プラスチック製の醗酵・醸造タンク

546458_282442681862071_652330545_n畑ではプラスチック製の入れ物は頻繁に使用される。
(イメージ:Bodkin Winesより)

2013年のカリフォルニア豊作の葡萄収穫の課題の一つに収穫された葡萄が醸造所での醗酵タンク不足で無駄に葡萄が処分された例はいくつかの専門家の予想通りになってしまった。

大型ワイナリーや老舗で実績を持つワイナリーでは醗酵タンクのスペース不足は想定範囲内で上手に対応をできたが、中小規模で比較的新しいワイナリーはそううまく対応できなかったワイナリーも少なくなかった。事前に前年同様に豊作で早い収穫時期を予想していた生産者はタンクの発注を行なったり、またはカスタム・クラッシュ(醸造・熟成スペース、機材、サービスなどを専門に貸し出す業者)でのスペース確保を行なった。大型のワイナリーや老舗ワイナリーは実績があるのでこのようの機材やスペース予約をするために必要な資金は様々な金融機関と通じて比較的に楽に調達できるが、自転車創業や実績がないワイナリーにとっては資金調達はそう容易ではない。

IMG_0220最近、支流のプラスチック製の醗酵・熟成タンク。
(イメージ:Dragonfly Farm & Wineryより)

そこでこの先のこのような事態に対する対応策として注目と注意を集めているのがプラスチック製の醗酵・醸造タンクである。日本でも少し前にプラスチック製の入れ物などはビスフェノールAが含まれており、成人には特に害を与えないが、幼児には好ましくないことから、ビスフェノールAが含まれプラスチック製で食品が触れるものは極力廃止する動きがあったが、当然、他国も同様な考えである。

ワイン産業の場合、木製、ステンレス製、コンクリート製などと共にプラスチック製の醗酵・熟成タンクは存在し、コスト面では木製やステンレス製の約半分、また製造期間は短く、発注してから納品されるまで要する時間は他品と比較して1/10とも言われている。

1385958_432514443521560_885669922_nステンレス製の熟成樽。
(イメージ:Bodkin Winesより)

良いところづくしに見えるが、ビスフェノールA(海外ではBPAと呼ぶ)からの害を含めて、イメージ面では他品と比較して劣ってしまう。実際のところプラスチック製の入れ物は普通にワイナリーで活用される。ただし、ビスフェノールAが含まれていないプラスチックであることと長期的な工程は基本的にはプラスチック製のタンクでの入れ物で行なうのが常識。畑で収穫された葡萄はプラスチック製のカゴに入れられ、品種仕分けも大きなプラスチック製の入れ物で行なわれる。圧搾までの工程まではプラスチック製の入れ物は大いに活用されており、短期間で済む醗酵や特に味わいに工夫をする必要がないワインの場合には、プラスチック製の入れ物を活用し、その後の長期醗酵や二次醗酵などからは木製やステンレス製の樽やタンクなどに移すワイナリーも多い。

長期醗酵や熟成に対してプラスチック製の入れ物を試すいくつかの中小規模のワイナリーが今年のヴィンテージからトライルをし始めている。ジョージア州アトランタ市に拠点を構えるプラスチック製のタンクを製造するFlextank社はここ数年タンクの注文数は20%増えていると説明している。多くの顧客は匿名のままだが、プラスチック製のタンクで醗酵・醸造を行なうことを公表しているワイナリーも出てきている。

2305ワイナリー以外にもお手頃価格のペンションも経営。
(イメージ:Black Knight Vineyardより)

ソノマで葡萄畑、ワイナリー、そしてペンション経営を行なっているBlack Knight Vineyardではワインメーカーのミッチ・ブラック氏は個人消費用のワインはこれまでもプラスチック製のタンクで行なっていると説明しており。今後は一般向けのワインもプラスチック製のタンクで試してみると説明している。また、ソノマのアレクサンダー・バレーのLinde Vineyardのワインメーカーのエリック・オーバーホルト氏は数年前から自社独自が活用していた製法と思っていたが実際に周りには複数のワイナリーが存在することに逆に驚いたとコメントをしている。ソノマのヒーズバーグ市で主に白ワイン(ソーヴィニヨン・ブランでスパークリングを造っている)を専門とするワイナリーのBodkin Winesでも基本的には木製のタンクで熟成を行なう予定だが、今流行の<コンクリートたまご型>熟成タンクをプラスチック製での製造を依頼し、新たな挑戦を行なう予定。

Apollo tank-500x500プラスチック製<たまご型>醗酵・熟成タンク。
(イメージ:Flextankより)

まだまだイメージ面で違和感があるのでプラスチック製の使用を公表していないワイナリーも多いが、とにかく今後はビジネス面を考慮してプラスチック製をもっと取り入れることも予測される。消費者側の希望としては、透明性を重視していただき、どれが木製、ステンレス製、コンクリート製またはプラスチック製のタンクで造られたのかが公表してくれれば安心、そして納得してワインを購入できると思うのだが・・・

(ニュース・ソース:Press Democratより)

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