SFクロニクルが選ぶ2014年の<注目ワインメーカー>

恒例のSFクロニクル紙の<ワインメーカー・トゥ・ウォッチ>が掲載された。専属ワイン・ライターのジョン・ボネ氏が厳選したカリフォルニアのワインメーカーで今年は5組の醸造家が選ばれた。

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グラハム・タトマー氏<Tatomer Wines/タトマー>

-1_t479(イメージ:The Independent/Paul Wellmanより)

サンタバーバラ出身のタトマー氏は10代の頃からワイナリーでアルバイトを始める。地元のUC大学サンタバーバラ校に進学しても、ワイナリーでのアルバイト生活が続き、卒業時にワインメーカーを目指すことを決め、本格的なワイン造りを学ぶためにオーストリアに行く。オーストリアを修行の場所に選んだ理由は、リースリング種に魅了され、カリフォルニアではまだあまり扱っていなかった<超ドライ系>のリースリング造りを学びに行く。結果的に4年間アメリカとオーストリアを行き来し、2008年にはTatomerWineをサンタバーバラ旗揚げする。Tatomerではリースリングとオーストリアの代表的な白ワイン、グリューナー・ヴェルトリーナー(Grüner Veltliner)種で造るワインで注目と評価を獲得するようになり、最近はピノ・ノワール種とガメ・ノワール種で赤ワインもラインアップを加える計画。年間で1100ケースの生産量でサイトで見てもすべて完売状態でこの先も入手困難と思われるが、サンフランのArlequinやロスのWally’sのワインショップでも扱っているようなので、向うに行かれる方が要チェックです。

2012_07_21 BYOB ALSATIAN TATOMER-1032(イメージ:edhatより)

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マーク・アダムズ氏<Ledge Vineyards/レッジ>

rawImage(イメージ:SF Chronicle/Leah Millisより)

パソロブレス出身で親は酪農と穀物類の農業家として活動。本人は音楽業界での仕事に没頭していたが、親の畑を葡萄畑に改造する計画が持ち上がり、幼年時代からの友人で<Saxum/サクサム>でワインメーカーを行なっているジャスティン・スミス氏に説得され、ロスでの音楽業界の仕事を辞め、故郷に戻り一から葡萄栽培そして醸造をSaxumで働きながら学ぶ。現在もSaxumで働きながら、2005年にまずは親の土地で葡萄栽培を開始し、2010年から自ら造ったワインの販売を始める。主にシラー種をメインに少量のグルナッシュ種とムールヴェードル種をAdams Ranch畑で栽培し、<Ledge Adams Ranch Vineyard Paso Robles Syrah>はSFクロニクル、ワイン・アドヴォケート、Sタンザー、ワイン・スペクテーターなどで高評価を獲得した。畑の規模から年間で200ケース程度の生産キャパで、他は近所の畑から葡萄を購入し、ローヌ・スタイルのワインを10種類(赤、白、ロゼ)を造っている。こちらのワインもいくつかセレクト・ショップで購入が可能。

BR6yn5WCQAEDabB(イメージ:Silver Lake Wine/Twitterより)

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クリス・ブルーメル氏&アリーシャ・ステーリー氏<Vesper Vineyards/ヴェスパー>

vesper(イメージ:SF Chronicle/Sandy Huffakerより)

サンディエゴ出身の2人はそれぞれ家族が農業に関わっていたことから、ブルーメル氏はサンタバーバラで葡萄栽培を学び、Jaffurs Wine Cellarsでワイン醸造も学ぶ。その後はサウス・オーストラリアに渡り更に葡萄栽培からワイン醸造の経験を積んで行く。スティーリー氏はUC大学デイヴィス校のワイン学部で葡萄栽培と醸造を学ぶ。同じサンディエゴ出身で幼年時代からの知り合いと思いきや、実は業界の展示会で知り合い、意気投合。ブルーメル氏の家業の葡萄栽培、そして、スティーリー氏も家業のシトラス・フルーツとアヴォカド栽培を含めた葡萄栽培を手伝うために地元に戻る。2007年にブルーメル氏の実家で畑で栽培されたピノ・ノワールでワイン造りに取り掛かる。ナパやサンタバーバラを拠点にワイン生産に取り掛かることも可能だが、あえて2人の地元サンディエゴのワイン産業を広めることに専念した。現在はピノ以外に、南カリフォルニアでは昔から盛んに栽培されていたカリニヤン種、グルナッシュ種やムールヴェードル種で造るロゼ、そして、ヴィオニエ種、グルナッシュ・グリ種、マルサンヌ種、ヴェルメンティーノ種をブレンドする白ワインのラインアップで活動している。

156202_10151080145100905_1606384503_n(イメージ:Vesper Vineyards/Facebookより)

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メガン&ライアン・グラーブ氏<Ryme Cellars/ライム・セラーズ>

winemakers26_ryme_101_-600x425(イメージ: SF Chronicle/Lacy Atkinsより)

このワイナリーは何度かカリフォルニアでは馴染みの薄い葡萄品種でワイン造りを行なっているブログ投稿で紹介しているワイナリーで、このように大きく取り上げられることはうれしい限り。イタリアのフリウリ州を代表するリボッラ・ジャッラ種で造るワインが注目されるが、実はグラーブ夫妻それぞれワイン・スタイルの好みがあってリボッラ・ジャッラ種などスキン・コンタクト技法でにごりかかったワインを好むのは旦那さんのライアン氏。一方、奥さんはキリッとクリアなワインを好む。イタリアのヴェルメンティーノ種で造る白ワインには<HER>と<HIS>の2種類それぞれ夫婦の好みのスタイルのワインでリリースしている。

2人はワイナリー経験を積み上げるためにオーストラリアのTorbreckで出会い、帰国後はソノマ中心に複数のワイナリーで更に実績を蓄える。ライアン氏はPax Mahle氏の新しいワイナリー<Wind Gap/ウィッド・ギャップ>でアシスタント・ワインメーカーを勤めており、現在もWind Gapで勤めながら、同ワイナリー施設でRymeのワイン造りを行なっている。2007年にイタリアの赤ワイン用のアリアニコ種で造ったワインで旗揚げし、現在がイタリア系の白ワインのほかにカベルネ・ソーヴィニヨン種とカベルネ・フラン種なども造っている。また、ソノマ産のピノ・ノワールとシャルドネで造るワインも最近ラインアップに加えるようになり、幅広くイタリア系のワインとカリフォルニアを代表するワインで活動範囲を広げている。

552455_579703042047948_1287653496_n(イメージ:Ryme Cellars/Facebookより)

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ジョン・ロックウッド氏Enfield Wine Co./エンフィールド>

296452_276798029009209_1114368315_n(イメージ:Enfield Wine Co/Facebookより)

このワイナリーも以前このブログで紹介させていただいたワイナリー。アマドール郡の人気葡萄畑Shake Ridge Vineyardからテンプラニーニョを供給してもらい、ラインアップに加えているワイナリー。ロックウッド氏は変わった経歴の持ち主。東海岸出身でそもそも木造資材を扱う仕事で西海岸に移り住む。そこでナパの<Olivia Brion/オリビア・ブリオン>でワインメーカーを務めるデヴィッド・マハフィー氏に誘われワイナリーで働くようになり、途中から他のスタイルのワイン造りに興味を持ちソノマの<Littorai/リトライ>でピノやシャルドネの扱い方を学ぶ。次にソノマ・コーストでワイン造りに取り組んでいるエーリン・ジョーダン氏の<Failla/フェーラ>ワイナリーでワイン造りを手伝うようになる。ジョーダン氏との出会いで自らのワイナリーの旗揚げのアイデアや手段をいただき、昼間はFaillaで働きながら、自らのブランドのコンセプトも練り始める。ロックウッド氏のコンセプトで面白いところは通常ならあまり評価されていない産地と葡萄品種をあえて選び、他には存在しないワイン造りを行なってるところ。例えば、シラー種はナパの南端に位置するコームズヴィルAVAのHaynes Vineyardで栽培されたもの。このエリアは涼しい気候の産地で、シャルドネやピノ・ノワールが盛んに栽培されるが、あえてこの涼しい気候で栽培されたシラーでワインを造っている。また、カベルネ・ソーヴィニヨンもピノやシャルドネが盛んに栽培されているソノマ・コーストで栽培されたものを選び、あまり見かけないカベルネを造った。まだ、4種類のワインで全部合わせて400ケース程度しか造っていないので、ワインショップでも置いてある可能性は低い。ただし、オンライン販売しており、自らワインを引き取りに行きたい人はナパのセント・へレナのワイン倉庫で引き取り可能なので、もし、どうしても購入したいと思っているのであれば、前もってオンラインでワインを注文し、ナパに行って引き取りに行く方法があります。ちなみに120ケース生産のシラーが36ドルで購入可。

428539_10152786595220328_682687281_n(イメージ:Enfield Wine Co/Facebookより)

(ニュース・ソース:SF Chronicleより)

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