ワイン・ニュースのまとめ

先週のワイン関連のニュースをいくつか紹介します。

まずはイタリアのピエモンテ地方のバローロDOCGに関するニュース。バローロは基本的に11つのコムーネ(村・ゾーン)で構成されている。代表的なところでは<Barolo/バローロ>、<Castiglione Falletto/カスティリオーネ・ファッレット>、<La Morra/ラ・モッラ>、<Monforte d’Alba/モンフォルテ・ダルバ>、<Serralunga d’Alba/セッラルンガ・ダルバ>など各コムーネの中でもブルゴーニュに見習って畑のランキング(Grand Cru制度)を取り入れるようになり、結果的にこれが葡萄の取引価格およびワイン価格を左右する。畑のランキングは主に何人かの専門家に土壌や気候の分析を行い、地元生産者とネゴシアンたちが合意している畑のマップが存在する。

BaroloCommunes_DOCG(イメージ:WineDineGuideより)

バローロでは<Cru制度>と呼んでおり、各ゾーン内では現在では<暗黙の了解>のような形で何十年も続いてきた畑のCruマップで活動してきたが、Baroloゾーン内のCannubiコムーネ(村)の畑の所有者Marchesi di BaroloワイナリーのErnesto Abbona氏が面積の大きさに不服を抱き、これまで15ヘクタールの認定を34ヘクタールに認定変更を訴える裁判がイタリアのローマ最高法定で判断が行なわれ、地元関係者の間では畑の拡大に対して反対が多かった中、裁判所は拡大を認める判決を下した。Abbona氏は2010年に地元裁判所で面積拡大を訴え、勝利し、そして判決が逆転する経緯があり、今回はイタリアの最高裁判所での訴えとなった。地元関係者によると、これまで何十年も続いてきた制度で地元関係者同士合意のもとで決めた区域を裁判所で変更されられるのは、バローロに対する信頼と信用を失うことにしかねないと懸念を漏らしている。

2007 Marchesi di Barolo Barolo(イメージ:TheWineBeatersより)

最初はこのニュースで何が大きな問題なのかがよく理解できなかったが、色々なブログで意見を読んでいても<地元>と<お国>との間で考え方の違いが存在することが鍵を握っているような気がする・・・特にバローロでは地元関係者の多くが納得のいくシステムをわざわざ作ったのに、それをよそから変更しなさいと言われるのは気分はよろしくない、一方、当事者のAbbona氏は畑が部分的に違う評価がされているのも不思議な話。

(ニュース・ソース:WineSearcher.comより)

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今度はフランスのAOC関連のニュース。ソーヴィニヨン・ブラン種で有名なロワール地方の東側に位置するサンセールAOCが210キロ離れたトゥールAOC(ほぼ中央)に吸収され、まずは「サンセールAOC」の名称が使えなくなり、<Sancerre/サンセール>自体の称号が保護されなくなると地元関係者は激怒している。フランス政府の農業省の原産地呼称委員会(Institut National des Appellations d’Origine、 INAO)が管理するアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(Appellation d’Origine Contrôlée、AOC)は予算不足でサンセールAOCの事務機能を閉鎖すると判断。

loire_valley_map(イメージ:Wine Terroirsより)

地元生産者はこれまでと同様の会費をINAOに支払いながら、これまで活動してきた産地名で活動できなくなり、同時にPR面や称号を保護する面でも「サンセールAOC」は消えることとなる。地元生産者は自ら<Sancerre/サンセール>の商標認定を行い、関係者が共有できるトレードマークを作る動きがでているが、フランス政府は他のAOCでもこのようなAOC制度からの離脱行為を防ぐために、この<トレードマーク共有案>をつぶすと関係者は推測している。

実に難しい状況だが、正式名所が<トゥールAOC>であろうと、今後もワイン・ラベルには<Sancerre/サンセール>の文字を活用するわけで、そこら辺は慣れのような気がするが・・・それより偽物<Sancerre/サンセール>または勝手に<Sancerre/サンセール>とワイン・ラベルに表記するの防止する管理システムをINAOに考えてもらったほうが重要なような気がするのですが・・・

(ニュース・ソース:Jim’s Loireより)

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最後はアメリカ人マスター・ソムリエリチャード・ベッツ氏が<こすると香りがする>特殊な紙でできたワインの香りを学ぶ本を出版。アメリカでは「Scratch n’ Sniff(直訳:こすって・香る)」と呼ぶ子供向けの絵本やシールなどでよく使用される技術。『The Essential Scratch and Sniff Guide to Becoming a Wine Expert』ではこの技術を活用し、ワインの様々な香りをイラストで表し、同時にそこに香りを嗅ぐこともできる。

scratch(イメージ:BiteClubEatsより)

これまでも嗅覚を訓練するツールは様々と存在するが、今回の本は嗅覚の訓練よりも香りを楽しんでもらい、次のワインの購入に役立てて欲しいと考えていると著者のベッツ氏は説明している。子供の頃によく「Scratch n’ Sniff」の絵本、雑誌、シールなどで遊んでいたその頃と今の技術はそれほど進化していない。現代技術でも本物と全くの同じ香りを再現するの難しい。ただし、当時も自分好みの香りを探して、それを何度も嗅いで楽しむのことが実は嗅覚に刺激と記憶を与えていたのだ。今回の本でも、色々な香りを試して、お気に入りの香りがあれば、その香りに近いワインをショップで探して、実際に香りがするかを楽しんでもらいたいと考えている。

wine-04_wide-35f2f55346ffcae46e731e83421a528c5db2d0a7-s6-c3024350848(上イメージ:NPR、下イメージ:Gizmodo Indiaより)

この本は<中年>向けなのか、<ミレニアル世代>向けなのかよくわからない・・・実際に昔「Scratch n’ Sniff」で遊んだのは中年たちで、ミレニアル世代はあまり関心を寄せないような気がする、ただし、この本のイラストデザインや文字の少なさは中年よりもミレニアル世代に受けるような気がする。正直、子供向けの絵本にしか見えないけれど、さすが子供に今からワイン関して教育したい親にはもってこいかも・・・

(ニュース・ソース:NPRより)

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