペッパー・スパイスの葡萄。 果汁の純正度を好む。 醸造のプロセスを知りたがるが、それで判断や偏見をくださない。 高価格や低生産量にはあまりこだわらない。 これまでパーカー氏は好むワイン・スタイルを色々な場所で明確にしてきて、評価を得るために<パーカー好み>のワインを造ったワイナリーは少なくない。しかし、ガローニ氏は上記のような傾向を引き出すことは出来るが、特定なワイン・スタイルに関してはオープン・マインドでこれまでは臨んでいる。欠点探しするより、ワインの良いところを取り上げることに心がけていると説明している。また、ヨーロッパの消費者とアメリカ人の消費者はワインに対して異なったニーズがあるので、その両方を説明するようにしている。そして、カリフォルニアに関してはナパ・バレーにも所々にカベルネ以外に注目すべき品種があるので、代表格の品種と共にテロワールを上手に表現しているワインを取り上げていくこと意識している。 最後に若い頃は音楽家を目指しており、ミラノのオペラ学校のラ・スカラやボストンのバークレー音楽大学で勉強した実績。影響を受けた音楽ジャンルやミュージシャンはフランク・ザッパ、パット・メセニー、クラシック・オペラなどと幅広い。あるスタイルにこだわるのではなく、幅広く有能な技量と表現力を評価する彼の心情の根拠がわかった気が・・・ パット・ファンであることを知って、アントニオとは仲良くなれそうな気が・・・ (イメージ:AdvancingGuitarより) (ニュースソース:NorCalWineより) *** 最後に、10月は<ピンク・リボン>の月でアメリカ全土で乳がんキャンペーンに関連して色々な場所でピンクをあしらった募金キャンペーンを行なっている。プロ・スポーツでは選手がピンクのヘッドやリスト・バンド、スパイク・シューズ、ユニフォームなどを着用。食品業界では10月限定のピンク・パッケージの商品がお店に陳列される。ワイン業界も長年、ピンク・リボンのキャンペーンに関わっており、特にナパのSutter Home Wineryは2001年から関わっている。 (イメージ:TheSutterHomeforHopeより) Sutter Homeが有名なのは70年代にホワイト・ジンファンデルを全国に広めたこと。ホワイトと言っても、ジンファンデルは赤葡萄のためワインの色はピンク色に仕上がる。今では様々なロゼ・ワインのほうが普及しているが、当時はピンク色のワインと言えば、Sutter Homeのホワイト・ジンファンデル。 この時期はボトル1本の売上に対して1ドルを乳がんキャンペーンに寄付している。スーパーで1本4~9ドル程度の価格設定になっていることを考慮すれば、かなりの割合。毎年、80万ドル程度の金額を寄付しているが、今年は初めて100万ドルに到達できる予測。 50年以上ジンファンデルが看板品種だったSutter Homeでは今ではモスカートが一番人気の品種。ピンク・モスカート、バブリー(スパークリング)モスカート、バブリー・ピンク・モスカートなどが人気だとか・・・ アメフトも毎年、本格的にピンク・キャンペーンに関わっている … Continue reading

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フランス人のワイン離れ事情

(イメージ:FoodRepublicより) ファイナンシャル・タイムズ紙に興味深い記事が掲載された。記事の内容はフランス人のワイン離れに関して。記者のサイモン・クパー氏(Simon Kuper)はパリ在住(他国から移住)の記者で最近のパリジャンのワイン消費の傾向を過去の傾向と比較しながら解説している。 いくつか過去のワイン習慣に関する事例を紹介させていただきます:- 中世時代は飲み水よりワインのほうが衛生的に安全だった。 1939年にはフランス人の平均消費量は1日に1/2ボトルを消費してた。 第二次世界大戦の時代はフランス国民の80人に一軒の飲み屋に対し、ドイツでは270人、イギリスでは430人、スエーデンは3000人に一軒。 1960年代には肉体労働者は一日に数リッターを消費、子供は水で薄められたワインを飲んでいた。 1950年から1965年、フランスの成人男性はイギリス人よりアルコール関連の理由で亡くなる確立は70倍であった。 (イメージ:Real-Fansより) 現在のワインの習慣をいくつか:- 職場が畑からオフィスに変わってきたことから昼食の時間が縮まり、午後も仕事を続ける必要性が高まる。 これまでの風習から異なり政府からアルコールの健康に与える影響が忠告が増えた。 これまた国民の習慣であった飲酒運転の取締りが強化された。 ワインが日常品から嗜好品になった。(イタリアでも同様なことが起きた) 世界規模でフランスのワイン消費は4位に落ち込んだ。 1939年と比較して現在のフランス人のワイン消費はその時代から1/4に落ち込んだ。 2010年の統計によると12%のフランス成人が毎日アルコールを消費する。 (イメージ:TheTipsySommelierWineより) おそらく英語が母国語である記事の作者のクパー氏が強調していたのは、決してフランスが落ち目であることではなく、逆にフランスのグローバル化を率先して受け入れている結果と分析している。フランス人は頑固で柔軟性に欠けている国民性の偏見(特に英語圏の国から)があるが、ワインを通じてフランス人の習慣や文化が変化していて、それを受け入れていることを象徴している。ワイン業界においても消費量が変わっていても、栽培、醸造、販売などの分野では常に業界をリードしており、常に他国の目標であることは確かだ。 (ニュースソース:FinancialTimesより)

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フラッシュ・デタント

(イメージ:FlashWineTechnologiesより) カリフォルニアのワイン業界で新たなワイン醸造技術を提供する会社が注目を浴びている。ソノマ郡のケンウッドのフラッシュ・ワイン・テクノロジー社はイタリア、フランス、南アフリカ、オーストラリアで20年以上活用されている<フラッシュ・デタント>技術のサービスを提供している。<フラッシュ・デタント>は安定的に葡萄から色と味わいを抽出する技術で高熱と急速冷却を利用して行なう。 醗酵前の葡萄の果汁(ムスト)から皮を分けて、果汁のみを170℉(76℃)に熱し、その後再度、皮と合わせる。これを行なうことでワインの味わいに影響を及ぼす殺菌ができる。次にムストは真空管に移され80℉(26℃)に急速冷却が行なわれる。この工程までを<フラッシュ・デタント>と呼び、後は通常のワイン醸造工程でスキン・コンタクトや醗酵段階に入る。 (イメージ:FlashWineTechnologiesより) この技術をイタリアの<フラッシュ・デタント>機材メーカーからカリフォルニアに取り入れたのがルディーとエイミー・ズイディマ夫妻。ルディー氏はUCデイヴィスの葡萄栽培学を学び、その後はナパやオーストラリアで醸造経験を蓄える。ワイン造りに関してはオーガニックやビオディナミの葡萄栽培や伝統的な醸造技法を信念とする人物が最新の醸造技術を提供する会社を立ち上げたことに驚く人も・・・ただ、彼は特に注意を払ったのが現在、このサービスを受けられるのが一回で最低40トンの葡萄を<フラッシュ・デタント>が必要の顧客のみが対象となること。ルディー氏は最低10トンの葡萄でも行なえる機材を特注。これにより、少量生産やブティック・ワイナリーなども<フラッシュ・デタント>を利用できるようになる。また、会社のキャッチ・フレーズに<Cutting edge winemaking to preserve tradition>とうたっているように<最新の技術で伝統を守る>ことを意識してサービスを提供する。 (イメージ:FlashWineTechnologiesより) ヨーロッパでは日当たりが乏しい、土壌が不十分、または不作の葡萄を対象に果汁の品質を向上するために活用される技術だが、カリフォルニアでは上質な葡萄に更に安定感を提供する利用法でビジネスの拡大を期待している。すでにNapa Wine Company、Hall Winery、Kunde Family Estate、St. Francis Winery、Ferrari-Carano、Amici Cellarsなどがフラッシュ・ワイン・テクノロジー社のサービスを活用している。 <フラッシュ・デタント>の<フラッシュ>は決して葡萄を破壊しているわけれはない。高温に果汁を熱する際に、果汁が瞬間的に爆発する(実際は果汁に含まれる水分が破裂する)ことから破壊などの言葉に敬遠する人もいるが、ワインの品質低下に影響を及ぼす要素が水分の中かに多く存在することを理解・教育する必要がある。また<フラッシュ・デタント>の<デタント>(仏:Détente)とは、戦争の危機にある二国間の対立関係が緊張緩和する意味。ワインでありながら意味深いネーミングであるのは確かだ・・・ (ニュースソース:NapaValleyRegisterより)

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ワイン名で問題発生

ナパのカルト・ワイン<Hundred Acre>のオーナーがリリースした新しいワイン・ブランドのワイン名が物議を起こしている。ジェイソン・ウッドブリッジ氏が新たに始めた<If You See Kay>ブランドはイタリア産のカベルネ・ソーヴィニヨンなどを使用しており、19.99ドルとお手ごろの価格設定となっている。ワイン・ラベルにはタウー・ギャルがオープン・トップを運転してる様子が画かれている。右手は逆様<ロッケンロール・サイン>で、人差し指が絵の下に配置されたワイン名を指す。このワインの問題は表ラベルに描かれている絵ではなく、ワイン名の<If You See Kay>の中に存在する。単語を一つずつ、ゆっくりと何度か発声していただければ、特に英語圏では問題になることが納得できると思う・・・では、ご一緒に<F-U-C->・・・ (イメージ:VintagePointより) 東海岸のニューハンプシャー州では販売禁止にするべきと州の酒類管理委員会で取り上げられた。今のところは商品を取り扱っているワインショップでは店舗での陳列は控えように協力を求めている。 今回の騒動でワインがニュースで取り上げられるほど注目を浴びるので、ワインメーカーもそれほど困っているようには気がしない。これまでも販売禁止になったワインは存在する。有名どころでは日本でもよく見る<Cycle Gladiators>シリーズが裸の女性を画いているワインラベルが南部のアラバマ州で販売禁止となっている。 (イメージ:CycleGladiatorsより) ジェイソン・ウッドブリッジ氏は<Hundred Acre>と<If You See Kay>のほかに<Layer Cake>と<Cherry Pie>のブランドを展開している。ちなみに<Hundred Acre>はロバート・パーカー氏も高い評価をしているワインで一本250ドルで取引されている。 (イメージ:VintagePointより) (ニュースソース:HuffingtonPostより)

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<遺伝子工学>のラベル表記

アメリカでは国民大統領選挙が間近で、正直、選挙関連のニュース以外はあまり取り上げられないのですが、アメリカでは大統領を選ぶと同時に州や地元選挙区の法案などの大統領選びと平行に行なうのが普通。アメリカ人が投票所に行くのをためらう一つの理由は、投票項目が多すぎて単純に時間が掛かること・・・場所によっては20や30項目があってもおかしくない。ニュースの映像で人が建物の前で並んでいるのは、選挙が待ちどうしくて我慢できない人たちではなく、早く前の人が投票を終えるのを半分あきれながら待っている人が大半です・・・半日つぶれるのが常識。 今回のカリフォルニア州での大統領選挙では「法案37」が議題にあがっており、ワイン業界でも注目されている。この法案は<遺伝子工学>(Genetically Engineered/GE)で生産された食品が正しく『GEやGMO(遺伝子組換え生物)を含む』などとラベル表記するのを義務付ける法案。賛成派は正確は情報を公示することの重要性を強調しており、反対派はラベル表示は食品の安全性との関連性はなく、カリフォルニア以外は義務がないのでラベル表示のコスト面の考慮、ラベル表記により民事訴訟の数が大幅に増える懸念なども訴えている。 アメリカでは<遺伝子工学>で生産される食品は数多くあり、とうもろこし、大豆、綿はほとんどは<遺伝子工学>が利用されている。現在のところワインには<遺伝子工学>や<遺伝子組換え生物>の利用は登録されていない。アルコールを造るための醗酵菌の開発や葡萄の樹の生虫病などの対策に関して研究は盛んに進められているが、今のところ主に天然生物技術を活用しているが、カリフォルニアの葡萄栽培協会(CAWG)はこの法案に対して賛成か反対かは明言しないが、今後<遺伝子工学>技術の研究や技術の進歩が生虫病、干ばつなど非常な天候などの対策に活用するされることには反対しないとコメントを残している。 一方、カリフォルニアのオーガニック農家(CCOF)として認定されているワイナリーはラベル表記に賛成派に回る。またオーガニック認定されていないワイナリーのいくつかも賛成に入り、ヨーロッパでは「GMO使用」や「GE-Free」などのラベル表記がされている例を取り上げている。 カリフォルニアの州農家組合は大まか反対派に回る。ソノマとサン・ルイ・オビスポの農家組合はすでに反対を表明しているが、ナパの農家組合は賛成・反対のスタンスを明確にしていないが、農家組合はナパ・バレー・ヴィントナー(NVV)とナパ・バレー葡萄栽培団体(NVG)と共同で「ワイン業界での<遺伝子工学>の利用のリスクと安全性を判断するのに調査と研究が必要で、安全性が満たされないのあれば<遺伝子工学>には反対。」とニュートラルのコメント残している。 当初、9月の段階では70%が賛成票に入ると調査結果が出ていたが、10月の段階では賛成が48%に下がっている。 *** 日本ではインターネットでの政治や選挙活動は禁止されているが、アメリカでは大いに活用されている。大統領候補が互いを批判するテレビCMなども盛んに行なわれており、正直、選挙活動に活用されるお金ももっと建設的に活用に利用できればいくつかの問題が解決できるような気がするのだが・・・ Proposition 37の: 賛成派のサイト 反対派のサイト (ニュースソース:Wine&Vinesより)

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ワイン・ニュースのまとめ

先週のワイン・ニュースはやはりヨーロッパの葡萄不作で来年は世界規模でのワイン生産量が激減することの記事が紙面を独占。 *** ブルームバーグのパリ支部によりとフランス、イタリア、スペインでの生産量が落ち込み来年は13億本(750ml)分のワインが不足すると予測している。フランスの最大規模のワイン協同組合Groupe Val d’Orbieuの代表によると前年と比較すると2.64億ガロン(1000万ヘクトリットル)が不足となる。天候の影響を考慮し過去にはイタリアやスペインの葡萄在庫で補うケースがあったが、2012年分に対して現在、両国の在庫は底を突く見込みで、特にテーブルワイン用の葡萄の穴埋めが困難。 また、EU加盟の27カ国のワイン生産量は1.605億ヘクトリットルから1.444億ヘクトリットルに落ち込むとパリで開かれた会合で発表。 南半球では、チリ、アルゼンチンは平凡で、南アフリカが予測通りの栽培数値に達している。ヨーロッパの不足分は来年の南アフリカかチリの生産量に頼る必要があると説明している。 すでに低額ワインの不足で価格にも影響が出始めており、スペインでは1ヘクトリットルのバルク・ワインが60ユーロの値が付き2年前の価格の倍となる。 (イメージ:Val d’Orbieuより)  (ニュースソース:SFChronicleより) *** 一方、ナパ・バレーでの葡萄収穫は今週もほとんどが順調に進んでいる。大半の地区ではカベルネ・ソーヴィニヨンとその他ボルドー系の品種(マルベック、カベルネ・フランなど)の収穫に取り掛かったか、またはあと数日間、様子見するとコメントが入っている。また、ナパの南に位置するカネロスやワイルド・ホース・バレーはお片付けのコメントが入ってきてる。AVAごとのコメントはお休みしますが、ご関心の方はこちらから英語版をご覧いただけます。今回はいくつか気になったAVAコメントのみを紹介させていただきます。 ハウウェル・マウンテン:ラデラ・ヴィンヤードでは「どこの畑も順調に上質な葡萄の収穫が行なわれていると報告。ただし、平地の畑の葡萄の収穫量が例年より少ないとの報告も入っている。昨年は他の地区より豊作だったことから、この地区のみ逆現象が起きている可能性がある。」 オークヴィル:フローラル・スプリングでは「オークヴィルで収穫待ちのカベルネがあったとしたら、今週中にはどこも収穫可能になる。ワイナリーが受け入れられるかは別の問題として、どこのワイナリーは保管タンク不足の問題を直面している。」 ヨントヴィル:タンバー・ベイ・ヴィンヤードでは「先々週の涼しい空気でBrixが低かったところは、今週の暖かい天候で理想のBrixに達したはず。日当たりのよいカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、プチ・ヴェルドを先に収穫し、残りは数日様子を見る。」 スタッグス・リープ・ディストリクト:パイン・リッジでは「中間点に到達、来週の火曜には終了する予定。」クロ・デュ・ヴァルでは「SDLでは残り2ブロック、ワイナリーではすべてのタンクが葡萄で満タン状態。」チムニー・ロックでは「中間点に達した。今週末はワイナリーではパンプ・オーバー作業に専念、未収穫の畑のワイナリーでの作業が終わってから取り掛かる。」 ワイルド・ホース・バレー:ヘーロン・レイク・ヴィンヤードでは「収穫を締めくくる最後の水撒きを葡萄の樹に行なった。紅葉も始まっていて、畑は黄色や赤・オレンジ色に染まり始めている。第一次醗酵も完了に近づいていて、冬に向けての樽の整理に取り掛かるところ。」 (ニュースソース:St.HelenaStarより) *** (イメージ:SilveradoBrewingCompanyより) 最後は残念なニュース。ナパのセント・へレナのダウンタウンにあるSilverado Brewing Companyが11月で閉店するとのニュース。ナパにいながらにカジュアルなアメリカン・フードとその場で造っているクラフト・ビールをゆったりした気分で楽しむことができた唯一のレストラン。いつもお客さんで賑わっていたような気がしてたのですが・・・このレストランはFreemark Abbeyワイナリーに隣接していて、Freemark Abbeyを所有するJackson Family Wine社は今後はレストランのスペースを他に貸し出すか、多目的で利用者がいないか模索中とのこと。 (ニュースソース:St.HelenaStarより)

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<ワイン・フォリー>若者向けのワイン教育サイト

時にインターネット上でのワインに関する情報量が多すぎて、また文字を読むのが疲れる場合、左脳をあまり使わずに観覧できるサイトも必要。そんな時、右脳を軽く刺激して、特にワインに関する基礎知識をリフレッシュしてくれるオススメなサイトがある。(前もって断るが、残念ながら英語のみのサイトですが、簡単な単語が多いので何方でも理解できると思う)。 元々はワイン・コースを提供するのが本業にしているようだが、<Wine Folly>の優れているところはプレゼンテーションで見るような図表を上手に活用して、比較的すんなり情報が浸透させるところが魅力。自称<ワイン・ギーク>(オタク)とうたっていてこのサイトを管理している集団にはソムリエやグラフィック・デザイナーが所属し、マニアックになりがちの<ワイン知識>を消化しやすいように紹介している。図表のほかに動画やランキング・リストなどを織り交ぜながら、一見、堅苦しいワイン・ワールドをポップで若い人にも受け入れやすい手法を多く取り入れている。 いくつかお気に入りの図表を紹介しよう・・・ その1:ワインの選び方 (イメージ:WineFolly/how-to-choose-wineより)  この図はTPOに合わせて、どういうワインがいいのか勧めてくれるもの。中央がスタート地点で<他人へ>または<個人使用>を判断してから<Yes/No>形式でどんどん進む。落とし込みがなかなか面白い。 その2:ワインの色 ワインの色でどうこう判断できるのはソムリエ・レベルの話だが、実際にこのような図があると、なんとなく専門家の話についていけるような気がする。上の図は若いカベと熟したカベを比較していて、下記の図は葡萄の品種別に色分けをしてくれている。 1. 若いカベ 2. 熟したカベ・メルロー 3. 若いメルロー 4. 若いシラー 5. 若いピノ 6. 熟したピノ (両イメージ:WineFolly/red-wine-colorより) 白ワイン用はこちらから その3:ワイン産地の紹介ビデオ ワシントン州の小さなAVAを紹介する動画。司会がソムリエの子で、収録が終わった後、シモキタのショットバーでバーボンのストレート飲んでいてそうな雰囲気だが、鼻にかかった声がどこかチャーミング・・・ (両イメージ:WineFolly/horse-hill-heavan-waより) 次にヴィンセント・ギャロ作品を連想させる雰囲気のオープニング(テロップの書体は『ブラウン・バニー』に似ているような・・・) グーグル・マップや黒板で地域を分かりやす紹介し、全体的に予算をかけずにクオリティのある動画を作っているところが素晴らしいと思う。 この産地に関する全5本の動画はこちらから *** このほかにも工夫をこらした図がたくさんある。必ず簡単な解説も含めていて、非常にユーザー・フレンドリーなサイトです。また、ワインに若者離れを意識しているところは特に感心する。英語が苦手な方はグーグル・クロームなどの翻訳機能で文書ごとコピペしていただければ、おおよそ理解いただけると思います。 多く説明したいがちのワイン・サイトの中で簡潔で解りやすく提供してくれこのサイトは・・・クール(クール・ジャパンより) (ソース:WineFollyより)

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Food&Wine誌のワインメーカー・オブ・ザ・イヤー発表

Food&Wine誌が恒例の<ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー>を発表した。2012年には5名のワインメーカーが取り上げられた。  ~ ◆ ~ スティーブ・マサイアソン氏(Steve Matthiasson) ナパの<Matthiasson>のオーナー/ワインメーカーはこのブログでも何回か登場している。元々はヴィンヤード管理で名を上げたマサイアソン氏はこれまでAraujo Estate、Spottswoode、Chappellet、Hall、David Arthur、Robert Sinskey Vineyards、Stag’s Leap Wine Cellars、Long Meadow Ranch、Trefethen、Limerick Laneなどとナパ・ソノマでヴィンヤード・コンサルタントとして活躍。現在もコンスルタント業を続けているが、2006年に奥さんのジルさんと<マサイアソン>を創める。特に注目を浴びたのがボルドーと北イタリア原産の白ワイン用の葡萄をブレンドした<MATTHIASSON Napa Valley White Wine>。ソーヴィニヨン・ブラン種、リボッラ・ジャッラ種、セミヨン種、トカイ・フリウラーノ種の珍しいブレンド。畑の知識を活かしながら珍しい品種をナパで扱う注目ワインメーカー。 (イメージ:RJ’s Wine Blogより)  ~ ◆ ~ マギー・ハリソン氏(Maggie Harrison) サンタバーバラのCine Qua Nonでワイン造りを学び、現在はオレゴンのウィラメット・バレーで活躍するワインメーカー。2005年に<Antica Terra>のワインメーカーとして抜擢され、その後はピノ・ノワール一筋。シネ・クア・ノンで身につけた技術を応用し、ロゼを含めて数種類のピノ・ノワールを醸造している。 (イメージ:AnticaTerraより)   ~ ◆ ~ ヘレン・ケプリンガー氏(Helen Keplinger) UCデイヴィスでワイン造りを学び、Paradigmでハイジ・バレットの助手を務めるなど、ナパのいくつかのワイナリーで腕を磨いて、2004年にスペインのプリオラートでワイナリーを開業に携わり、フランスのローヌを経由してナパに戻り、KenzoEstateやBryantFamilyVineyardでワイン造りを行なうと同時に独自のワイナリーを開業。現在はワインメーカーと独自のワイナリー運営の両方を行なっている。自ら行なっている<Keplinger>ではローヌ系葡萄に焦点を当てて、ナパ・ソノマからシエラ・フットヒルで栽培された葡萄を探し当て斬新なワイン造りを行なっている。 (イメージ:Napaman.comより)   ~ ◆ ~ アーロン・ポット氏(Aaron Pott) ナパのマウント・ヴィーダーで奥さんのクレアさんとワイン造りを行なっている注目ワインメーカー。多くの醸造家のようにUCデイヴィスを卒業後、ナパのNewtonでキャリアを始めてから次はフランスを修行の場として選び、サンテエミリオンでボルドー・ワイン造りを学ぶ。6年間、フランスでの経験を引き下げナパのベリンジャーでカリフォルニア・ワインに携わる。2007年に独自の<Pott Wine>を開始し、パワフルなナパ・スタイルを継承するよりフランスで身につけた控え目の独自なナパ・スタイルを築く。 … Continue reading

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