2013年の収穫レポート総括(その2)ジンファンデルに異変?

IMG_4649(2)(イメージ:LoCA LodiWineより)

先週はSFクロニクル紙のカリフォルニア葡萄収穫シーズンの総括を紹介したが、今回はWines and Vines誌の総括を紹介します。

カリフォルニア州全土を網羅する葡萄農家の支援組織<Allied Grape Growers社>の集計によると、2013年の総収穫量400万トンに達すとわかった。2012年に近い収穫量で、ロダイ近郊の畑からの収穫量が大幅に伸びたことが集計でわかった。

Allied Grape Growersの代表によると今年の収穫量は更に大きくなってもおかしくなかったが、醗酵タンクに空きがなかった醸造所が多かったため、収穫できずにそのまま葡萄の木に付いたままの葡萄も多かったと説明している。特に品種別ではジンファンデル種に放置被害が多く、約25%の総栽培量が未収穫または収穫されたがワイン造りに採用されなく処分された。これまで<オールド・ヴァイン>として需要が高かったジンファンデルの木でも、葉っぱが赤くなった木からは葡萄は収穫されなかった例もあったと報告が入った。

Circa 1906 Zinfandel vines with an Alicate Bouschet in the mix showing red leaves The Fanucchi Wood Road Vineyard Fall 2005<オールド・ヴァイン>のジンファンデルで、葉っぱが赤くなった木。
(イメージ:FanucchiVineyardsより)

厳選されたジンファンデルを複数の産地から集めてワイン造りを行なっている<ターリー・ワイン・セラーズ>のワインメーカーによると今年のジンファンデルは熟成度にバラつきがあったと話している。特にロダイとアマドール産地の葡萄にバラつきが目立ち、約1割程度の葡萄が仕分け段階で品質を考慮し除くことがあるが、今年のロダイ産の葡萄の1/4が未使用のまま除かれる事態があったと説明している。バラつきの原因は今のところは不明だが、均等に糖度が構築されない理由にはもう少し葡萄の間引きを行なう必要性があったと想定できる。

また、ジンファンデル種の収穫の最中にカベルネ・ソーヴィニヨン種が予定よりも早く収穫のタイミングに達し重なったため、タンクの空き具合を考慮して、カベルネを優先したワイナリーがターリーを含めて多く存在したとがわかった。この結果としてジンファンデルが未収穫の状態になった。

2年続けて豊作を経験したターリーはナパのアトラス・ピーク地区のジンファンデルを先週収穫し、これですべての2013年分のジンファンデルの収穫を済ませた。予想外の出来事がいくつか重なったが、ジンファンデルの2013年ヴィンテージは高いクオリティのワインが出来上がることを期待している。

ちなみに、2012年には44万8039トンのジンファンデルが収穫され、カリフォルニアではカベルネ・ソーヴィニヨンに続いて第2位の収穫量をほこる赤ワイン用の葡萄。

239669<ホワイト・ジンファンデル>のイメージを覆そうと造ったターリーの新しい試みの一つ。
(イメージ:CellarTackerより)

このほかに総括として、Allied Grape Growersではワイナリー側に更なる改善の必要性を訴えている。葡萄生産者側は海外から輸入されるバルクの葡萄に対しての競争力を高めるために、栽培量を増やしているが、ワイン醸造者側は増えた葡萄を処理するためのそれなりの設備への投資やプロセスの改善ができてないと指摘している。内陸のセントラル・バレーなどに製造拠点を構えている大手ワイン会社はそれなりに設備投資や改善を行なっているが、その他の産地、特に沿岸部産地では投資や改善が遅れていると実態を説明している。

最後は、多少の葡萄の熟成度にバラつきがあったロダイ産地が更に栽培量が伸びる可能性があるとAllied Grape Growersの関係者は期待を示している。ロダイは葡萄栽培産地区分ではサン・ホアキン郡の北部とサクラメント郡の南部が含まれる<District-11>に入り、今年は記録的な葡萄栽培量の報告が入っている。昨年の76万7400トンの収穫を記録し、この数字は上回ることは確実と見込まれている。ちなみにセントラル・バレーのマデラ郡、フレスノ郡、アルパイン郡、モノ郡、インヨ郡で構成される<District-13>は、2012年では121万5393トンの収穫量を記録しカリフォルニアでは現在最大の栽培地区となっている。

ar129627564934996(イメージ:Active Rainより)

<葡萄の生産者側>の立場と<ワイン製造者側>の立場が異なることは理解できるが、このレポートでもタンク不足が取り上げられワイン製造者側の責任が問われる様子も伺えられるが、2010年と2011年は不作でタンクの必要性どころか、存続までも問われたワイナリーも多かったため、2年続いた豊作に対して準備不足は否めないが、ワイン製造者側だけを責めるのも可愛そうな気がする。ターリーが葡萄の熟成にバラつきがあったコメントから推測して、少し丁寧に間引きを行なって、無理に大量収穫を行なわなくても良かったのではないかとも考えられる。数字を追うのか、品質を求めるのか、この先も立場によって意見が異なる気がする・・・

(ニュース・ソース:Wine and Vinesより)

This entry was posted in カリフォルニア・ワイン, 厳選ワインニュース and tagged , , , , . Bookmark the permalink.

Leave a Reply