ワイン・ニュースのまとめ

先週のワイン関連のニュースをいくつか。

先週はカリフォルニアでの長期に続く<干ばつ状態>に対してブラウン州知事が「緊急事態宣言」を行なったことで一般市民や農業に与える影響に関連するニュースが多く紹介された。特にカリフォルニアの農業に関して水不足で様々な問題や困難をこの先、覚悟しなければことに関するニュースが多く取り上げられているのだが、その中でナパからは比較的に楽観的な感覚のニュースが届いた。

ナパがカリフォルニアのワイン産地の代表格で、上質なワインを生産する産地であるからこそ、多くの畑所有者は潤沢な資金を活用し、今回のような事態に備え様々な対策をとっている。例えば、ナパ・バレーの谷底に位置する畑の多くには地下水システムを導入している。

トレフェセン・ファミリー・ヴィンヤードでは地面に無数のパイプ(上部に無数の穴が開いてある)が張り巡らせており、葡萄の木に吸収されない雨水などはパイプの穴を通じて、敷地内の人工貯水湖に集められる。春先に起きる霜被害など灌漑が必要な場合、貯水湖の水を活用し対処する。このように<リサイクル型>の地下水システムを活用しているナパの谷底畑は多く存在する。

また、地下水システムと平行に有機堆肥をふんだんに葡萄の木の周りに撒き散らし、水分の吸収力と吸引力を高める工夫を行なう。潤沢な資金がある畑のほど多くの堆肥を購入することができ、畑作業員を雇い、手間がかかる作業を実施することが可能となる。

vineyard_reservoir_newsナパで人工貯水湖を活用している畑。
(イメージ:Stanford Universityより)

もう一つ、ナパとその他のバルク・ワイン用の葡萄栽培を行なっている産地との大きな違いは、ナパでは単純に大量の葡萄を栽培すのが目的でなく、味わい深い熟成が完璧な状態の葡萄を造ることであって、雨もこのような葡萄を造るのに一つの要素だが、重大な要素でもない。

気温が高い年のほうが、出来栄えがよい条件の年となり、寧ろ歓迎される。過去に1978年と1979年でもカリフォルニアで<干ばつ>の関係で緊急事態宣言がされたが、78年と79年は共に<いいヴィンテージ>の評価が残っている。全体でよい葡萄を栽培するには頻繁に間引きを行ない、摘むタイミングを判断する。特にここ2年続けて豊作であったため、間引きで収穫量を少し落とすことに抵抗感を持つ生産者はいない。

一方、セントラル・バレーなど大量の葡萄栽培を行なう産地では、質よりも総生産量で<よい年>や<ダメな年>と判断することから、少しでもコストをかけずに高い栽培量を維持する栽培方法があれば、その方法が採用される。安定的に栽培量を維持するためには灌漑は最適で、これができなくなると死活問題となる。

ワイン産業よりも長期的な<干ばつ>で大きく影響される産業は存在し、その点では幸運とも言えるが、一般的にはワイン産業=農業、農業=大量の水を使用との印象が強いため住民などからの苦情や不満が出る。現在、パソロブレスAVAでは点で大きな議論が起きており、近日中にこちらのニュースも紹介させていただきたいと思っています。

(ニュース・ソース:Wine-searcher.comより)

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52dea935302a7.preview-620例年のマスタードの花が開花する様子。
(イメージ:Napa Valley Register/J.L. Sousaより)

葡萄栽培に関しては今回の<干ばつ>ではまだナパでは大きな目に見えた変化はまだ感じられないが、冬の間の風物詩であるマスタードの花は今年はお目にかからないこととなった。

ナパでは冬の間、葡萄の木が冬眠状態に入り、土壌の侵食作用防止や栄養補給を目的に<Cover Crop/カバー・クロップ>が活用され、多くの畑はマスタードを植える。

ナパの冬の風景は一面真黄色の畑は、一年でもっとも絵になる風景であるとも言えるが、<干ばつ>の影響で多くのマスタードの苗が枯れてしまい、1月に黄色の花をつける畑はほとんどないと地元紙が紹介している。

52deed52426bd.preview-620今年の冬の畑の様子。
(イメージ:Napa Valley Register/J.L. Sousaより)

(ニュース・ソース:Napa Valley Registerより)

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1470253_452809798173318_1298843045_n(イメージ:Vintageより)

最後はナパ・バレーの舞台裏を紹介するドキュメンタリー・テレビ番組がPBS系列の局で全国放映される。全6話(各30分)のシリーズは2012年のヴィンテージで収穫時から3人のワインメーカーの様子を追う内容。3人のワインメーカーはすべて女性醸造家で、<Markham Vineyard/マルクハム>、<Rutherford Hill/ラザフォード・ヒル>、<Chimney Rock/チムニー・ロック>でそれぞれ活躍する。

52e15b51ece52.preview-620今回、ドキュメンタリー番組の主人公となる3人のワインメーカー。
(イメージ:Vintageより)

予告編を見るとどちらかとリアリティー番組系よりも真面目なドキュメンタリーに近い感じがする。ただし、番組の紹介ページを読むと、故里に戻る人がいれば、身内に突然の悲しいニュースが飛び込んで来るなどと人間模様でドラマチックな展開もあるよう。一方で2012年は実際にカリフォルニアにとって久しぶりに豊作だったため、収穫のタイミングや醸造工程を維持する難しさなどがそれぞれのワイナリーで異なった状況を紹介しているよう。

最近はこの手の番組は国内ではBSなどでピックアップされて放送されることがあるので<Vintage/ヴィンテージ>を番組表でチェックして見ましょう。

Official Vintage Trailer – Napa Valley 2012 from Shooter and Scribe on Vimeo.

(ニュース・ソース:Vintageより)

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