Monthly Archives: June 2010

中身よりエチケット

このエチケットが問題になっているみたいです。 先週のワシントンポスト誌電子版に掲載された記事によると、オレゴン州ウィラメット・ヴァレーのAdelsheim Vineyards(アデルシャイム・ヴィンヤード)のピノ・ノワールのラベルが日本とイギリスの消費者にあまり好ましくないと判断がくだされ、エチケット(ワインのラベル)の変更を余儀なくされていると説明しています。 ワイナリーが行ったマーケット調査の結果、ラベルに画かれている正面を向く女性の似顔絵が日本人にとって恐怖感を与えることなど(真正面から見られるのは威圧感を与え、日本では失礼なこと?)、イギリス人にはフランスなどの高級ワインで使用されるエチケットとあまりにもかけ離れているデザインがワインの中身に対してあまりいい印象を与えないと判断され、ワイナリーのオーナーが調査内容を明かしています。 アデルシャイムは30年間の上質なピノ・ノワールを造ってきたオレゴン州ウィラメット・ヴァレーの老舗ワイナリーの一つ。このエチケットは、オーナーの奥さんの自慢の絵画の腕前を披露し、ウィラメット・ヴァレーでピノ・ノワール栽培のパイオニアとされているEyrieVineyard(アイリー・ヴィンヤーズ)のLett(レット)夫妻を称えるために、ミセス・レッツさんのポートレートを1981年のヴィンテージからラベルに掲載するようになっていて、今では彼らのフラグシップ・ワイン。 年間1.5万ケースを生産するこのワインを海外向けにラベルを変更するビジネス判断は理解できますが、変更のきっかけとなったマーケティング調査の分析に対してどうしても首をかしげてしまいます。 個人的にはラベルに画かれている似顔絵を見て震駭させられることはありません、逆に実物は綺麗な人なんだろうと想像してしまいますが、小さい子供やペットの小型チワワが似顔絵を見て泣き出すのも少し想像できます・・・ 数は多くありませんが、スーパーや薬局を覗いてみると正面向きで似顔絵が画かれている商品は存在します。ヤンキーに睨まれているわけでもあるまし、ワインを買う日本人がそれほど抵抗感を示すとは思えません。逆にラベルがインパクトがあるほうが、記憶に残ると思うのはプラス思考に考えすぎでしょうか・・・ 冒頭にも言いましたが、海外向けにラベルを変更することは反対ではありません。ただ、まだ変更も済んでないのに(次のヴィンテージから変更予定)マーケティングの調査結果を利用してこのようにメディアに訴えるように発表することはいかがなものかと思っているだけです。これから日本やイギリスなどの海外マーケット進出を意識したマーケティングを行うのであれば、このようなタイミングで、こういう形で話題づくりするのは逆効果なのではないかと思ってしまいました。 PPCVINOのワインもラベル変更を行ったのものがあり、ワインのアイデンティティの一部を変えることに少し敏感になりすぎているのかもしれません。ラベルのデザインに意識がとらわれすぎて、ワインを購入してくれる人に、このワインの本来の味わいやストーリーが薄れないことを願うだけです。実際は多くの日本のピノ・ファンにオレゴン特有の素晴らしいピノをトライしていただければ、ラベルの問題も関係なくなるでしょう。

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D&G  NYタイムズ誌のトップ10シラーに選ばれる

ニューヨーク・タイムズの電子版にカリフォルニア産のシラーの特集記事が掲載され「ドンキー&ゴート」がトップ10生産者の一つとして紹介されました。 記事はカリフォルニア・シラーが90年代にカベルネ、メルローにつづいて次の赤ぶどうのホープとして期待された品種が、販売面で苦戦している要因を分析している内容です。 70-80年代にボニー・デューン、ジョセフ・フェルプス、クペ、エドムンド・セイント・ ジョンなどのワイナリーが北ローヌのシラー・ベースのワインを造るためにシラー品種の栽培が始まり、当初の栽培面積は164エーカー程度が、90年代の終わりには10,000エーカーにふくれあがり、現在は、その倍の栽培面積をカリフォルニアだけで記録している。 アメリカのローヌ・スタイル・ワインに詳しいパトリック・コミスキー氏によるとシラーの苦戦にはいくつかの要因があると考えています。 1つ目はピノ・ノアールの人気上昇をあげています。映画 『サイドウェイ』 (2004年のハリウッド版)を機にアメリカン・ピノが新聞・テレビのメディア、専門誌、ネットなどで取り上げられる傾向が続き、シラーはいつの間にか棚の隅っこに置かれるようになったこと。 2つ目はシラー生産が増える中、ワイン批評家の高い評価がパワフルでフルーティに仕上げられたシラーに集中したことが多くの混乱とアメリカン・シラーのアイデンティティーを奪ったと考えられています。 世界で最も多くシラー品種を栽培・醸造しているのはオーストラリア。シラー (syrah) をシラーズ (shiraz) と呼んでいる違いのほかに、仕上がりも北ローヌとは異なるパワフルでフルーティーなスタイルが有名です。オーストラリア産のシラーズが高い評価を獲得し始めると、多くのカリフォルニアのシラー生産者は同じような果実が過剰に熟した、ジャミー(ジャムのような)スタイルのワインを造りはじめたそうです。 アーシーな要素に複雑なハーブやスパイスを楽しめる北ローヌ・スタイルのシラーを好むワイナリーとアルコールが効いた過剰に熟したオージースタイルを造るワイナリーの2つがカリフォルニアに存在し、必然と混乱が起きたと考えられています。 個人的には2つのスタイルがあることは嬉しいことで、インターネット、またはショップの店員にどのようなスタイルなのかを問えば特に問題はないと思うのですが、混乱やアイデンティティが失ってしまう問題も十分理解できます。記事によると最近の傾向では、ぶどうの栽培地域でおおよそ、どのようなスタイルのシラーであるのかが想像がつくそうです。 カリフォルニアでは同じ品種でも産地ごとに異なったスタイルをぶどうを栽培することができるのが大きな特徴で、セールスポイントでもあると思います。さらに気候やテロワールを重視するワインメーカーが増えることで地域特有の高品質ワインが増えることがカリフォルニア・ワインの最大のアピールポイントになると信じています。 ちなみに、「ドンキー&ゴート」は比較的に涼しい気候で栽培されたシラーを使用し、ローヌの伝統的なナチュラル・ワイン・メーキングの手法で造られたワインです。 ドンキー&ゴートのワインメーカー ジャレッド・ブラントさん

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