2013年のワイン・ニュース:トップ5(後半)

〜 2013年のトップ・ニュースの続きです。

2位 ワイン関連の書籍に関する当たり年

このブログでもいくつか紹介させていただいたが、今年は興味深いワイン関連の本が多く出版された。正確には2012年11月だが、イギリス人ワイン評論家のジャンシス・ロビンソン氏とジュリア・ハーディング氏がスイス人の遺伝学を専門とする生物学者ホセ・ヴォリヤーモス博士のコラボレーションで完成した1,280ページの葡萄品種の百科事典『Wine Grapes – A complete guide to 1,368 vine varieties, including their origins and flavours』(直訳:ワイン葡萄:起源と味わいを含む1,368種類の葡萄の木に関する完全ガイド)はワイン愛好家、ソムリエ、業界関係者であれば絶対必要な一冊で3キロほどの重さだが、葡萄品種に関して一番最新の研究内容などが含まれている百科事典。ワインバーやワインショップでも一冊置いておけばお客さんは喜ぶような気がする。現在はハードカバー一冊が1万2千円程度でオンライン・ショップなどで購入できる。また、タブレット用のダウンロード版もあり、こちらは9千円程度となる。

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(イメージ:Eaterより)
オリジナル投稿:http://www.ppcvino.com/news/archives/794

夏ごろには、これまた2012年にブログ紹介させていただいたアメリカ人のレイ・ウォーカー氏が2009年にブルゴーニュのニュイ・サン・ジョルジュに乗り込み旗揚げした<Maison Ilan/メゾン・イラン>の体験記を紹介する『The Road to Burgundy: The Unlikely Story of an American Making Wine and a New Life in France』がリリースされた。ブルゴーニュではアメリカン人として始めて一からワイナリーを始めたウォーカー氏の一見フィクションと思ってしまうような苦悩とサクセスの繰り返しを自分自身の声で伝えてくれ。実はそもそもアメリカ人のフード・ライターで世界各国を食べ歩きし、その様子をリアリティー番組で紹介し人気のアンソニー・ボーダイン氏の番組にウォーカー氏が登場し、それから本人のブログをさかのぼって2~3週間かけて読み始めたのですが、2008年に金融系の仕事を退社するところから始まり、ワイン造りの勉強、フランスへの移住、奥さんとお子さんの合流を含めて日記のようにその日の出来事を詳細に紹介している。おそらくまだ翻訳は出ていないと思うので、英文が苦手な方は、是非、彼のブログで写真と動画を通じて彼のが経験をのぞいてみてください!

road-to-burgundy Road_To_Burgundy_dust(イメージ:Blog Maison Ilanより)
オリジナル投稿:http://www.ppcvino.com/news/archives/661

秋には新しいスタイルの<カリフォルニア・ワイン>を紹介する、『The New California Wine:A Guide to the Producers and Wines Behind a Revolution in Taste』(直訳:味の革命の裏に存在する生産者およびワインのガイド)が出版された。この本はサンフランシスコ・クロニクル紙のワイン・ライターのジョン・ボネ氏が書き上げた本で、このブログでも度々ボネ氏が書いた記事はネタにさせていただき、カリフォルニアの新しいスタイルのワインに関して本を出すのであれば、これまでの彼が紹介してきたワインや生産者を考慮すると、彼が一番適任者であると誰もが思う。

簡単に新しいカリフォルニア・ワインの特徴の一つにこれまで<カリフォルニア・ワイン>と言えばナパのカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなどが頭に浮かんでくるが、ナパ以外の産地、そして葡萄も馴染みの薄いもので新たなワイン造りに挑戦している生産者が確実に増えており、これらを<ニュー・カリフォルニア・ワイン>として本で紹介している。これらの新しい生産者がこれまでナパやソノマで築き上げたスタイルのワインを上回って、カリフォルニア全体が変えると言うのではなく、どちらかという、資金がなくても真剣に上質なワイン造りを追求する次世代の生産者が試行錯誤を繰り返し、独自のワインを少しづつ世に送り出していて、この連中にボネ氏が多少陽が当たるように協力しているのが実態。次世代の生産者も前任者たちがカベルネとシャルドネで世界を驚かせたように、次のカリフォルニアでワインも同じような衝撃を目指しているのではないかと思う・・・

20130901jonbookcover 20130901jonbonne(イメージ:Amazon.comSeriousEats/Erik Castroより)
オリジナル投稿:http://www.ppcvino.com/news/archives/2031

最後は半分冗談で紹介した、遊び感覚で楽しめる本が何と人気殺到品薄状態!?!アメリカ人マスター・ソムリエのリチャード・ベッツ氏が発案した書籍でページ内の一部をこすると臭いが出る本の『The Essential Scratch and Sniff Guide to Becoming a Wine Expert』。勝手な分析だが、イラストがおしゃれなのと、プレゼントには最適な2千円台の価格がこの本の人気の要因でないかと思う。どんなにくだらないと思っていても、誰かが持っていたら絶対にページをこすって臭いを嗅ぐと思う。

scratchwine-04_wide-35f2f55346ffcae46e731e83421a528c5db2d0a7-s6-c3024350848(イメージ:BiteClubEatsNPRGizmodo Indiaより)
オリジナル投稿:http://www.ppcvino.com/news/archives/2158

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1位 高級ワインの販売・取り扱いを変える奇跡的なワイン道具

今年の夏ごろから色々なメディアで取り上げられるようになったコルクを抜かないワイン・オープナー<Coravin 1000>が独断で決めさせていただく2013年ワイン・ニュースの第1位に輝きました。

このオープナーは細い針をカプセルとコルクの上から差込、ガスを送り込み、ワインを針の空洞部分から出す仕組み。針の穴があまりにも小さいため、一旦針を抜いても、ワインが天然コルクであれば穴が勝手にふさいでワインの劣化がおさえることができてしまう。

この優れものはアメリカの高級ワインを扱っているワイン・バーやレストランではこれまではボトル単位でしか売れなかった高級ワインを、グラス単位でも販売が可能になったのです。

皆さんもどこかのレストランやバーに行って一度は飲んでみたいワインがお店においてあって、1本空けるのに何十万支払わずに、グラス単位の価格で注文できるのであれば、試してみる可能性が出てくる。また、お店側にも栓を抜いていないので、味が変わる心配もなく、また次のお客さんにもオファーできる。

ワインを飲食店やショップに売り歩くインポーターも試飲用のワインを営業先に丸々1本渡すのではなく、関心がなければ、次の営業先にそのワインを持って行くことができる。特に高いワインであればあるほど助かる。

現在、このオープナーはガスを注入する部分で使用する小型ガスボンベが通関でひかかってしまい、商品に改善がされないと輸入することができない。そのうち、国内の代理店がついて改善されると思うが、この<Coravin 1000>を活用して高級ワインの取り扱いの様々な方法やアイデアが紹介されて、大きく高級ワインの扱いが変化すると予測している・・・

slide3 slide4(イメージ:Coravinより)
オリジナル投稿:http://www.ppcvino.com/news/archives/1811

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最後は出番がなかったお気に入りの画像をいくつか・・・

tumblr_mfdzoyv57X1rihhm8o1_500おそらく80年後半から90年代初期のキース、ティナ・ターナー、デヴィッド・ボーイのスリーショット。この時代はコップやグラスがなかったのでしょうね・・・

tumblr_mg4927xu3s1rm8k6uo1_500ロゼにクドそうな葉っぱもの、アンバランスなところにどこか、そそられる。

tumblr_mgctorhsRb1s2lvigo1_500「はじめてのおつかい」第二次世界大戦・エノテカへ行くの巻

1332537546_jennifer-lawrence今一番のお気に入り若手女優さんのジェニファー・ローレンスも先輩たちのための買い出しに行くことも・・・

533711_10151272722683883_2041892689_nナプキンか手拭か、正規の活用法はいまいち不明だが、デザインに関しては抜群のセンス・・・

150420_454126017999108_1688632626_n締めくくりにはルーベンス・サンドイッチ。濃厚なシラーとでガッツリ行きたい・・・

最後までありがとうございます。では、よい年をお迎えてください!

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