<干ばつ>がワイン産業に与える影響

storyソノマのドライ・クリーク・バレーの畑の様子。貯水湖の水の少なさと1月なのに半そでで歩き回っている様子が例年とは違うことが伺える。
(イメージ:The Press Democrat/Kent Porterより)

カリフォルニアの<干ばつ状態>が続くな複数の地元メディアは、雨が降らずに節水状態に入ってどのような影響がワイナリーや葡萄農家に出るのかが取り上げられている。

まずは1月から2月が例年では北カリフォルニアでもっとも多くの降水量を記録する時期で、これまで雨は全く降っていないが、予報ではこの先の多少の雨を期待ができる。ただし、ここ最近、温度も例年より高まっており、通常は3月頃に出始めるはず<芽/つぼみ>が所々で始まっているとの報告がされている。葡萄栽培の<前倒し状態>はよくあることで、そうも問題にならないが節水宣言がされた以上<霜>被害防止策としての葡萄の木に水撒きが出来ない状況が問題になっている。水の使用が制限されているため、多くの畑では大型扇風機を設置し対応を考えている場所が増えている。ソノマ郡のサンタローサ市で葡萄栽培・ワイン資材の販売・リースを行っている会社では、一体3万ドルする移動型扇風機の販売個数は前年と比較して倍になっており、リースに関しては4倍に跳ね上がっている。

7ftfrostfan1(イメージ:Phil Brown Weldingより)

灌漑が出来なくなると、最大の影響は<全体の収穫量>に出ると推測される。以前にもこのブログでも紹介したが、どちらかとナパやソノマなどのプレミアム・ワイン造りのワイナリー・畑が多く、量に関してはそれほど問題にならず、逆に、ここ2年豊作が続いたことで多少収穫量が落ち込むことも歓迎される。ただし、豊作と不作と関係なく、ワイン醸造には機材や道具の清掃が重要な要素で、どうしても水を使用する必要がある。大手のコンステレーション社などでは大型の醗酵や醸造タンクが数多くあり、一体を清掃するのに1~4ガロンの水が必要となる。大型醸造施設はこれまで雨水を貯蔵し清掃に活用するが、現状ではこのシステムは活用できない。

130222075.ChdDLjnx(イメージ:pbase.comより)

また、ここに来て忙しくなったのが保険会社。大半は収穫被害の保険は損害の50%から85%を補償する商品があり、1月中に加入する保険はお買い得なので問合せで殺到している保険会社が増えていると報道されている。

長年カリフォルニアで葡萄栽培を経験しているポール・ドーラン氏は<干ばつ状態>が引き続き翌年にも続くようであれば、更なる対策を頭に入れておく必要があると説明している。ドーラン氏はメンドシーノの<Fetzer Vineyard/フェッツアー>でサステイナブルやオーガニック農法を実施してきた経験の持ち主で、現在はTruett Hurstで役員を務めながら自らの畑で少量の葡萄を栽培している。<干ばつ>の影響で葡萄の木にストレスを与え、収穫量(房の数と粒の大きさを含め)を制限する問題が発生する。<干ばつ>が1年続いた場合、翌年に十分な降水量があれば、収穫量が本来のポテンシャルまで復活することがあるが、2年続くと復活する可能性が低く、葡萄の木を植え替えることを推奨する。今のところは2月に雨が降って「緊急事態宣言」を撤回することもあり、それほど慌てる必要もないが、葡萄の台木や接木の数にも限度があり、気になる方は早めに注文を入れることも頭に入れておくことを忠告した。

雨を降らすことは出来ないが、潤沢な資金を持つワイナリーや畑所有者は様々なことを想定してすでに<干ばつ>対策に取り掛かっている。

(ニュース・ソース:The Press DemocratWines and Vinesより)

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